初代『バルダーズ・ゲート』は「ミリしら」でも楽しめるか!?膨大な情報量に圧倒される“初心者プレイ”が楽しい【プレイレポ】

「全力で鈍器で殴りつけてくる倫理観ぶっこわれている僧侶」でロールプレイ!

コミュニティ コラム
初代『バルダーズ・ゲート』は「ミリしら」でも楽しめるか!?膨大な情報量に圧倒される“初心者プレイ”が楽しい【プレイレポ】
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スパイク・チュンソフトより日本語版『バルダーズ・ゲート3』がPS5向けに12月21日、リリースされます。同シリーズ一作目となる『バルダーズ・ゲート』(1998年リリース)はかの有名なTRPG『ダンジョンズ&ドラゴンズ(D&D)』(正確には『アドバンスト・ダンジョンズ&ドラゴンズ』第2版)を再現した名作RPGで、2013年発売の『バルダーズ・ゲート:エンハンスド・エディション』はそのリメイク作品です。

古き良き名作ともいえる『バルダーズ・ゲート:エンハンスド・エディション』ですが、筆者はいわゆる「ミリしら」……名前くらいは聞いたことはあってもほぼ知らなかったわけです。

映画「ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り」観なきゃなぁ位の知識量でしたので、編集者から「『バルダーズ・ゲート』知ってる?」と聞かれたときには大いに焦る始末。そこで本稿では“「ミリしら」な筆者でも『バルダーズ・ゲート』を楽しめるのか”という点に着眼した『バルダーズ・ゲート:エンハンスド・エディション』プレイレポをお伝えしていきます!

情報量多すぎな『バルダーズ・ゲート』の世界は“沼”だった!「ミリしら」でも楽しめるけど、知識が無かったら難易度は高い…

いきなり余談ではありますが、筆者はTRPG『ダンジョンズ&ドラゴンズ(D&D)』も未プレイです。というかTRPGそのものを遊べたことがありません。TRPGにかなりの魅力を感じていて、『クトゥルフ神話TRPG』を始めとした様々なタイトルに心惹かれ続けているのですが……友人を誘っては「TRPG? 興味ないよ」と断られ続け、別の友人に当たれば「TRPG? あぁ! 昔よく遊んだぜ! 今はもう飽きたわ」と断られる日々が続いていました。

憧れは高まり続け、かといって見知らぬ人とプレイする勇気もなく……。遊ぶ予定もないのに先んじて購入していたTRPGの本を、引っ越しのタイミングで泣く泣く処分したという「TRPGこじらせゲーマー」です。そんな筆者が憧れの『ダンジョンズ&ドラゴンズ(D&D)』がテーマとなる『バルダーズ・ゲート』をプレイできるということはそれだけでテンションが上がります。マジでなんで『バルダーズ・ゲート』知らなかったんだ……!

そんな『バルダーズ・ゲート』とあって、開始直後のキャラ作成でテンション上がりまくり! 顔が軒並み濃ゆいことにも興奮しますが、細部に至るまで自由度高く作れる“登場人物”に心躍ります。

「ミリしら」プレイとあって、事前情報を入れずにゲームを開始したということもあり「初心者にお勧めのキャラメイク」などもわからないままキャラを作っていきます。筆者が作りたかったのは「全力で鈍器で殴りつけてくる倫理観ぶっこわれている僧侶」なので、僧侶っぽいイラストに、モンクではなくファイター「ウィザードスレイヤー」をチョイス。僧侶っぽい男が魔法使いを鈍器で執拗に殴りつけてくるの怖くないですか?

性質を選ぶところでも、本作の面白さに直面します。フレーバーテキストでは、どれを選んでも人間の本質をついたような文章が表示されます。筆者が選んだのは「トゥルーニュートラル」です。力の均衡を重んじ、劣勢な勢力に肩入れする、といえば聞こえはいいですが、劣勢な方が優勢に転じると「力の均衡」を重んじるがゆえ、裏切って劣勢な方を支援するというヤバい性格。これ「イービル」だろと思いますが、確かに「ニュートラル」を重視している……。両方の勢力に武器を流す商人とか向いてそうですね。

チュートリアルを済ませ、早速プレイスタートです。物語は筆者が想定していたよりも「のめり込ませてくれるタイプ」で、純粋に面白いですね。穏やかな生活を送っていた主人公が、父である賢者ゴライオンが察知した何らかの身の危険によって村から逃亡するところから始まります。賢者ゴライオンが育てた子が「全力で鈍器で殴りつけてくる倫理観ぶっこわれている僧侶」になったのはどういうことなんでしょうか。

しかし集団での待ち伏せにあって、父のゴライオンが死亡……保護者である彼がいなくなり、孤独の旅に出ることになります。強力な魔法を駆使する父でも集団でボコられると死んでしまうという現実、そしてチュートリアルから仲間が一番大事なゲームではと思わせてくれます。

幼馴染の女性「イモエン」が旅路についてきてくれるのですが、彼女も濃ゆい顔。まずはゴライオンの遺言や、偶然出会った仲間たちの目的を達成するため、鉱山に向かいます。

戦闘は基本的にオートで進行されるため、重要となってくるのはマジックや体力管理でしょう。筆者は脳筋ごり押しのアタッカーですが、パーティメンバーも操作できるため不便には感じません。各種コマンドの実行は、今のゲームに慣れていると硬派に思える“面倒くささ”も。しかし体感として、『バルダーズ・ゲート』のシステムなどが入り混じって昨今のゲームUIが構築されているとも感じられるので「特殊すぎてわからない」ということはありませんでした。

しかしプレイフィールをしっかり言うならば、正直に言って凄く楽しい! 自由度の高いRPGをプレイしたことがある方なら、この不親切さも『バルダーズ・ゲート』をはじめとした「ロールプレイ」ゲームの醍醐味であると受け入れやすいでしょう!

道中で刺客に襲われたり、復讐のハーフオーク「ドルン」などを仲間にしたりして鉱山に挑みます。しかしここで「ミリしら」にかかわる問題が起こりました。本作は情報量が非常に多い作品です。しかし初見プレイとノリノリで遊んでいたため、ダンジョンからの帰還方法や装備、アイテムの拡充に関わる「稼ぎ」が不十分だったわけです。

ダンジョンの奥深くまで潜っていくのですが、だんだんと消耗戦の様相に変わり、生き残ったのは魔法も碌に使えない主人公だけ……。どのようにここから帰還するかということもわかっていなかったため、ゲームプレイとして一種の諦めが生まれました。

そして『バルダーズ・ゲート』をどう進めればいいか調べていくと「魔法が楽しい」など様々なプレイスタイルがあると知ります。先ほども言ったように、本作は情報量や知識量がモノを言う自由度の高さが醍醐味です。知識なしで攻略するのはハードルが高いけど、「ミリしら」でも十分に楽しめるという印象を受けました。「全力で鈍器で殴りつけてくる倫理観ぶっこわれている僧侶」なんて馬鹿すぎたんだ……!

少なくとも筆者は「魔法をガンガン使えるキャラでキャラメイクやり直して『バルダーズ・ゲート』の世界を踏破するぞ!」と再プレイを始めちゃっているので、順調に沼にハマりつつあります。

想像以上に密度の高い王道ファンタジーRPGを遊びたい方や、筆者と同じ「ミリしら」で「なんか『バルダーズ・ゲート』やれてないや」という方はぜひプレイの選択肢に入れてみてください。むしろ新鮮な気持ちでプレイできるというのが利点となるでしょう。

ゴライオンにまつわるメインストーリーはもちろん仲間になる面々も非常に濃く、お気に入りの仲間が見つかるはずです。ちなみに、NPCで筆者が気に入ったのはひたすらこっちに近寄って雑談してくるヌーバー(一般市民)です。


『バルダーズ・ゲート』シリーズ最新作となる『バルダーズ・ゲート3』(日本語版)はPS5向けに12月21日リリース予定です。

※UPDATE(2023/11/6 10:40):記事内の誤った記述を訂正しました。コメント欄でのご指摘ありがとうございました。

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