『VALORANT』で大学対抗戦勃発!学園祭で行われた「明治vs早稲田」…“明早戦(早明戦)”の行方を見届けた【イベントレポ】

11月4日に開催された明治大学の学園祭「明大祭」および、早稲田大学の学園祭「早稲田祭」にて開催された「VALORANT 明早戦(早明戦) Supported by RUGs」。大接戦の模様をレポートします。

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11月4日に開催された明治大学の学園祭「明大祭」および、早稲田大学の学園祭「早稲田祭」にて、「VALORANT 明早戦(早明戦) Supported by RUGs」が開催されました。

こちらはその名の通り、両大学のeスポーツサークルである「Meiji esports Club MeC(明治 MeC)」と「早稲田大学esportsサークル(早稲田 WEC)」が5v5タクティカルシューター『VALORANT』にて雌雄を決するというイベントです。

パブリックビューイングも実施され、『VALORANT』にあまり馴染みのない来場者の姿も見受けられた本イベントの様子は、eスポーツ観戦に慣れているゲーマーにとっては異色の光景だったともいえるでしょう。本稿では、そんな学生イベント「明早戦」の行方を、明大祭の視点からお届けします。

◆未来に期待してしまうハイレベルかつ拮抗した試合展開!“明早戦”覇者はどっちだ!?

選手はもちろんのこと実況・解説も学生が執り行うという「学生による学生のためのイベント」と言える本イベント。筆者はまず、そのクオリティの高さや大学の垣根を超えた規模に驚かされました。

特に舌を巻いたのが、キャスターを務めた明治大学三年生・米田優希さんの実況。“現役学生”という贔屓目を抜きに、卓越した話術を披露していました。

試合ルールはBO3形式で、「明治 MeC」はブリ美選手、ようすけちゃぁん選手、Yuzu選手、空空寂寂選手、禀々矣選手。「早稲田 WEC」からはt4ct選手、jinbeibei選手、taimai選手、CNBS選手、Sawada選手がロースターとして名を連ねます。

1マップ目に選ばれたのは「ヘイブン」。「明治 MeC」がアタッカーから始まったゲームは、「早稲田 WEC」がファーストラウンドを先取し、その勢いのまま連勝して4-0にまで持っていきます。

そのまま試合をもっていくかと思いきや、その後は明治がPERFECTで勝利。そして4-4まで追いつくと。攻守交代まで同点が続くなど拮抗した試合展開を見せます。

攻守交代後は一時早稲田が連取する場面も見られましたが、またもや返す刀で8-8……9-9という接戦を繰り広げます。パブリックビューイングも、明治側が点を取り返せば拍手が起きるほどの熱気に包まれました。

しかし、そこからは早稲田の猛攻が続きます。12-9と、マッチポイントまで完全に早稲田が優勢に。諦めずに撃ち合いに挑んだ明治でしたが、最後にはSawada選手が扱うブリーチのウルト「ローリングサンダー」が決まり、1マップ目は早稲田の勝利となりました。

2マップ目の「バインド」は、明治のようすけちゃぁん選手の大活躍から幕を開けます。ファーストブラッドを取ると、人数の少ない早稲田をなんと一気にトリプルキル!そのままアンチエコもおさめて2-0に。

しかし、早稲田も2-2まで持ち込む着実な試合運びを見せます。解説によると、早稲田は”詰め待ちの時間を使って確実に数的有利を確保している”とのこと。 このマップでも、お互いが取って取り返してを繰り返し、明治5-早稲田7で攻守交代を迎えます。

そして、ここから事態が急転します。波に乗った早稲田は明治を押さえ込み、6-12という状況まで持ち込みます。マッチポイントを取られ、そのまま早稲田が勝利してしまうのかという最中、明治も意地を発揮。まさに土俵際の戦いといったところで、7、8、9と着実に勝利を取り返していく度に会場のボルテージが上がっていきました。

オーバータイムまであと少しのところまで手が届くも、10‐12で明治が見せた“背水の追い上げ”はストップ。マップスコア10-13で「早稲田 WEC」が明早戦の覇者となりました。終始接戦が続いた本イベント。試合の中でお互いが対戦相手に適応していく試合展開は、非常に見ごたえのあるものでした。

◆エキシビジョンマッチはさらに熱かった! “学園祭の時間制限”まで加わった激戦の行方は…

明大祭からパブリックビューイングに参加した筆者。どうしても「明治 MeC」の勝利も見たいと思ってしまうなか、最後にエキシビションマッチとして繰り広げられたのがマップ「ロータス」での熱戦です。

本来は「そのチームのファンだからこそ応援する」のが、一般的なeスポーツシーンのあり方。対して本イベントはそれぞれにホームがあって、そこから観戦するというものなので、「自身の所属や参加場所で、応援先が変わる」という面白さがあります。『VALORANT』の競技シーンであるVCTやChallengers Japanと比べて、「ローカルな応援」を肌で感じることができました。

そんな「大学への愛」がぶつかるエキシビションマッチも、本戦の明早戦に負けず劣らずな熱い試合展開が繰り広げられました。6-6で攻守交替を迎えると、均衡した試合展開が続き、ついには12-12のオーバータイムへ突入。

取っては取られて、ここにきて会場の盛り上がりは頂点へと達します。14-14の時点で、学園祭の終了時刻まであと8分というアナウンスがあり、これ以上もつれたら試合中にも関わらずパブリックビューイングを終了しなければならないというなか試合が決着。16-14で「明治 MeC」が勝利しました。

明早戦の軍配は早稲田に上がりましたが、両チームとも実力差を感じさせずまさに一進一退の攻防を繰り広げた本イベント。このような大学対抗戦からさらに成長して、eスポーツシーンを席巻するスター選手が生まれる可能性は大いにあるでしょう。

残念ながら学園祭という都合上、試合の模様は配信されていませんが、プロシーンやストリーマーシーンでは見られない面白さが詰まっていたとも言えます。読者の近くでこのような“ローカルな戦い”が行われることがあれば、ぜひ見に行って推しチームを作ってみてはいかがでしょうか。


RUGsでは『VALORANT』に限らず、学生をはじめとする情熱あるゲーマーの取り組みを応援しています。遊び仲間を見つけるだけでなく、イベント主催などを考えている方は、ぜひDisocrdサーバーに参加してみてくださいね。

《高村 響》
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多義的に面白いことが好きです 高村 響

兵庫県生まれ。子供の頃からゲームを初めとしたサブカル全般にハマっていたものの、なぜか大学にて文学研究で博士課程まで進むことに。本が好きで、でも憎い。純文学を中心とした関係性の中で生きていたが、思うところあってゲームライターに転向。その結果、研究のさなかゲームをしまくっていたことが恩師にバレつつある。 読んでくださっている皆様、どうぞよろしくお願いします。

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