イギリス・チチェスター大学の研究によって、eスポーツプレイヤーはプレッシャーがかかる状況においてパフォーマンスが低下することが明らかになりました。
◆選手がプレッシャー下でもパフォーマンスを発揮できるようになる研究の第一歩
調査対象となったのは『Counter-Strike: Global Offensive(CS:GO)』の大会「ESL Premiership Spring 2022」に出場する33名のトッププロと、学生大会に出場する57名のプレイヤー。
1つめの検証では、90名の参加者が低いプレッシャーと高いプレッシャー、両方の条件下で与えられたタスクをクリアし、ストレスやタスクの評価、視線の動きなどのパフォーマンスを調査。結果として、低いプレッシャーよりも高いプレッシャーの状況ではより高いストレスがかかり、最適でない視線の移動がみられ、全体的なパフォーマンスが低下したとのこと。
また、トッププロと学生プレイヤーでは、学生プレイヤーのほうが影響を受けやすかったとしています。
2つめの検証では、28名のトッププロが、有観客かつラウンド間のフィードバックを受けるという(つまり一般の試合と変わらない)より高いプレッシャーにおかれました。参加者はより高いパフォーマンスを上げようとする努力が瞳孔測定(瞳孔の直径の変化など)などでみられたとのこと。しかし、ストレスの高まりや最適でない視線の移動によってパフォーマンスは低下したとされています。
想像通りの結果ではありますが、この研究は、ストレスの緩和やプレッシャーへの対処能力向上、最適な認知コントロールを維持など、eスポーツプレイヤーが“ここぞ”という場面でパフォーマンスを発揮するために、科学的な追求の糧になることが期待されます。