世界各地域から12チームが集まる『VALORANT』の世界大会「VCT2023 Masters TOKYO」。そのDAY6にて、EMEA2位・現世界王者「FNATIC(FNC)」がAmericas2位「NRG」と対戦しました。
1stマップ:フラクチャーでは前半ラウンド6-6で折り返すものの後半ラウンドを圧倒し13-9で勝利し、続く2ndマップ:バインドでも完璧な試合運びにより13-4で勝利。現世界王者の強さを見せつけます。今回は試合直後にチームでフレックスを担った「Chronicle」選手へ、ここまでのFNATICの強さの秘訣や日本会場の様子について話を伺いました。
◆Masters TOKYO初陣、日本でプレイした感想は?
――まずは試合お疲れ様でした。本日の試合を振り返っていかがでしたか?
Chronicle:1マップ目のフラクチャーはまあまあだったね。全体的な戦術でミスもあったし完璧とは言えない。それでもかなり久しぶりの試合としては良かったよ。特に2マップ目はかなりね。やりたいことを全てできた感じがするよ。
――FNATICのスーパープレイの数々に会場も大盛り上がりでした。日本の会場でプレイしてみていかがですか?
Chronicle:正直に言うと、ヘッドセット越しに歓声が聞こえちゃうのかなと思っていたんだ。でもヘッドセットの遮音性が高くて本当に何も聞こえなくて驚いたよ。すごく盛り上がった時とかは歓声が聞こえたね、飛んでくるレイズにフリックした時とか。歓声が聞こえたときは嬉しかったよ。
日本の観客の前でプレイするのは最高だよ。特に応援してもらえている時はね。
――FNATICは毎回、試合勝利時にパフォーマンスを行っていますが、いつも誰が考えているのですか?
Chronicle:いつもはBoasterなんだけど、今回は僕とCojo(シニアディレクター)で考えたんだ。僕たち2人はAIBO(アイボ)が好きだからね。ソニーからもらったやつ。
すぐにこれを使うことにしたよ。最初はAIBOの鼻についてるカメラで自撮りしようと思ったんだ。だけど音声認識で写真を撮るから、観客の声で写真が全然撮れなかったんだ。だから今回はライオンキングに決めたんだ。
――チームの中ではフレックスを担っていますが、様々なエージェントを使う中でここまでの高パフォーマンスをどのように安定させていますか?
Chronicle:まあなんて言うか……なぜかできるんだ。ロールチェンジが頻繁にあったGambitに所属していた頃に複数のロールを習得した。そのおかけでピックプールが広いんだ。その時の経験がなければ、今ここまでうまくいかなかっただろうね。
別にフレックスである必要はないんだけど、2つのロールを習得すれば片方でうまくいっていなくても、もう片方で力を発揮できるんだ。マップ別にロールを変える秘訣は、各マップでどうプレイするべきかをちゃんと覚えておくことだね。それがパフォーマンスに繋がっているよ。
◆FNATICのここまでの強さの要因とは?
――Chronicle選手がFNATICに加入してから公式戦では1敗しかしていません。ここまで勝利できている要因はどこにあると思いますか?
Chronicle:僕ら一人一人が強いからだと思うよ。みんなエイムも強くてセンスもある。ゲーム内でも外でもサポートしてくれるコーチ陣も理由の一つだね。あとは僕らはみんな仲がいいんだ。そして雰囲気もいい。時々、VCなしでも完璧に連携が取れたりもする。コミュニケーションがうまくいかない時とかは助けられているよ。
――ここまでの試合をご覧になって注目しているチーム・選手はいますか?
Chronicle:ZmjjKKを見るのが楽しかったね。“主人公”って感じがした。今大会もしくはVALORANT Champions 2023で対戦してみたいと思っているよ。
チームとしてはEGに興味があるね。今のところ素晴らしいパフォーマンスだ。彼らとも対戦してみたいね、PRXに僕らが勝てればアッパーファイナルで対戦することになると思う。
――日本訪問は2022年12月末以来の2度目ですよね。大会出場まで少し期間もありましたが、なにか楽しめましたか?
Chronicle:もちろん、日本の文化は大好きさ。人も優しいし、東京を歩いている時にファンに会えたのもよかったよ。ヨーロッパではそういう経験なかったからね。写真を撮ってあげたいけどルールでダメな時もあった。悲しいけど、まあそういうものさ。チャンスがあったら日本に住みたいなと思うよ。
「VCT2023 Masters TOKYO」もついにPLAYOFFSが開幕。6月19日(月)に行われる次戦は、Pacific1位の「Paper Rex」と対戦します。『VALORANT』史上初の世界大会2連覇なるのか注目が集まります。