ロシアのゲーマーの7割が2022年に少なくとも1つの海賊版ゲームをプレイしたことをロシアメディアVedomostiが報じています。
逸失利益は2憶ドル?経済的な困窮も理由か
ロシアのゲーム開発者学校、XYZが実施した調査によると、2022年に海賊版をプレイしたゲーマーはロシア全土の69%に上り、全体の51%は2021年より多くの海賊版をプレイしているとの結果が得られたといいます。調査は2023年6月、ロシア全土を対象に1500人のゲーマーの協力で行われました。調査対象の海賊版ゲームのDL方法は問われていませんでしたが、そのほとんどがトレント形式によるものだったそうです。
Vedomostiがインタビューした専門家アレクサンダー・クズメンコ氏はこのような結果となった理由として、国外企業の撤退やプラットフォームでの制限のほか、経済事情の悪化を挙げています。露ゲームスタジオVengeance Gamesの創設者、コンスタンティン・サフノフ氏はトレントのダウンロードチャートには『Baldur's Gate 3』や『Atomic Heart』といった新作AAAタイトルが定期的に名を連ねていると語っています。また、『ウィッチャー3』『マスエフェクト』といった古いタイトルもダウンロードされる傾向にあるようです。
一方で、調査結果では一切ゲームを購入しなかったプレイヤーは7%に留まり、多くのゲーマーは入手可能な物についてはライセンス版の購入を続けているとも報じられています。これについてサフノフ氏も2憶ドル近い利益を国外企業は逸失しているとの推測を示しています。クズメンコ氏は国際的なパブリッシャーの立場が根本的に変わらなければ、市場は全ゲームの 95%が専ら海賊版だった20年前の状態に戻るだろうと述べました。
ゲーマーも企業も得をしない状況はいつまで続くのか
専門家の意見には少し偏りも感じられる報道ではありますが、海賊版が実質合法化されるなどあながち間違いではなさそうな本研究。ゲーマーも企業も得をしない状況はいつまで続くのでしょうか。