怪ドル?ペルソナデュオ?新要素も登場したスマホ向け新作『ペルソナ5』こと『Persona 5:The Phantom X』が本編に劣らぬ作り込みで舌を巻く【プレイレポ】

中国で『ペルソナ5』の新作アプリ『Persona 5:The Phantom X』のベータテストが開催中です。本稿ではそんな『P5X』プレイレポをお送りしています。

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怪ドル?ペルソナデュオ?新要素も登場したスマホ向け新作『ペルソナ5』こと『Persona 5:The Phantom X』が本編に劣らぬ作り込みで舌を巻く【プレイレポ】
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中国圏にて『ペルソナ5』を題材にした新作アプリ『Persona 5:The Phantom X』(以下、『P5X』)がベータテストを開催しています。本作は中国のPerfect World社が開発・運営を担当するタイトルですが、アトラスの監修によって『ペルソナ』の新作タイトルらしい妥協のない作り込みが、日本や世界中のファンからも注目を集めています。本稿ではそんな『P5X』のベータテストに当選しましたので、プレイレポをお送りしていきます。なお、本作の日本展開は記事公開時点では未定です。

◆ 「ワンダー」が率いる“新たな怪盗団”の物語

『P5X』の主人公は「己刮学園高等学校」に通う高校2年生。両親は長期の海外旅行へと出かけており、東京都豊島区・雑司が谷の自宅で実質1人暮らしの日々を無気力気味に送っています。

学校の進路志望調査票を前に突然眠気に襲われて目を覚ますと、シリーズお馴染みベルベットルームの主「イゴール」に招かれ、意味深長な忠告を受けることになります。その忠告とは「無欲であることが、自分自身を放棄することになり得る」というものでした。

本作の世界設定は本編『ペルソナ5』と並行世界的に異なりますが、作中におけるテーマ、戦いの目的もまた異なります。例えば本編の怪盗団は、私利私欲に塗れた人物を改心させるため、欲望がカタチとなった「パレス」を消し去る活動なのに対し、本作は多くの人々から奪われつつある、あらゆる欲望を奪い返すという活動が主目的です。本編はピカレスクロマンな特色が強い作風ですが、『P5X』も少なからずそのDNAを受け継いでいると思います。



この世界では表向き、無自覚にさまざまな欲求が自然消失していくような状況下にあって、イゴールからの忠告もまさしくそこに対するものです。唯一、自分の中の欲望が消えていく違和感を自覚した主人公は、学校帰りに言葉を話す不思議なフクロウ「ルフェル」の導きで認知の異世界「メメントス」に踏み入ることになります。

生きる欲望を無くし、飛び降り自殺を図る女性を目撃。しかし、周囲の人間は慌てるどころか、興味が失せたかのように振る舞う。主人公はここで明確な「違和感」を感じ始める。
帰りの電車でクラスメイトと目が合ったり、目の前の席に喋るフクロウがいたりするのに何も興味が湧かない主人公。突如、車内に自転車配達員が侵入してきて主人公に迫る。
襲われたはずみに謎のスマホアプリ「イセカイナビ」をタップすると、車内で話しかけてきたフクロウ「ルフェル」が目前に。ここが人々の認知の世界であると事情を説明される。

異世界には人々の欲望を搾取する仮面を付けた怪物「シャドウ」たちが蔓延り、侵入者の命を狙ってきます。その場から脱出するためルフェルとの行動中、シャドウに襲われてピンチに陥る主人公たち。ルフェルだけではとても敵を捌ききれず、逃げることもできません。

シャドウの攻撃を受け意識が遠のいていく中、精神世界で自らと向き合い、もう1人の自分から問われた問いに対して生き延びる“選択”をした主人公は、自身のペルソナである「ヤノシーク」を発現させます。戦う力を手に取り、奪られる側でなく奪る側として、戦い生き残る道を選んだわけです。そんな新たな主人公に与えられたコードネームは「ワンダー。ペルソナを覚醒させる一連の流れは、過去シリーズと比較しても中々にアツいものが感じられました。

『ペルソナ5:The Phantom X』【先行プレイ映像】「ヤノシーク」覚醒シーン

メインストーリーは主人公が覚醒するプロローグを終えてから、大きく動き始めます。翌日学校では、主人公の前の席に座る本作のヒロイン・新井素羽との会話の中で「磨我痛神(マガツウシン)」と呼ばれる、とある人気動画サイトのことが話題になります。

街中で見かけられた迷惑な人物がサイト内に取り上げられるというもので、警察が介入できない事件の加害者を題材にすることで、インターネット上で拡散し、実質的な注意喚起の役割を担っているようです。謎に包まれたこの動画サイトが物語にどう絡むのか、人々の噂や都市伝説的な存在が大きな役割を持つ『ペルソナ』らしさを如実に感じ取れる部分です

ルフェルと主人公が怪盗として対峙する初仕事のターゲットは、駅構内で女性を狙って危険なぶつかり行為を繰り返す“ぶつかり男”です。警察が動くことのできないギリギリの迷惑行為を働き続け、泣き寝入りする被害者たちから前向きな欲望を搾取しているとルフェルは言います。

『ペルソナ5』本編と同様、その男の欲望で生まれたダンジョンことパレスに侵入し、「宝」を奪い取るため奔走するのですが、実はぶつかり男と素羽には何か因縁のようなものがあり、やがて事件はエスカレートしていきます。過去の挫折などから目を逸らし、自身の利己的な欲求を満たすために、悪事を働きまくる迷惑で狡猾な大人を上手く描いています。

本来聞こえないはずの自分の声を聞き取ったことで、ルフェルは素羽に欲望の素養があることを見抜きます。彼女も戦力として期待できるのか、1度は計画について情報を共有するも、“結局ぶつかり男をどうしたいのか”といった問いに、答えと言える答えを出すことができない素羽。「叶えようとする意志がないのなら望まぬことだ」と、危険から遠ざけるため、あえてルフェルは厳しく言い放ちますが、これがかえって逆効果となり、素羽は1人で飛び出してしまいます。

警察に相談しても動くことはなく、ぶつかり男本人と対峙しても体格差では止められない。現実問題何もできないと理解していながら、それでもぶつかり男をどうにかしたいと考える素羽は、ルフェルから耳にしたイセカイナビのアプリに気が付きタップしてしまい.......

以降、どのように彼女が怪盗団のメンバーになるかはあえて伏せておきましょう。ただ、『ペルソナ』シリーズのナンバリングに相応しいレベルのストーリー展開であることだけは保証できます。今後日本向けに展開される可能性も高いため、物語自体についての言及はここまでとしておきます。

『P5X』はフルボイスではありませんが、メインストーリーにおけるボイス量は限りなくフルボイスに近い物量で収録されています。メインストーリーのダンジョンにおけるちょっとした会話イベントにボイスがない程度で、物語の主要な描写そのものにボイスが付く形です。

また、『ペルソナ』シリーズ本編のように、特定のダンジョンを期日以内にクリアしなければバッドエンディングが待ち受けている......といったこともなさそうで、今回プレイした範囲では確認できませんでした。

というのも、メインストーリーのダンジョンを進めている最中、道中の主人公たちが力不足を感じて、それ以上は先に進めなくなるのです。つまり、物語を進めるためにプレイヤーレベルを上げる必要があります。街中を歩き回ってサブクエストを探したり、メメントス内の未開拓エリアを進めたりして、プレイヤーレベルは上げられます。

学校を終えた放課後、メインストーリーを進めない場合は【行動力】を消費して自由にやるべきことを決められます。コンビニ・牛丼屋・花屋でのアルバイトにファミレスでの勉強、映画館へ出かけたり、銭湯で疲れを癒したり、自宅の掃除に没頭したりするほか、部屋に篭ってテレビゲームを遊ぶなど、やれることはとにかく多いです。何もせず帰宅し、そのまま1日を終えてもデメリットなどはありません。

このようにゲームの進行で課せられている制約は本編より少ない印象でした。本作の高い自由度は、スマートフォン向けタイトルであるがゆえの良さでしょう。一部のキャラクターにはシリーズでも登場しているコミュ要素が備わっており、該当するキャラクターと交流を深めることで、その人物の人となりが深掘りされていきます。

『ペルソナ』シリーズは、メインストーリーの進行にゲーム内で日にちを跨ぐ描写が多く、本編はその合間にコミュを進める、あるいはダンジョンでキャラクターを育成するといったフローが特徴的です。学生生活を描く日常描写などもかなり細かく、結果的に作品としてかなり厚みのあるRPGに仕上がっていました。『P5X』でも物語のボリュームはしっかり担保され、章ごとの密度に相当な濃さを感じられるはずです

◆「怪ドル」に「ペルソナデュオ」など、新しい概念も登場

毎作品、イゴールと並んでお世話になるベルベットルームの管理人。本作では一際変わった喋り方の女性「メロぺ」が新たに登場。

『P5X』では人々の認知によって形作られた異世界メメントスの特性を活かし、ベルベットルームのコンシェルジュ「メロぺ」が、【怪ドル】と呼ばれる戦力を用意してくれます。怪ドルは言ってしまえば、固有のペルソナとそれを扱うキャラクターがセットになった本作のガチャ要素です

設定としては、主人公が認知している人物をメロぺの力で具現化したというもので、現実世界では知り合い、あるいは顔見知り程度の人物、または知らないうちに接していた人物など、主人公と何かしら関わりのある者が怪ドルとしてダンジョンを共に探索してくれます。

プレイアブルキャラ全てが怪ドルというわけではなく、メインストーリーの中で主人公らの怪盗団として共に活動するメンバーたちは、劇中でペルソナを覚醒させ、現実世界とメメントスの両方を一緒に行き来しています。

怪ドル自体はメメントスだけで具現化している存在でしかないため、“作中ではそういう人物がゲーム内の世界にもいるらしい”程度の認識しかなく、探索・バトルにおいてのみ活躍するキャラクターというのが、実にスマートフォンゲームらしい要素でしょう。そして、その怪ドルたちが駆使するペルソナは「ペルソナデュオ」とメロぺによって命名されており、バトル中にペルソナを使用する際にも、それぞれが自ら“ペルソナデュオ”と口々にして呼び出していました。

しかも怪ドルは人物としての個性もちゃんと備わっており、ダンジョン探索中にも正規怪盗団メンバー同様に、プレイヤーのアクションに対する反応を示します。

近くに宝箱を見つければ教えてくれますし、開ければ喜んでもくれるのです。認知存在でしかないのは少し残念に感じるほど個性と魅力があるので、正式サービス開始後は、現実の彼らにスポットを当てたエピソードなんかがあれば良いなぁ……と感じています。

『ペルソナ5:The Phantom X』【先行プレイ映像】ダンジョン探索から「怪ドル」&「ペルソナデュオ」の戦闘など

◆『ペルソナ5』本編まで遊びたくなる作り込み!

スマートフォンゲームだからと侮れない作り込みなのは確実で、マップの探索要素も悪くありません。スマホじゃあ……と思う方も満足できるであろうクオリティは、アトラスのしっかりとした監修が入っている成果なのかもしれませんまた、本編とは異なり、カレンダー形式で作中の日常が進行し続けていくわけではないため、無駄にあちこちを歩き回ってテキトーに時間を潰したくなってしまいます

本稿執筆までに解放できませんでしたが、ゲームを進めて部活動に加入することで、ミニゲームも遊べます。“学生生活”を送っている感覚が過去作よりも強く、色々な遊び方が楽しめそうです。ゲーム全体は『ペルソナ5』が大本になっているので、本編とも実際に比べてプレイしたくなりました。

また、ペルソナの合体要素は本作にもあります。シャドウと交渉するシステムはオミットされましたが、戦闘終了後に一定確率で、倒したシャドウがペルソナとして仲間になるよう遊びやすく変化しています。バトルシステムは基本的に『ペルソナ5』をベースにしており、細部の仕様に変化が見られるも、特別大きな違いは見られません。ただ、特定のキャラクター同士で発動する連携技【ショータイム】が、新たに【ハイライト】と呼ばれる単独使用可能な必殺技に変化しました。

なお、本作のペルソナはバトルで仲間にする以外に、ガチャでも排出されます。物語を進めると怪ドルのガチャ以外に武器ガチャも登場していました。

本編では何かとこみ入った事情で東京の高校に転校し、かつベルベットルームでも“囚人”として扱われていた「ジョーカー」に対して、本作の主人公・ワンダーは、しっかりお客人として迎え入れられるうえ、学校内でも特に噂されることなく平凡に過ごしています。

しかし、イゴールから忠告されるやがて“自身に待ち受ける破滅への予言”や、ベルベットルームの住人から受ける微妙な扱いの悪さなどは、同じ主人公として共通しているものを感じざるを得ません。

『P5X』は、スマートフォン以外にPC版の配信が決定しています。中国では今回のテストが3回目となり、2023年3月17日の登場から情報が継続的に発信され続けてきました。今回のプレイでは会話シーンにおいて3Dキャラクターの表示が崩れたり、キャラクターボイスが急に消えたりと、目立ったバグはあれども、進行の妨げになるバグは確認できませんでした。

正直なところ今回の完成度であればサービスインしても支障なく遊べそうな手応えすら感じています。とはいえ、着実に完成度を引き上げてきているようですし、発表から1年近い時間も経過しているので、中国国内でのサービス開始がそう遠くない気がしています。今から楽しみです。

《そりす@インサイド》
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