『VALORANT』のインターナショナルリーグ「VALORANT Champions Tour 2023: Pacific League」のWeek6にて、韓国の強豪チーム「T1」と対戦した日本チーム「DetonatioN FocusMe(以下、DFM)」。結果は1-2というスコアで惜しくも敗れてしまいます。
そんな試合後に「Anthem」選手に続いて、「xnfri」選手にもインタビューに協力してもらいました。誰もが気になっているであろう、経験のなかったコントローラーを担うに至った経緯、そしてこの「VCT PACIFIC 2023」に懸ける想いについて訊くことができました。
◆ロールを切り替える苦労
――試合、お疲れ様でした。まずは率直な感想をお願いします。
xnfri:まずは“惜しかった”。勝てた試合だったからこそ、まだ勝ち切る能力がないのかなと痛感しましたね。
――1stマップ:ロータスと3rdマップ:フラクチャーではコントローラー、2ndマップ:スプリットではフラッシュ系イニシエーターをピックしていました。当然、求められることが変わると思いますが、試合中はいかがでしたか?
xnfri:たまにこんがらがりますね。 スプリットではスカイだったんですが、「あ、ここでスキルを使えるな」という感じでシュラウドステップ(*)を発動しようとしたことが一回ありました。僕は別にキャパオーバーと思ってはいないのですが、そういうことを含めて無意識的に判断が遅れてしまっている可能性はありますね。
(*)オーメンのアビリティ
――そもそもコントローラーを始めたきっかけについて教えてもらえますか?Nth時代には使用していませんでしたが。
xnfri:去年11月くらいにコーチとチームメンバーから「プレイスタイルがコントローラーに合っているからやってほしい」と言われたことに加えて、Reitaさんがセカンドショットコーラーに優れている点から、イニシエーターはReitaさんにやってほしいと、僕がコントローラーをやることになりましたね。
――毎週ロールが変わったりするなか、やはり立ち回りの切り替えは大変でしょうか?
xnfri:大変ではありますが、リーグということもあって一気に変えるのは難しいです。徐々にイニシエーターに移行していくかはわかりませんが、現在はフラッシュ系イニシエーターを使用するマップと様子見でコントローラーをやり続けているマップがあるという感じですね。
――DFMの公式YouTubeチャンネルに投稿されているVC動画を聞いていると、xnfri選手をはじめ声掛けをし合っていて、チームの雰囲気はとても良い印象を受けました。こちらについて特別に意識はしていますか?
xnfri:あれが素の姿というわけではないので、もちろん意識はしています。ただ今日はVC関係のスイッチが入らなくて静かになってしまったりと、テンションが下がり気味だったのでチームメイトには申し訳ないと思っています。
――コミュニケーション関連で言えば、Seoldam選手やSuggest選手ら韓国人選手がいるチームです。とても日本語が上手いおふたりではありますが、試合中のやり取りでエラーが発生することはあるのでしょうか?
xnfri:たまにありますね。 ラウンド前やプランニング時に、難しい日本語を使ってしまった時に「それは何という意味?」というやり取りがあったり、少人数戦になるとボイスチャットが結構ゴチャゴチャになるので、その際にコミュニケーションミスが起きたり……ということはあります。
◆DFMがメインロースターを決める基準とは?
――先々週の「ZETA」戦では、xnfri選手もメインロースターから外れていました。メインロースターを決める基準について教えていただくことは可能ですか?
xnfri:内部的なところは話せませんが理由はたくさんありますね。全体的には8~9人くらいで話し合って決めています。
――毎週1試合行われる「VCT PACIFIC 2023」は、対戦相手の対策などを加味すると大変ハードなスケジュールになっていると思います。一週間のスケジュールはどのようなものなのでしょうか?
xnfri:試合翌日に1日お休みをいただいて、その次の日から活動が始まるんですけど、基本的に昼12時から夜12時までみっちり練習しています。それから個人でフィードバックをいただいたりランクを回したりして、寝るのは深夜3時~4時になりますね。それを週6で繰り返しているので体力的にはちょっと辛いですね(笑)
――話は変わりますが、xnfri選手が「今年は勝負の年だ」と話していたと、元チームメイトのBlackwiz選手が配信で話されていました。
xnfri:勝負の年であることは本当です。僕はまだ大学に通っている身で、ちゃんと卒業はするという親との約束の下でプロ活動をさせてもらっているので残された時間はあまりありません。そんななか決意を持ってPacificリーグに挑戦しているので、そこで上手くいかなかったら引退するくらいの覚悟はできています。
――お答えいただきありがとうございます。最後にファンの皆さんへ一言お願いします。
xnfri:いつも応援ありがとうございます。なかなか勝つことができないなか、常にいつも支えてくれて感謝しかないです。これからLCQ に向けて、さらに努力してチームの連携などすべてを仕上げていくので、これからも応援してくださると嬉しいです。本当にありがとうございます。
インタビューの最後で“覚悟”を話してくれたxnfri選手は次戦、韓国チーム「DRX」戦に備えます。まずは一勝をつかみ取り、同選手にとってこの韓国での半年が少しでも実りのあるものになるように祈るばかりです。