『VALORANT』の競技シーンが設立された最初の年に行われた「VALORANT Champions 2021」では、cNed選手のオペレーターが多くのファンを魅了しました。当時、初代王者となったACENDに所属したcNed選手は、オペレーターの的確なショットと鋭い読みによるスモーク抜きで異次元のキルを連発。視聴者だけでなく実況・解説をも驚かせるスーパープレイを量産しました。
2023年には元FPX(FunPlus Phoenix)のメンバーと合流する形で「NAVI」へ加入、Masters TokyoやChampionsに出場するも、プレイオフには進出できず、苦しい結果に終わりました。その後NAVIを脱退し「FUT Esports」に移籍、Red Bull Home Ground 2023への出場権をもぎ取ります。
本稿では、Red Bull Home Ground 2023で実施したcNed選手へのインタビューの模様をお届け。NAVI脱退の経緯や今年のシーズンについて伺いました。
◆注目な同じデュエリストのSyouTa
――よろしくお願いします。日本を楽しんでいますか?
cNed:日本に来るのは2回目になりますね。Masters Tokyo以来です。子どもの頃から日本には行ってみたいと思っていましたし、大好きな国ですよ。
――100T・DRX戦と戦ってみた印象はいかがですか?(※本インタビューはDay2のC9戦前に実施)
cNed:100T戦はかなり自信を持って臨めましたね。正直あれほどすんなり勝てるとは思っていませんでした。DRX戦も、100T戦の勢いそのままで勝つことができました。
――今回FUTは日本チームと戦うことはありませんでしたが、注目している日本のプレイヤーや選手などがあれば教えてください。
cNed:FENNELのSyouTaにかなりポテンシャルを感じましたね。いいプレイを見せてくれました。選手としては彼が際立って見えましたね。チームとしてもポテンシャルがあるので、もっと成長すると思います。
◆プレイスタイルが合わなかったNAVI
――2023年シーズンはどんな一年だったと感じていますか?
cNed:チーム(NAVI)としてそれなりの結果は残せたものの、ロスターのポテンシャルを発揮できたとは言えない結果でした。MastersやChampionsに出場はできましたが、グループステージで敗退してしまいました。
選手個人としては、NAVIでゲーム内外のことをたくさん学ぶことができました。それを糧に成長できたらと思っています。
――お話しできる範囲で構いませんので、NAVIからFUTへの移籍した経緯を教えてください。
cNed:あまり詳しくは言えませんが、一つ言えるのは僕はNAVIに合わなかったしNAVIも僕に合わなかったということです。プレイスタイルが合わなかったんです。双方にとって別々の道を選んだ方がいいだろうということで、チームを抜けて、オファーをもらったFUTに加入することになりました。
――では、今のFUTの方が合っていると思いますか?
cNed:そうなると思います。FUTのプレイスタイルの方が僕に合っているのでやりやすく、FUTでは自分がチームに貢献できているという実感がありますね。
――チームにはすぐ馴染むことができましたか?
cNed:母国語でコミュニケーションできる上に文化的な食い違いもないので。チームがどうしたいのか、何をして欲しいのか、自分の強みをどう活かして欲しいのか、すべてが理解できるので、プレイスタイルやチームメイトにもすぐに馴染めました。
――2024年の目標を教えてください。
cNed:チームとしても個人としてもまずはMastersやChampionsに出場すること。そしてなにより、勝つことですね。
――日本のファンへメッセージをいただけますか?
cNed:こんなにも『VALORANT』の競技シーンやチームに興味を持ってくれて本当に感謝しています。前回、日本に来た時はあまりプレイを見せることができませんでした。いつも日本での試合を本当に楽しみにしています。
――ありがとうございました!
FUTもNAVIと同様に今年は国際大会に出場するも、グループを突破できず苦しい結果に終わりました。新ロースターのデビュー戦となったRed Bull Home Ground 2023では、怒濤の破壊力でEU予選を突破し、ベスト4という結果を残したFUT。2024年のVCT予選では、cNed選手との相乗効果で良い結果を狙います。
<取材・執筆:岡野朔太郎/通訳・翻訳:Wolfram/編集:矢尾新之介>