日本HPは、約3年ぶりとなる報道関係者向けのオフライン製品発表会を2023年3月6日に実施。最新のゲーミングトレンドの捉え方として、「クロスオーバー層」へのアピールや、「No.1ゲーミングソリューションカンパニーへ」という目標の表明、プロeスポーツチームとのスポンサー提携などなど、新製品以外にもさまざまな内容が発表されました。
最初に登壇したコンシューマービジネス本部 本部長 沼田 綾子氏は、まずHPをNo.1ゲーミングソリューションカンパニーへすることを目標に掲げることを宣言。調査によるとユーザーの62%がゲーム専用ではないPCを使っており、84%がなんらかのコミュニティに属していることを明らかにしました。
また、ゲームや仕事だけでなくクリエイティブ活動にもPCを使用しているユーザーを「クロスオーバー層」と位置づけ、ゲーミングでもクリエイティブでも使いやすい新製品「OMEN Transcend 16」を発表しました。
今後、ENVYやPavilionシリーズなどHPのゲーム専用ではないPCにも、ゲーム体験を快適にするソフトウェア「OMEN Gaming Hub」をプリインストールし、GeForce NOWを用いたクラウドゲーミングへアクセスできるようにしていくと説明しました。
そして、プロeスポーツチーム「DetonatioN FocusMe」とのスポンサー契約を締結を発表。今後コラボアパレルが付いてくるゲーミングPCの販売や、選手たちのサイン入りユニフォームがあたるキャンペーンを開催。また、現在行われている『VALORANT』の国際大会「VALORANT Champions Tour Pacific 2023」のオフィシャルゲーミングPCパートナーに就任し、大会で使用されるゲーミングPCを提供します。
今回新たなデザインで発表されたのは3つのシリーズから、インテル製CPUを搭載するのは以下の5モデルです。これらは5月以降順次発売されます。なお、OMEN 17とVictus 15は従来のモデルにCPUとグラフィックスをリフレッシュしたモデルが追加される形です。
・OMEN Transcend 16 (316,800円~)
・OMEN 16(272,800円~)
・Victus 16(206,800円~)
・OMEN 17(484,000円~)
・Victus 15 (179,300円~)
なかでも「OMEN Transcend 16」は、前述のクロスオーバー層に向けたモデル。mini-LEDディスプレイを採用した最上位モデルは、最大輝度が1180nit、VESA Display HDR1000に対応。明るく美しい表示はクリエイティブ作業に向いています。また、リフレッシュ・レートは240Hz、応答速度は5msであり、eスポーツタイトルを含むゲームにも向いているとのこと。プレイヤーとクリエイターのニーズに応えるディスプレイとのことです。
最上位モデルでは、第13世代インテル® Core™ i9-13900HXモバイルプロセッサーとNVIDIA® GeForce® RTX™ 4070 Laptopにより、高速な処理能力、大作ゲームのプレイ、高いグラフィック性能を実現しています。
外装にはOMENノートPCシリーズにおける初のマグネシウム系アルミニウム合金を採用し、カラーはセラミックホワイトのみ。重量約2.17kg、薄さ約19.9mmのサイズを実現しました。実際に持ってみると天板部分はサラサラとしたマットな仕上がりとなっています。
エントリーグレードである「Victus 16」には、これまでOMENシリーズにしか載っていなかったOMEN DYNAMIC POWERと呼ばれる機能が搭載され、GPUとCPUのどちらに電力が必要かを自動で振り分けてくれます。また、「OMEN 16」はパフォーマンスが向上しTGP145Wを実現。これにより『サイバーパンク2077』のフレームレートは119%向上したとのこと。
OMEN Transcend 16・VICTUS 16・OMEN 16には日本HPの子会社であるHyperXのワイヤレスヘッドセットが付属。レシーバーを内蔵することで、すぐに利用することができます。
また、6モデルのゲーミングディスプレイも同時に発表。発売はOMEN 27k 144Hz 4Kのみ5月以降、そのほかは4月13日です。
・OMEN 24 165Hz FHD ゲーミングディスプレイ(26,400円)
・OMEN 27q 165Hz QHD ゲーミングディスプレイ(44,000円)
・OMEN 27qs 240Hz QHD ゲーミングディスプレイ(81,400円)
・OMEN 27k 144Hz 4K ゲーミングディスプレイ(97,900円)
・OMEN 32q 165Hz QHD ゲーミングディスプレイ(59,400円)
・OMEN 34c 165Hz WQHDカーブドゲーミングディスプレイ(70,400円)
目玉となるOMEN 27k 144Hz 4Kには、KVMスイッチを搭載。こちらは、ひとつのキーボード・ディスプレイ・マウスを複数のPCや家庭用ゲーム機で切り替えて使うことのできるシステムで、仕事用とゲーム用でPCを分けて使用しているユーザーなどにピッタリです。
背面にあるボタンは、十字キー(+中心のボタン)と独立したボタンがひとつのデザインとなっているため、手探りで操作しがちなシーンもわかりやすくなっています。
また、モーションブラーを評価する規格「VESA ClearMR認証」を取得済み。動きの激しいシーンでも鮮明でブレのない映像表現を実現しています。「OMEN 24」「OMEN 27q」「OMEN 27k」「OMEN 32q」「OMEN 34c」の5モデルはVESA ClearMR 5000を「OMEN 27qs」はVESA ClearMR 6000認証を取得しています。
そのほか、「OMEN 27qs」「OMEN 27k」はディスプレイ背面にOMEN Light Studioで制御可能なARGB対応のアンビエントライト機能を備えているのも特徴のひとつです。
さまざまなニーズに合ったゲーミングPCと、多彩なディスプレイを発表した日本HP。日本チームとして世界で戦うDetonatioN FocusMeへのスポンサードなどで存在感を増していきそうです。