『VALORANT』の公式トーナメント「VALORANT Champions Tour(VCT)」のベストシーンを考えるうえで外せないのが「SUYGETSU選手の凄まじい4キル」でしょう。VCT 2022 Stage 2 Masters Copenhagenでは当時FPX(FunPlus Phoenix)のSUYGETSU選手が、最終マップで2v4状況から綺麗すぎるエイムでPRXを破壊し、優勝をもぎ取りました。
この4キルを初め、精確で美しいショットを魅せるSUYGETSU選手は、2023年12月2~3日に行われた「Riot Games ONE」にて来日。THE UNLOCKERSではプロミックスチームとして日本のプロと共にストリーマーチームを倒し、NAVIとして出場したPRO INVITATIONALではDetonatioN FocusMe、ZETA DIVISION、Bleed Esportsに勝利し、無敗で今年最後の大会を締めくくりました。
そして、イベントの最後には自身が使用したマウスを会場のファンにプレゼントするというサプライズも。素晴らしいプレイを持つ彼は、ファンサービスまで一流であることを示しました。
本稿では、イベントの直後に実施したSUYGETSU選手へのインタビューをお届けします。素敵なサプライズの裏側や、2023年の振り返り、アニメの話などを伺いました。
◆サプライズはあのレジェンドの影響だった!
――本日はイベント直後にありがとうございます。よろしくお願いします。
SUYGETSU:あれ、Championsでもインタビューしてくれたよね?
(※筆者はChampionship 2023でもSUYGETSU選手にインタビューしていた。)
――そうです!今度は日本でお会いできて嬉しいです。では早速ですが、Masters Tokyo以来、2度目となった日本でのプレイはいかがでしたか?
SUYGETSU:素晴らしい経験だったよ。Masters Tokyoの時よりもみんなとの距離が近かったから、より嬉しかったね。
――最後のサプライズには驚かされました。いつ思いついたんですか?
SUYGETSU:『Counter-Strike』のs1mple選手が同じようにファンへマウスをプレゼントしていたんだ。それに感銘を受けて僕もやってみたんだよ(笑)
――日本のプレイヤーとも交流できましたか?印象に残った選手などあれば教えてください。
SUYGETSU:正直一緒に戦ったプロミックスチームも誰が誰がわからないまま終わっちゃったんだ(笑)。でもLaz選手はプレイだけでなく、人間的にも良い人だなと感じたね。
◆ardiisは変わらぬムードメーカー
――2023年のVCTを振り返ってみていかがですか?
SUYGETSU:期待されていたポテンシャルに匹敵する成績ではなかったと思う。2月のLOCK//INではベスト4という結果を出せたけど、それ以降は崩れていってしまったんだ。今年のことは一旦忘れて、2024年に向けてより良いチームにしていきたいね。
――Championsの敗退が決まった記者会見ではとても悔しそうな表情をしていましたが、大丈夫でしたか?
SUYGETSU:Shaoはかなり落ち込んでいたね。僕はChampionsは序盤から良い結果にならないような予感がしていて、身構えてはいたんだ。だからそこまでキツかったわけはなかった。まぁ忘れようって感じだね。
――そしてChampionsの後にはardiis選手がカムバックしてきました。久々に彼と同じチームになった印象はいかがですか?
SUYGETSU:彼がどんなんだったか正直全然覚えていなかったよ(笑)。でもいつも面白いムードメーカーだったということは覚えていて、そういう面では全く変わっていないね。みんな成長しているので、そういう意味では当時と全然違うチームになってると思うよ。
――ardiis選手を含めてプレイして手応えはいかがですか?
SUYGETSU:公式戦ではないから、昨日(DFM・Bleed戦)はかなりエンジョイして笑顔でプレイしていたよ。今日は(ZETA戦)昨日よりもしっかりプレイしないといけない印象だったけど、どちらにせよ雰囲気はとても良かったね。
――あのコペンハーゲンのように、再びトロフィーを掲げる自信はありますか?
SUYGETSU:うーん…今のところそう簡単には言えないね。公式戦を重ねていって自信をつけていきたいと思うよ。
――一人のプレイヤーとして目標などはありますか?
SUYGETSU:他のメンバーにとって、より良いチームメイトになっていきたいね。
◆SUYGETSUのゴッドアニメーションを訊く
――少しゲーム以外の事も質問させてください。アニメ好きでも知られるSUYGETSU選手ですが、好きなアニメトップ5はなんですか?
SUYGETSU:(通訳が終わる前に)トップ5アニメだね?
――そうです!
SUYGETSU:1位は「東京リベンジャーズ」で、2位は新しめだけど「ブルーロック」、3位は「Another」だよ。
――「Another」ですか、「東京リベンジャーズ」などとは趣の異なる作品ですね。
SUYGETSU:「Another」は初めて見たアニメだったんだ。4位は「NARUTO」で、5位は「サマータンムレンダ」だよ。
――「サマータンムレンダ」はゴッドアニメーションです。東京は多くのアニメの舞台ともなっていますが、なにか訪れたい場所などはありますか?
SUYGETSU:「呪術廻戦」は渋谷だったよね。あとは「東京リベンジャーズ」の聖地にも行ってみたいな。
――是非楽しんでいってください。では最後に日本のファンへメッセージをお願いします。
SUYGETSU:もちろんだよ!いつも応援してくれてありがとう。みんなの前でプレイするのはいつも楽しいし、これからも応援し続けてくれると嬉しいな。期待に応えられるように頑張るよ、また会おうね!
――ありがとうございました!
FPX時代の5名が再び集まったNAVIを直接見られただけでなく、サプライズプレゼントではスーパープレイ並みのどよめきが沸き起こるなど、日本のファンにとって思い出になったでしょう。
2024年のNAVIはマドリードで行われるMastersを目指してVCT EMEA キックオフトーナメントを戦います。SUYGETSU選手の美しいプレイを楽しみに待ちましょう。
<取材・執筆:岡野朔太郎/通訳・翻訳:Wolfram/編集:矢尾新之介>