海外のXアカウントが『リーグ・オブ・レジェンド』の実況・解説をAIにさせる動画を投稿。海外eスポーツキャスターから批判を受けています。
この動画でお披露目されたのは、先日発表されたばかりの画像を読み込ませる機能「OpenAI Vision API(GPT-4 with Vision)」と、自動読み上げ(TTS)機能を用いて、『リーグ・オブ・レジェンド』のT1対LNG Esportsの試合を機械によって実況・解説させるというもの。映像では試合の状況で起こっている出来事を読み取り、言葉にしていることがわかります。
これに対して海外のeスポーツキャスターの一部は否定的な意見を述べています。
『リーグ・オブ・レジェンド』のキャスターでもあるIsaac氏は「人生に喜びをもたらすものを置き換えてしまうAI開発があまりにも多く、本当に憂鬱だ。AIが雑務を処理することで、人間が芸術や情熱的ななにかに没頭することができるSF世界とは正反対だ」と述べています。
また、『コール オブ デューティ』や『ロケットリーグ』などでコメンテーターを務めるSpaceman氏は「AIは芸術を欠いている。そこにクリエイティビティはなく、よく言えば模倣、悪く言えば盗用だ。この映像を作った人を攻撃したいのではなく、AIが芸術に取って代わる考えを攻撃しているのだ。本来あるべきゴミ箱に捨てるべきだ」と、やや語気荒めに否定しています。
キャスターは、プレイヤーや試合の背景など、画面に見えている以外の情報の網羅や、起こっていることの「何がスゴイのか」を伝えることも重要な役割であり、ただ起こっていることを理解し伝えるだけでは務まりません。
ここからは筆者の考えですが、例えば競技そのものがその国で流行していない場合はどうでしょうか。もちろん生身の人間による実況・解説が望ましいと考えていますが、海外ではとても盛り上がっていても日本では視聴者数が少なく、ビジネスとして成り立たないゲームタイトルも少なくありません。そんなタイトルを低コストで発信することができるなど、活用の仕方は思いつきます。
恐らく、この記事をAIが書いたか、人間が書いたか読者の皆さんに判断は付かないでしょう。上手なAIツールとの付き合い方が、世界全体に求められています。