ライアットゲームズは、配信中のいざこざから差別的発言を行った『VALORANT』のプロプレイヤー、元NORTHEPTION・TenTen選手と、Rex Regum Qeon(RRQ)のfl1pzjder選手について正式な処分を発表。TenTen選手は4試合のVCT出場停止、fl1pzjder選手は公式警告文の発行ならびに今後の違反に対する追加ペナルティが科せられます。
TenTen選手は元NORTHEPTIONで現Gen.G eSportsに所属するMeteor選手の実の弟であり、昨年11月からNORTHEPTIONに加入。日本国内シーンのVALORANT Challengers Japanに出場し、デュエリストとして活躍しました。
一方fl1pzjder選手はRRQのプレイヤーとして、アジア地域のインターナショナルリーグ「Pacific league」でZETA DIVISIONやDetonatioN FocusMeと肩を並べ戦っています。
◆NORTHEPTIONはTenTenを即契約解除に
ことの発端は7月4日、fl1pzjder選手はコンペティティブ(ランクマッチ)配信のなかで、マッチングしたTenTen選手のスコアなどを揶揄する発言をし、それに対しTenTen選手がFワードを用いてインド人を差別するような発言をしたのです。なお、fl1pzjder選手は実際にはインドネシア国籍であり、TenTen選手が勘違いしていたものとみられます。
この発言がSNSで波紋を呼び、TenTen選手の所属するチームNORTHEPTIONは調査を実施。その後、配信の翌日にはチームは契約解除とすることを発表しました。TenTen選手も自身のTwitterで謝罪。この処分を受け止めると投稿しています。
◆fl1pzjder選手は選手を継続。チーム側からの声明はなし
即日契約解除を決定したNORTHEPTIONとは裏腹に、fl1pzjder選手の属するRRQは取り立てて対応はしていません。fl1pzjder選手は自身の配信(7月5日)で、TenTen選手は実の兄であるMeteor選手の立ち会いのもと、Discordで謝罪を受けたと説明。当事者間では和解している模様。
ところが、SNSで一部ファンは、TenTen選手の差別的発言を引き出すような、また日本を揶揄するような発言をしたfl1pzjder選手への処分がないことに対し批判的な意見もみられました。
7月8日には、VCT公式Twitterにてこの問題を調査することを発表。今回の処分はこの調査の続報というわけです。
その後、7月15日にfl1pzjder選手は自身のTwitterで謝罪文を掲載。TenTen選手のプロとしての生活を妨害する意図はなかったと強調し、今回の件を深く反省していると述べました。
公式からの処分内容の妥当性を本稿で述べるつもりはありませんが、TenTen選手は4試合のVCT出場停止、fl1pzjder選手は公式警告文の発行という対応と、RRQ側が処分を行っていないことに日本『VALORANT』コミュニティの一部は疑問を呈している人間も少なくありません。