複数の海外eスポーツ関係者は海外メディア(Esports Insider)のインタビューに対し、2023年のeスポーツビジネスにおいて「適正化が進んだ」と考えるようです。なお、あくまで本稿で取り上げる発言は世界のeスポーツに目を向けたものであることにご留意ください。
今年のeスポーツビジネスにおいてのトレンドは何か、という問いに対し、『Apex Legends』などElectronic Artsのeスポーツブランド&マーケティング、シニアディレクターのMonica Dinsmore氏は「最も注目すべきは、ブランド提携やeスポーツチームまで業界の適正化だ。ここ数年、ベンチャーキャピタルによる過剰投資がみられたが、今年はその影響があらわれている」と話しています。
また、eスポーツプラットフォームのESL FACEIT Group共同CEO、Craig Levine氏は「2023年はゲーム・チームそれぞれが多くの課題に直面した。パブリッシャーのエコシステム(経済圏)の再アプローチや、チーム同士の合併などが顕著である」と語りました。
FURIA Esports共同CEOのJaime Pádua氏は「eスポーツ企業が新たな環境に適応する必要のあった年」と今年を振り替える一方で「カルチャーとしてのトレンドを維持することで課題を克服し、成熟度と回復力を示すことができた」と一定の成果と、未来への希望がみえていると話します。そして、コミュニティコンサルタント企業「The Story Mob」のディレクターであるMiles Yim氏も同様に「2010年代の根拠のない期待から逃れ、持続可能な業界へ成熟している」とし「短期的な収益を目的とする企業は完全に撤退をはじめている」と業界が意味のある成長を遂げていることを語っています。
そのほか、Esports Insiderでは今年最大の成果や印象に残った/残らなかったeスポーツシーンなどが扱われています。
今年はKOIとInfinite Realityがパートナー解消や、G2 EsportsによるVersion1の買収などチーム同士の吸収合併がみられ、過剰投資時代から一段落し、業界が適正な規模に形を変えているとみられているようです。