PRXの強みは“お互いを信頼し合っている”こと―something(smth)選手が初の国際大会「VALORANT Champions 2023」で感じたもの【インタビュー】

VCT 2023 Masters Tokyo」にはビザの関係で出場できなかったsomething選手。初の国際大会に出場した今の気分や、注目しているプレイヤーについて伺いました。

e-Sports インタビュー
PRXの強みは“お互いを信頼し合っている”こと―something(smth)選手が初の国際大会「VALORANT Champions 2023」で感じたもの【インタビュー】
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VALORANT』における年間王者を決める国際大会「VALORANT Champions 2023」が、アメリカ・ロサンゼルスにていよいよ開幕。かつて日本で活躍したエースプレイヤー“smth”ことsomething選手が属する「Paper Rex(PRX)」は8月11日に行われた初戦で「KRÜ Esports」と対戦。マップスコア2-0で快勝を収めました。

もともと日本・福岡を拠点とするSengoku Gamingに所属していたsomething選手は、今年3月よりシンガポールに本拠を置くPRXへ加入。VCT Pacificリーグに参加し、圧倒的な実力を持ったデュエリストとして世界を驚かせたものの、前回の国際大会「VCT 2023 Masters Tokyo」にはビザの関係で出場していません。つまり今回のChampionsが、彼にとって初の国際大会なのです。

本稿では、KRÜ戦直後に実施したsomething選手へのインタビューをお届け。初の国際大会でプレイする感覚や、注目しているプレイヤーなどを伺いました。

◆初の世界大会、smthも最初は緊張する

――勝利おめでとうございます。今日の試合を振り返ってどうでしたか?

something:全体的にはよかったけど、もっとうまくできたと思う。やっぱり初めての世界大会で緊張したね。

――初めて世界大会の場でプレイする気分はどうでしたか?

something:気持ちよかったよ。試合が始まったときは緊張でちょっと震えたけれど、慣れれば慣れるほどますます気持ちよくなったんだ。久しぶりにステージでプレイすることを待ちわびていたよ。

――PRXとして世界大会に出れて、今どのような気分ですか?

something:フランチャイズチームと契約してプレイするのは夢だったんだ。僕らはいつも一緒に笑ってプレイできている。 このチームが好きだよ。

――初の国際大会でのプレイに関して、コーチや他のメンバーからアドバイスなどはありましたか?

something:特にはないね。ただ「プレイしよう」ってくらいだよ。

――やっぱり世界大会の場と地域大会では違うものでしょうか?

something:大きな違いはないけれど、世界大会だから普段よりも多くの人が見ているって意識しちゃったんだ。 僕自身の気持ちや考え方の問題だね。

――今回のChampionsでの目標などは定めていますか?

something:3位までになれたら大成功かな。

◆PRXの強みは“信頼”にある

――パールではKRÜの追い上げがすごかったですね。どのような要因があったと思いますか?

something:何ラウンドか覚えていないけれど連続で取られてしまったね。こちらの行動に対応してきていたから、きっとコーチがいい指示を出したんだと思う。

――おっしゃるように追い上げられたものの、最終的には勝ちましたね。KRÜの反撃にはどう対応したんですか?

something:あまり大きな対応策は使いたくなくて、細かい調整を行ったんだ。もっと固まって動いたり、アグレッシブになったりすることもあれば、待ちの姿勢になったり……という感じだね。

――PRXの強みはどこにあると思いますか?

something:お互いを信頼し合っていることかな。誰かが「反対へ行こう」と言ったら全員で一斉に動くんだ。疑ったりしない信頼で成り立っているのが強みだと思う。

――グループ内で警戒しているチームやプレイヤーはいますか?

something:やっぱりZmjjKKだね。彼らが今日勝てば(※)明日戦えるんだ。コミュニティも大きな見どころを期待してくれているはず。だからZmjjKKがいるEDGと戦いたいね。

(※)本インタビューの直後、EDGはこの日の試合に勝利し、翌日にPRXと戦うことが決まった。

――韓国のパシフィックファイナルと雰囲気の違いなどは感じましたか?

something:韓国での決勝はこれまでで最高の体験だったんだよ。あんなに大きな会場でプレイできたのは初めてだったからね。ここの会場はまだ、もっと大きな会場でやる決勝にむけての予選会場みたいなものだよね、悪くないかな。

――世界大会でもパフォーマンスを落とさないよう、どう心がけていますか?

something:心がけているわけではないけれど、とにかくたくさんプレイするようにしてるよ。練習は楽しいからね。それは僕の生活でもあるんだ。『VALORANT』をプレイしていなければ、何もすることがない人生だったと思う。散歩してご飯を食べるだけの生活だったかもしれない。

――Masters Tokyoはsomthingが不在にもかかわらず3位だったことについてどう思っていますか?

something:難しい質問だね。彼らが勝ったことは嬉しかったし、同時にその場にいられなくて残念だったよ。試合は見ていたけれど、チームがいくつかのマップを落としてしまったときに僕がいたら勝てたかもしれないと考えてしまうんだ。悲しくなるよ。同時に僕がいなくても3位になれるくらい皆が強いってことも嬉しく思うね。そこに僕が加わればもっと強くなれるかもしれない。ワクワクするよね。

――最後に日本のファンへメッセージをいただけますか?

something:日本の皆さん、応援ありがとうございます。ずっと応援してくれて本当にありがとう。大好きです。皆さんありがとう!

――ありがとうございます!EDGとの対決を楽しみにしています。


something不在でもベスト3まで上り詰める実力を持ったPRX。完全体で挑むChampionsではどこまで勝ち上がるのでしょうか。Pacificの決勝ではMVPにも輝いたsmthが国際大会でどれほどスーパープレイを見せてくれるのか。期待が高まります。

そして、PRXは次戦で中国・EDward Gaming(EDG)と対戦。ZmjjKK選手との直接対決に注目です。

《Okano》
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東京在住ゲームメディアライター。プレイレポート・レビュー・コラム・イベント取材・インタビューなどを中心に、コンソールゲーム・PCゲーム・eスポーツについて書きます。好きなモノは『MGS2』と『BF3』と「Official髭男dism」。嫌いなものは湿気とマッチングアプリ。

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