皆さん、闘争本能に火をつける準備はよろしいでしょうか。
突然、何を書いているのかと疑問を持つ人も多いと思いますが、私は闘争本能が燃えに燃えています。その理由は8月25日にフロム・ソフトウェアから発売予定の『アーマード・コア6(ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON、以下AC6)』が待ち遠しくて仕方がないからです。
前作『アーマード・コア ヴァーディクトデイ』から約10年。待ちに待った新作ということで、今までのアーマード・コアシリーズのナンバリングタイトルは勿論、『アーマード・コア モバイル』以外の派生作品も全て遊んだ筆者にとってこれほど待ち遠しい続編はありません。
そんな筆者のもとに、今回ソニー・インタラクティブエンタテインメントが定期的に放送している PlayStaionをもっと楽しむトーク番組「PLAY! PLAY! PLAY!」の特別編として『AC6』を先行体験できる権利を頂けるとなれば、行かないわけにはいかないでしょう。
ということで、本記事では『AC6』の先行体験の感想と筆者が気づいたことを皆様に余すことなくお届けします。惑星ルビコンに広がる新たな世界に対し、新たな相棒と共に目指すは「壁越え」です。
自分だけのACを自由自在に操作する快感、再び
まずタイトル画面ではプロモーションムービーでも出てきたAC(プレイヤーが操作するロボットの総称)の頭の部分が見えます。この時点で筆者はかなりテンションが上がっていました。そしてNew Gameから最低限の画面や音量設定をした後、オープニングムービーが開始。
この時点で気づいたことは、とにかく音の圧が凄いこと。『アーマード・コア』シリーズといえば弾を撃つ時の音、爆発音、ACが動く音などなどSEが非常に作り込まれており、自分が戦場にいるんだという実感を味わえるようになっていましたが、『AC6』ではその音の圧がさらにパワーアップ。オープニングムービーの一瞬で一気に『AC6』の世界観に引き込まれます。
もし『AC6』をプレイする際には、ぜひイヤホンやヘッドホンを使ってのプレイを個人的には推奨します。音を実感するのもそうですし、後述する理由も含めて大事になってきます。
オープニングムービーが終われば、いよいよプレイ開始。実際にACを操りながら進んでいくことになります。いわゆるチュートリアルステージです。最初は移動、そこからブーストとジャンプを覚え、やがて雑魚敵が出てくるので、武器の使い方を覚えつつ先に進んでいくという従来のゲームによくある流れです。
さて、実際ACを操作した感じですが…まずベースの動き方は『アーマード・コアV(以下、ACV)』系に近いと感じました。ブーストでの走行もおおよそ『ACV』と同様です。ただ空中の慣性は『アーマード・コア(無印)』に近い感じで、二脚であればふわっとしたホバリングも可能です。
また、地面をブースト走行して止まる時の慣性は今までのどのシリーズとも異なる感じで結構滑ります。慣れるとさほど気にしなくなりますが、熟練者ほど最初は違和感を受けるかもしれません。
そして『AC6』の大きな変化としては、ロックアシストの機能が追加されたこと。今までの『アーマード・コア』シリーズでは敵をしっかり視界に映しターゲットサイトに収め続けるという技術が必要でしたが、『AC6』のロックアシスト機能を使えば自動的に敵をロックオンし、距離を大きく離さない限り自動的にターゲットサイトに収め続けてくれます。これにより敵の速度についていけず一方的に撃たれ倒されてしまう…ということが大分緩和されるようになりました(勿論、凄い速度で撹乱されれば腕が必要になるでしょうが…)。
また、射撃武器は一定弾数を撃つとリロードが発生します。このリロードの時間も今までのシリーズより長くなった印象です。任意のタイミングでタクティカルリロードが出来るので、戦闘が終わって次の場所に移動する前にはタクティカルリロードを挟む癖を付けておくと余計な被弾を避けることができそうです。
さらに、近接武器は基本的に(筆者が見た範囲では)無限に使うことが出来ますが、初期装備のブレードは一回使うとオーバーヒート状態になり約5秒ほどのクールタイムが発生していました。その分、シールドを貫通することが出来たり体勢を崩したりしやすく火力も高いので、狙えるタイミングでは積極的に使っていきたい武装だと感じました。
攻撃を素早く回避するクイックブーストは『AC6』でも健在。ただし今までのシリーズよりかなりブースト使用量が多くなった印象です。そのため、連打して攻撃を回避するというのは中々難しくなったため、使うべきタイミングでしっかり使う必要が出てきました。
『アーマード・コア2』から実装された一気に加速して急接近できるオーバードブーストはアサルトブーストという名前に変わり継続。これは従来のシリーズと同様の使い方が出来そうです。使用中に武器での攻撃も可能ですし、移動スティックを左右に倒すとクイックブーストのよう緊急旋回も可能です。途中でキャンセルする時は空中ブーストを使用します。
ここでもう1つ『AC6』での大きな変化だなと気づいたことがあります。それは、ブーストゲージを使い切った時の挙動です。今までの『アーマード・コア』シリーズではブーストゲージを使い切ってしまうとチャージングタイムに入り、その間ブーストを使用する行動が一切使えなくなります。戦闘中にブーストゲージが無くなるというのは死に直結する要素であり、故にブーストゲージを使い切らないように操作するというのが今までの『アーマード・コア』シリーズにとっては常識となっていました。
しかし、『AC6』ではブーストゲージを使い切った場合でもチャージングタイムには入らず、すぐに回復するように変更されました。この為ブーストゲージを使いすぎて動けず敵にボコボコにされる…なんてことはかなり緩和されました。一方で、『AC6』では空中にいる際にはブーストゲージの回復はかなり遅くなっています(場合によっては殆ど回復しない)。逆に地上にいれば2~3秒で全回復するので、隙を見て地上に降りてブーストゲージを回復することが大事になってきます。
ブーストゲージを使う武器の挙動も変わりました。明らかにブーストゲージが足りない状態でもエネルギー武器を撃ったり、あるいはレーザーブレードを振るったりすることが出来るようになりました。ただし使いすぎた分だけブーストゲージの回復の開始が遅くなるので、余り大きな借金をすると手痛い反撃を食らうことになるでしょう。
以上のことから、操作感に関しては今までの『アーマード・コア』シリーズの中でも特段優しくなっていると感じています。10年という歳月もあり、『AC6』で『アーマード・コア』シリーズに触れる人も多いと思われるので、そういった人向けに丁寧に配慮されています。同時に、私のような古参のファンも殆ど違和感無く遊べるようにもなっているので、チュートリアルの中盤くらいには自在にACを操作する楽しさを実感することができます。
ただ、チュートリアルの最後にはボスが待ち構えています。これが「本当にチュートリアルのボスなのか?」と思うくらい強いです。筆者はどうにか初見で倒し切ることができましたが、残ったAP(体力)は200ちょっと。満身創痍の状態での勝利でした。
そういったボスとの対峙に重要になってくるのが、『AC6』の大きな新要素となるスタッガーです。これは『ACV』の衝撃力の仕組みとフロム・ソフトウェアが制作している『SEKIRO』の体幹システムが組み合わさったようなもので、敵に攻撃を連続して与えていくと衝撃ゲージが増えていき、最大まで貯まると体勢を崩し無防備になります。この状態では全ての武器の攻撃が直撃ダメージとなるため、一気に大ダメージを与えるチャンスになります。
逆に、自身が操作しているACも衝撃ゲージがあります。スタッガー状態になるとAP5000くらい簡単に消し飛んでしまうので、こちらは体勢を崩さないように立ち回る必要があります。また、武器それぞれに火力ダメージ以外にも衝撃力というステータスが存在するので、スタッガー状態にしやすい武器を選ぶか火力そのものを選ぶかはプレイヤーの好みと特徴になっていくことでしょう。
それに加え、一部の敵やボスの強力な攻撃が放たれる時には警告音や攻撃部位から赤い光が点灯するようになっています。なので音や光を確認した際にはしっかりと回避行動を取ることが撃破の一歩になることでしょう。警告音を聞き漏らさないためにも、ヘッドホンなどは重要になるというわけです。
「壁越え」のための道筋と結末
チュートリアルを無事(?)突破すると、いよいよ本編の開始です。本編は『アーマード・コア』シリーズファンならお馴染みのミッションを選択してACを設定して出撃してクリアしていく、といういつも通りの流れです。勿論、ミッション開始前のブリーフィングもしっかりあります。
また、『AC6』ではミッションを進めていくとトレーニングカリキュラムが解放されていきます。ここでより実践的な操作や知識を学ぶことができます。さらにカリキュラムを初めてクリアするごとにパーツが支給されるので、やらない理由は無いでしょう。(体験会では時間が定められていたので筆者はプレイしませんでしたが…)
ショップも解禁されますが、最初は余りショップに商品は並びません。しかも価格はかなり高め。特にコアパーツ(頭・胴・腕・脚)はずば抜けて高いので序盤ではまずパーツを買うことも一苦労になるでしょう。幸い、パーツの売買の値段は一緒なので少し使った上で使いづらいと思ったら気楽に売って資金を確保することができます。
「いや、全パーツ集めるからパーツ売りたくない」という人は一度クリアしたミッション再度遊ぶことが出来るようになっているので、繰り返し同じミッションを遊び報酬金を貯めることになるでしょう。なおミッションをクリアすると弾薬費と修理費を支出として支払いますが、そこまで大きなマイナスにはならないように調整されています。よほどわざと弾をばら撒いたり自分からダメージを受け続けるなんてことをしない限り、支出が収入を上回ることはおそらくないと思います。
『AC6』では長いミッションにおいてはチェックポイントが設けられており、途中で撃破されても最終チェックポイントから復帰することが可能です。だとすれば「何度も倒されたら弾薬費や修理費が凄く嵩むのか」と心配する人もいるでしょうが、各々のチェックポイントから次のチェックポイントを通過出来た時に使用した・削れた弾薬と修理費だけを参考にするので、重複して請求されることはありません。なのでその点は安心して問題ないでしょう。
さらに、撃破された場合のチェックポイントからの再出撃時にはなんとアセンブルのし直しも可能です。ただ装備の入れ替えはそのタイミングで所有しているパーツのみで、ショップで購入するということはできません。なので、最初のうちは色んなシチュエーションを想定して色んな武器を買っておくのが楽になるコツかもしれません。
それと、本作では横のエリアオーバーは恐らく発生しなくなりました。エリアオーバーしようとすると途中で見えない壁に阻まれ移動できなくなっています。一方で縦のエリアオーバーは存在しますが、その場合も即ミッション失敗ではなく一定量のAPダメージが入った上で特定のポイントにリスポーンする形に変更されました。とはいえ、一定量のダメージが結構痛いのでやはりエリアオーバーしないことに越したことはありません。
その様な要素を確認しながら、とあるミッションだけ1回撃破された以外は順調に進みついに「壁越え」まで到達。「節目のミッションは難関になるように設計している」小倉康敬プロデューサーが言っていた通り、壁越えのミッションは最初から難関続き。それでもどうにか最後のボスまでたどりつき体力を2/3減らしたところでタイムアップし、惜しくも壁越えとはならず悔しい気持ちを抱えたまま終わることになりました。とはいえ、周りを見ていた感じメディア体験会で筆者ほど進んでいる人はいなさそうな雰囲気だったので、そこは古参レイヴンの面目躍如をしたかなと思っています。
『AC6』は新たな伝説を切り開く
以上、古参レイヴンが感じたままのプレイレポをお届けしました。正直余りに面白すぎて時間切れと宣告された時にも「後1分、後1分ください」と子供のように駄々をこねてしまいそうになったくらい『AC6』の世界に没入していました。10年待った甲斐は間違いなくあったとそう実感した幸せな先行体験プレイでした。
それと同時に、古参とか新参とか一切関係無く、この最高のロボットアクションゲームを皆で楽しんで欲しいと、そして楽しめる仕組みが出来上がっていると声を大にして言いたいです。皆で共に「壁越え」をしていきましょう。
※UPDATE(2023/8/21 8:20):プレイ済みタイトルについて、『アーマード・コア モバイル』に関する記述を追加しました。コメント欄でのご指摘ありがとうございました。
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