『VALORANT』を手掛けるライアットゲームズは、2024年よりAMERICASリーグへ参入予定だったeスポーツチーム「The Guard」の昇格を取りやめることを発表しました。リーグは昨年と同じく10チームで戦います。
◆プレイヤーはTwitterを通じて事実を知る
2024年のインターナショナルリーグでは、リーグが開始した今年の10チームに加え、2部リーグの強豪が集まる大会「Ascension」の優勝チームが参入予定。11チームによるリーグが行われる予定でした(Pacific・EMEAなどでは11チームで行われる見込み)。The Guardは、AMERICASリーグ入りを賭けたAscensionを勝ち抜き、来年から2年間リーグで参入する権利を手にしていました。
ライアットゲームズは、同社から数回のフォローアップを実施したにも関わらずチームはリーグ参加契約に合意する期限に間に合わなかったと発表。2024年は昨年同様10チームでリーグが行われます。
The Guardは、この結果に「失望している」とX(旧Twitter)に投稿。同チームのプレイヤーであるneT選手はこの事実をXを通じて知り「打ちのめされている」とし、「ライアットゲームズが再考してくれることを期待している」と綴っています。
また、北米『VALORANT』プレイヤー組合はこの発表について、組合やプレイヤーに対して相談を行わなかったチームとライアットゲームズの双方を非難。今後プレイヤーたちがよりよい選択肢を見つけられるように尽力すると表明しています。
◆eスポーツヘッドが理由を説明
この発表に関して、『VALORANT』eスポーツグローバルヘッドのLeo Faria氏はXで事情を説明しています。
まず、昇格予選であるAscensionに参加する全てのチームは、大会開始前に参加同意書に署名し、それらはエスクロー(第三者機関のようなもの)によって保管されました。その後大会を優勝したチームにはリーグ参入の手続きが開始され、チームはその際にエスクローから署名を解除する必要があったものの、The Guardはそれを期限までに行わなかったと説明。2ヶ月の間にライアットゲームズ側からチームに対して複数回のフォローアップがあったとのこと。
また、Ascensionの2位であるチーム「M80」を繰り上げ昇格させることと、The Guardのメンバーを他のチームに移籍させるという、別の選択肢についても説明しています。前者については、Ascensionに関して「疑わしい前例を作ることになる」とし、「昇格はゲーム内で勝ち取るものであり、ゲーム外で勝ち取るものではない」と述べています。後者に関しては「リーグ(VCT)への参加枠が売却される恐れがある」と、健全性を損なう可能性を考慮したことを明らかにしました。
これらの理由から、ライアットゲームズは第3の選択肢である「どのチームも昇格せず、昨年と同じチーム数でリーグを実施する」ことに決定したのです。
◆M80のCEOは「M80がリーグに参加することが最良の選択肢である」と対話求める
Ascensionの2位であるM80の創設者でありCEOのMarco Mereu氏は、Leo Faria氏に対して「M80がリーグに参加することが最良の選択肢である」として、責任者との対話を求めています。
なお、PACIFICリーグとEMEAリーグに関しては予定通り11チームでリーグが行われる見込みであり、競技性の不公平感は否めません。今後どのような展開を迎えるのか(また何も動きはないのか)コミュニティから注目が集まります。