世界各地域から12チームが日本に集まる『VALORANT』の世界大会「VCT2023 Masters TOKYO」。そのDAY7にて、Americas2位「NRG」がPacific2位の「DRX」とロワーブラケットで対戦しました。
試合内容は、1stマップ:パールでは前半ラウンド8-4で折り返すも後半ラウンドで逆転して13-11で勝利、続く2ndマップ:ヘイブンもNRGらしい作戦の数々により13-5で圧勝した形に。今回は試合直後にチームの頭脳「FiNESSE(FNS)」選手へ、DRXをも翻弄した立ち回りの数々やIGLを行う上でのコツを伺いました。
◆DRXからは対策を感じなかった
――試合お疲れ様でした。まずは本日のDRX戦を振り返っていかがでしたか?
FiNESSE:パールは見ての通り苦戦したよ。相手の守りの動きを読み切れなかったけど、こっちも守りで数ラウンドしか取らせなかった。かなりの接戦だったよ。ヘイブンは思ったよりすんなり勝てたね。DRXは僕達の構成を知っていたはずだから対策されると思ったんだけど、そうは感じなかったのが嬉しい誤算だった。
――2ndマップ:ヘイブンの第15ラウンドでは完璧なAフェイクの攻めにDRXも騙されていましたが元から考えていた作戦だったのですか?
FiNESSE:あれはアドリブさ。AでZestをキルした時に足音もたくさん聞こえたし、パラノイアもフォールトラインも見えて、さらにもう一人いたはず。その時点でAに3人いるのが分かったんだ。そこでcrashiesが「Aはやめだ、Bに行こう」とコールをして、既にBにトキシックスクリーンを置いていたから、それを使ってノーリスクでプラントが通せた。
CリンクからRbがキルを狙って失敗した時にはもう勝ったようなものだったよ。その時点でトキシックスクリーンでAリンクは抑えてた上に、こっちはフルHPで人数有利もあったからね。あの時にAへ行ってたら致命的なミスになっていたと思うよ。
――今日は奇抜な作戦の数々に会場も大盛り上がりでした。日本のファンの反応はいかがですか?
FiNESSE:日本の観客は最高さ、実を言うと観客数人にサインをあげたんだ。唯一無二の盛り上がりだったよ。今までたくさんの大会に出てきたけど最高のイベントの一つだと思うね、誰がプレイしていても観客たちは常に情熱に満ち溢れているし、サインをした時もそうだったけど愛を感じる会場だったよ。時間があればみんなにサインをしたり写真を撮らせてたりしてあげたかった。
――ここからの対戦相手で気になっているチーム・選手はいますか?
FiNESSE:EDGに興味を惹かれたよ。素晴らしいパフォーマンスだし、スクリムで対戦した時も動きがすごく読みづらい相手だった。その上でフィジカルは格が一つ違う。フィジカルが強いチームなのはずっと分かっていたんだけど、チームとしての動きがここまでだとは正直思ってなかったよ。EDGのプレイはぐちゃぐちゃなようで統率が取れているんだ。
◆世界最高峰のIGLに訊く、IGLのコツ
――IGLを担うプレイヤーは“撃ち合いに集中できない”とよく聞きます。FNS選手が考えるIGLが意識すべきこと、または上手く遂行するコツを教えてください。
FiNESSE:よく聞かれる質問だけど、個人的な一番の秘訣はIGLを自分から「やりたい」と思うことさ。負ける時はキルも取れていないことが多いから「フィジカルが弱い」と言われる上に「IGLが下手」とまで言われるから、かなりプレッシャーや責任のかかる役回りなんだ。その上でIGLとして成長するには何を言われても気負わず、時々失敗しても自分をあまり責めず、学習して同じ失敗をしないことが重要だよ。それがチームのリーダーとしての責任さ。
――ありがとうございます。ちなみに来日から2週間ほど経ちましたが、日本で食べたもので美味しかったものはありますか?
FiNESSE:初めて日本の焼肉を食べたんだけど、最高だったよ。元々韓国の焼肉が好きでね。あまり時間が取れなくて外に行けていないけど、ホテルで食べた寿司もすごく美味しかったよ。
――最後に日本のファンへメッセージをお願いします。
FiNESSE:何度も言ってるけど、いつも応援してくれてありがとう、会場でも配信でもね。本当に支えになっているよ。正直こんなにファンがいるとは思ってなくてね、NRGユニフォームを着ている人がAmericasリーグの会場より多くて驚いているよ。たくさんの応援を本当にありがとう。
世界を代表する『VALORANT』IGLのFiNESSE選手は「NRG」をどこまで高みへ導けるのでしょうか。そんな同チームは、本日6月20日(火)にEMEA1位の「Team Liquid」と対戦します。