『Apex Legends』の競技シーン「Apex Legends Global Series(ALGS)」におけるチャレンジャーサーキットの配信に関わるオブザーバーやキャスターらが、正当な対価を支払われていないと主張し、話題を呼んでいます。
チャレンジャーサーキットは、ALGSにおけるプロリーグのひとつ下に位置するもので、プロリーグレギュラーシーズンの各スプリットと並行して開催されます。誰でも参加できるオープン大会であり、勝ち抜くと、スプリット1後のスプリット2プロリーグ予選、またはスプリット2後のラストチャンス予選に進出することが可能となります。つまり、プロリーグで活躍するプレイヤー・チームが最初に踏み込む登竜門であり、プロリーグで活躍する次世代の選手を輩出する場というわけです。
ところが、これらの大会の配信には、制作予算がElectronic Arts(EA)から与えられておらず、キャスターやオブザーバー、制作スタッフに給料が支払われていないと主張する声がSNSに投稿されています。
同様の主張は多くの大会運営関係者によって投稿、拡散されています。また、プロゲーミングチーム「Element 6」のコーチ・アナリストであるLoopy氏は、支払いの遅延に対し配信運営へ抗議し、これらを憂鬱な時間としたうえで、同氏が大学生時代の指導者から「eスポーツははしごのようなもの」と教えられたエピソードを用いて“『Apex Legends』の競技シーンは次の段が存在せず、ずっと横に移動している”と例えました。
過去にはプロリーグのオフライン大会に参加する40チームのうち、半分のチームしかEAから旅費を受け取れないことを、今回の話題の火付け役でもある「Full Squad Gaming」のオーナー、Jake Lucky氏が投稿を話題となり、後にEAが全額負担することを発表するなど、EAのサポートについては以前から話題にのぼることが見受けられました。
『Apex Legends』に限らず、競技シーンがさらに発展するためには、次世代のプレイヤーの躍進を促進する下位リーグを持続的に保つことが重要な要素のひとつです。そして、それを興行として作り上げていくことが今、求められています。