「KOF XV U-18 NEW GENERATION CUP」が5月27日から28日にかけて開催。『THE KING OF FIGHTERS XV(KOF XV)』の公式オンライン大会となる本イベントでは、U-18トップの座を競って、15~18歳の若者たちがしのぎを削りました。なんと本大会の上位2名は2023年8月モンゴル・ウランバートル開催の「第2回東アジアユース競技大会」『KOF XV』部門の日本代表内定選手として推薦されます。
本記事では、そんな大会のレポをお届けします。27日の予選を勝ち抜いた選手たちが集った本選では、若さ特有と言ってよいのか、非常にドラマチックな展開の数々が繰り広げられました!
本選開幕の「WINNERS SEMI FINAL」ではいきなりハイレベルな戦いの数々! 観る者を魅了する若さが迸る!
本大会の解説席にはキャスターとして篠原光さん、実況・解説には雪之丞さん、BONさんが登壇しました。全年齢とはまた違う若い格ゲー選手たちの解説を行います。雪之丞さんはU-18ならではの熱い戦い・スタートを期待しているとコメント。BONさんは今回、よく言われるセオリー面は一切無しで解説。「自分なりのセオリー」が出てくるのではないかと述べました。
本トーナメントは2ゲーム先取のダブルエリミネーション方式で実施。どの選手が勝ち上がり、優勝・日本代表内定選手の栄誉に輝いたのか……その模様をお送りしていきます。
【WINNERS SEMI FINAL】Rize選手vsえでぃこ選手
Rize選手はなんと年齢15歳と「U-18 NEW GENERATION CUP」を象徴する若さ!対するえでぃこ選手は18歳。ジャンプ攻撃を上手く当てて予選トーナメントを勝ち上がってきたと言います。
第1ゲームではえでぃこ選手のレオナが猛攻を仕掛け、 Rize選手のクリス、シュンエイを2連続で破り大将を引きずり出します。大将のテリーを使いRize選手がレオナを破るも、続く庵の着実な攻撃で1ゲーム目はえでぃこ選手が獲得します。
続く2ゲーム目、Rize選手は先ほど手を焼いたレオナをクリスで削るも、ジャンプDからの足払いで敗北。レオナは続くシュンエイで倒すも、えでぃこ選手の中堅の庵がそのまま勝負を決め、2ゲームを先取!予選でもレオナのジャンプ攻撃を巧みに使って勝ち抜いてきたえでぃこ選手が、息詰まる攻防の中で自らのペースを維持し「WINNERS FINAL」進出を決めました。
【WINNERS SEMI FINAL】Jaguar選手vsモブ選手
Jaguar選手は15歳です。予選での勝因について「練習ではあんまり対応できなかったのですけど、本番では対応できました」と、本番での勝負強さが垣間見えるコメント。モブ選手は17歳で、本イベントの意気込みを「“波動”で頑張ります!」と語りました。
モブ選手が扱うキングの“波動”、ベノムストライクでJaguar選手の先鋒レオナを破り、さらに中堅の不知火舞を削りますが、舞が必殺技で対抗して撃破。終盤はJaguar選手の庵、モブ選手の不知火舞と大将同士の戦いへ。ここはモブ選手が制し、1ゲームを先取します。
2ゲーム目の先鋒戦では、Jaguar選手が前ゲームで苦しめられたキングをレオナで撃破します。ここからJaguar選手はモブ選手の動きに対応し始め、1ゲーム目と同じく大将戦になります。ここで前回の雪辱を果たすかのごとくJaguar選手が庵でモブ選手を撃破! 1-1の状態に持ち込む形になりました。
ここでモブ選手はキャラクターを変更。Jaguar選手が対応してきたならばと、先鋒に初となるロバートを出します。しかしJaguar選手は怯むことなく、先鋒のレオナでロバートとキングを撃破します。
Jaguar選手がこのままの勢いで勝利を決めるかと思われましたが、モブ選手の大将・不知火舞がこれを阻止。なんと返す刀でJaguar選手の庵、舞を撃破し、まさかの逆転3連続勝利!モブ選手が「WINNERS FINAL」にコマを進めました。
「LOSERS TOURNAMENT」でも激戦! 「GRAND FINAL」を目指して生まれた“漫画的展開”の数々!
本大会はダブルエリミネーション形式とあって、負けてしまった選手にもチャンスがあります。惜しくも「WINNERS SEMI FINAL」に進出できなかった「しゅうまい暇人」選手、「ランガ」選手、「ぺに」選手、「しょぼ」選手……そして、先ほど本選で負けてしまったRize選手・Jaguar選手なども参戦し、「GRAND FINAL」を目指してしのぎを削ります。
【LOSERS ROUND-1】しゅうまい暇人選手vsランガ選手
15歳のしゅうまい暇人選手は「慌てずに落ち着いて対処していきたい」とコメントし、ランガ選手も対応力を重視したスタイルでいくとのこと。先の2試合に比べて、近距離での戦いが展開されました。
結果は2ゲーム先取でランガ選手が勝利します。 激しい技の応酬はランガ選手のテリーによる必殺技でフィニッシュとなりました。雪之丞さんは勝因に、しゅうまい暇人選手の癖を見抜いて対応したことを上げました。
【LOSERS ROUND-1】ぺに選手vsしょぼ選手
ぺに選手は「予選の勝因を教えてください」との質問に「僕が強すぎて相手の動きが十分の一に見えました」と強気の返答のあと、「でも負けましたけど」と続けるという面白キャラ。16歳のしょぼ選手は格ゲーが上手い学校の先生と練習していたといい、時代を感じる状況に驚きを隠せません。
勝負の結果は、2ゲーム先取でぺに選手が勝利しました。解説陣は「ギース・ハワード」の練度の高さに注目。BONさんはギースを選んだ目の付け所・戦術眼も評価しました。
【LOSERS QUARTER FINAL】Jaguar選手vsランガ選手
続いては、「WINNERS SEMIFINAL」でギリギリの接戦を繰り広げたJaguar選手と、先ほどしゅうまい暇人選手との熱い近距離戦を制したランガ選手との戦い。2ゲームとも大将戦にまでなだれ込む試合運びとなったのですが、いずれもランガ選手が勝利し、見事「LOSERS SEMI FINAL」進出を決めます。
最終盤でのJaguar選手の追い込み、そしてそれを切り返したランガ選手の凄まじさに、驚きを隠せない結果となりました! BONさんは、3人1組の『KOF』だからこその“有利の積み重ね”が勝利につながったと分析しています。
【LOSERS QUARTER FINAL】Rize選手vsぺに選手
続いては本戦で惜しくも負けてしまったRize選手と、ギース・ハワードの熟練度で解説席を驚かせたぺに選手との戦いです。上手いギースの使い方を見せるぺに選手と、冷静に戦いを組み立てていくRize選手。試合は1-1にもつれ込み、最終盤では体力がお互いワンパンチで落ちるレベルの接戦に!
まだトーナメント中にもかかわらず、思わず解説席から「ベストバウト!」との声が漏れたギリギリの試合を制したのはRize選手。「LOSERS SEMI FINAL」にコマを進めました!
【LOSERS SEMI FINAL】ランガ選手vsRize選手
そして「LOSERS TOURNAMENT」を勝ち上がってきた両名の決戦。これに勝った時点で3位以上が決定する重要な一戦です。1ゲーム目は大将戦まで持ち込み、両者テリーの同キャラ対決となりましたが、試合のペースを掴んだRize選手が1ゲーム先取しました!
2ゲーム目も流れはRize選手に。中堅のシュンエイで試合を決める結果になりました。同選手の立ち回りの上手さに、解説席も一戦一戦通じて成長しているのでは!? と感嘆します。初戦からの緊張が解けてきたのではと分析されるほどの“魅せる展開”を見せてくれました。
初戦でのLOSERS落ちから快進撃を続け、Rize選手の3位以内が確定しました!
「WINNERS FINAL」から「GRAND FINAL」まで! ドラマチックな激戦が観る者の心を燃えさせる!
【WINNERS FINAL】えでぃこ選手vsモブ選手
そして訪れた「WINNERS FINAL」。予選から本戦まで勝ち上がってきた、両名の戦いとなります。レオナの空中戦で勝利をつかんで来たえでぃこ選手、“波動”という自分の軸をベースに激戦を制したモブ選手との戦いは接戦を予想させます。
こちらの勝者は「第2回東アジアユース競技大会」『KOF XV』部門の日本代表内定選手2枠のうちのひとりに確定となる、まさしく大一番です。
初手はモブ選手のキングvsえでぃこ選手のレオナ。えでぃこ選手がペースを掴み、ほぼ体力を削られないままキングを撃破します。続いてモブ選手が出したのはまさかの覇王丸! 開始直後から特徴である豪快な大ダメージを与えたものの、冷静な対処でえでぃこ選手が勝利します。モブ選手も大将・不知火舞でレオナを倒しはしたのですが、続く庵に惜しくも敗北し、えでぃこ選手が1ゲーム目を先取しました。
2ゲーム目にモブ選手はキャラクターを変更。初戦で披露したロバートを出して勝負を仕掛けます。しかしえでぃこ選手のレオナが強い! 体力ゲージを2割も削られず、続く中堅・キング戦には体力が最大値まで回復した状態で臨みました。
キング相手でも軸となる“波動”、ベノムストライクなどを的確に処理しジャンプDで連勝を決めます。そしてその猛攻は止まらず、勢いづいたレオナで大将の不知火舞まで撃破し、なんと「WINNERS FINAL」の2ゲーム目をレオナ1人で勝ち抜くという結果に!
雪之丞さんからはレオナが強いというよりも、練度の高さがうかがえると発言。一番手で、えでぃこ選手が日本代表選手の座を勝ち取りました!
【LOSERS FINAL】モブ選手vsRize選手
2人目の日本代表選手が決まる「LOSERS FINAL」。解説陣からLOSERSに落ちてからの伸びを注目されているRize選手と、辛くもLOSERSに落ちてしまったモブ選手の勝負です。
なんとこちらの試合は意外な結末に。モブ選手がそのテクニックを遺憾なく発揮したものの、“ギアが上がっている”Rize選手がクリス、シュンエイで猛攻を仕掛けます。Rize選手はペースを完全につかんで2ゲームともシュンエイでのフィニッシュとなりました。粘りはしたものの勢いづいたRize選手の前に、健闘及ばずモブ選手の3位が決定しました。
そして、この時点で本大会のトーナメント表が進行しきります。激戦続きの本大会も、残すは「GRAND FINAL」のみとなりました。
【GRAND FINAL】えでぃこ選手vsRize選手
そして迎えた「GRAND FINAL」。奇しくも本選の開幕試合と同じく、えでぃこ選手vsRize選手という構図になりました。若さだけでは片づけられないドラマチックな展開に、否応なしに胸が躍ります。
“レオナの練度”で連勝を重ねてきたえでぃこ選手、同選手に敗れLOSERSに落ちたものの、そこからギアを上げて快勝を重ね「GRAND FINAL」まで到達したRize選手。再びの対峙です!
えでぃこ選手が扱う先鋒のレオナに対し、Rize選手がクリスで削り、中堅シュンエイで止めようとするも叶わず……大将のテリーまで引き出される形となりました。ギアが上がっているのはえでぃこ選手も同様なのでは!? と思わせる巧みな猛攻の前にRize選手は一歩及ばず。またもやまさかのレオナ一人勝ちとなり、1ゲーム目をえでぃこ選手が獲得しました。
本大会の“高い壁”となったえでぃこ選手のレオナ。続く2ゲーム目でも先鋒のクリスを倒しますが、Rize選手が中堅に変えたテリーで撃破します。しかしえでぃこ選手の中堅となる庵が確実に追い詰めテリーを倒し、体力が全快の状態でRize選手の大将シュンエイと対峙します。
この大事な局面でRize選手は粘りを見せ、庵を対して優勢に立ったように見えました。ですが、ここで庵の必殺技が炸裂! 辛うじてRize選手のライフは残ったものの、これが決め手となりえでぃこ選手の勝利となりました。
かくして「KOF XV U-18 NEW GENERATION CUP」の優勝はえでぃこ選手に決定。U-18トップの座に輝きました!
レオナ・庵で安定した強さを見せたえでぃこ選手に、15歳と最年少でありながら大会中に強さを見せつけたRize選手。そして自分の強みを活かして3位に輝いたモブ選手と、本大会ではこれからが楽しみな熱い戦いが繰り広げられました。最終順位は以下の通りです。
2023年8月にモンゴル・ウランバートルで開催される「第2回東アジアユース競技大会」『KOF XV』部門には、えでぃこ選手・Rize選手が日本代表内定選手として推薦されます。東アジアの猛者が集う中で、今回強さを見せつけた両選手がどのように戦っていくのか、期待して待ちましょう。