『ゼルダの伝説 ティアキン』賛否両論な「地下世界」の魅力を伝えたい!開拓の喜びは格別、“消費と獲得の循環”にハマると抜け出せなくなる

『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』で初登場した地下世界は、暗くて、息苦しくて、苦手という人も少なくありません。しかし、何を隠そう筆者はこの恐ろしい世界が大好き。その魅力を伝えます。

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とにかく地下世界のマップを明るくしていくのが好きなのです

筆者は『マインクラフト』で遊ぶ時、ネザーを攻略するのにとても心が躍ります。危険だらけの世界を少しずつ攻略し、活動範囲を広げていくのが好きなのです。同じような理由で、『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』の地下世界も大好きです。

ほんの少し先さえ見えない文字通りの真っ暗闇。歩くだけでハートが割れていく地面。立ちはだかるようにそびえたつ高い崖。そして恐ろしいモンスター達。本作で新しく登場した地下世界は、目玉の一つといえる新要素ですが、息苦しくなるような暗闇は苦手な人も多いようです。

しかし筆者は、クリアまで175時間もかかったプレイ時間のうち、その大部分を地下世界探索に費やしていました。そして気が付いたのです、地下世界が好きになると『ゼルダの伝説 ティアキン』は、より一層面白くなるということに。

もちろん地下世界を愛する人が多数派でないことは承知の上ですが、それでもその魅力について紹介したいと思います。

なおこの記事はストーリーのネタバレは含まないものの、攻略上の要素について言及があります。予めご理解いただいた上、お読みください。

◆ヒントが少ない、絶望の暗闇

石像は最低限の道案内をしてくれるが、それも限定的

初めて地下世界に来てビックリした人はきっと多いですよね。どこに進んだらよいのかサッパリわからない真っ暗闇。地上世界は鳥望台で広い範囲のマップが解放され、空からの景色を見ることで遠くに何があるかもわかりやすく、街道も整備されています。

一方の地下世界は、ヒントがきわめて制限されています。一応、あちこちにおいてある石像の指す方向が頼りにはなりますが、それも限定的であり、地下世界全体を探索する助けになるものではありません。

地形もめちゃくちゃで、どこまでも深い谷はアカリバナの種を付けた矢すら飲み込んでいきますし、絶望的に高い壁が行く手を阻みます。

◆地下と地上の関わりに気が付く

絶望的な高さの壁を前に、地上とのかかわりに気が付く瞬間がある

少しずつ探索を進めると、地下世界の法則が分かってきます。筆者が最初に気が付いたのは、どうも地上で川がある場所は壁になっているようだ、ということでした。そして地下世界を照らす根は、地上に破魔の祠がある場所の真下にあるようです。

そのうち、川の場所だけが壁になっているわけではなく、地上の高低が地下ではひっくり返っているかもしれないと分かります。つまり、川や湖のように地面が低い場所は、壁や山となり、逆に山のある場所は谷のように下がっているのです。

そしてどうやら、地上に集落や大きな建造物などがある場所は、地下でもなにがしかの施設があるようなのです。暗闇の中で壁にしがみついているうちに、地下と地上のかかわりに気が付いた瞬間は電流が走るようでした。

インターネットなどで攻略を見て遊ぶ人は、あまりたいしたことには思えないかもしれません。しかし自分で発見すると「地下世界の秘密に辿り着いた…!」という、大きな感激があります。

◆あらゆる手段を駆使して進む。ゾナウギアってすごい!

コンラン花で同士討ちする魔物を見て、ニヤニヤしてしまう

過酷な世界を克服しようとすると、自然とアイテムやゾナウギアを活用するようになるのもポイントです。アカリバナを矢で飛ばして明るくするのは基本中の基本ですが、装備や食事で自分を光らせると、周りが少し見やすくなります。

アイテムは敵を倒すのにも大活躍。お気に入りは地下世界にたくさん生えているコンラン花です。強そうな魔物がいるあたりにうちこめば、勝手に同士討ちしてくれます。トパーズをスクラビルドした杖の電撃で武器を落とさせたり、カガヤキの実で目くらましをしたりと、とにかく惜しみなく使いまくることにしています。

高すぎる崖に最初は戸惑いましたが、そのうちゾナウギアの気球で上にあがってしまえば良いと気が付きました。地上のゾナウギアを使う場面では、必要なゾナウギアや材料が周辺に転がっている等のヒントが示されていることが多いですが、地下ではそうはいきません。しかしそこに、自分で閃く面白さがあります。そのうち、深い谷や瘴気の地面を嫌がって翼で飛んでみたりして、1度使いだすとその便利さに驚くのです。ゾナウギアってすごい...!移動が大変だからこそ、自然と自分で工夫して新たな乗り物を開発したくもなります。

◆消費と獲得の循環システム

地上のめぐみに感謝するようになってしまう…!

地下をできるだけスムーズに攻略しようとすると、アイテムもゾナウギアもどんどん消費していきます。特に矢とアカリバナの消費は大変なもので、それらが尽きてきたら、地上の冒険に戻ります。地上には矢やアカリバナはもちろん、調理に使える食材や、火炎の実や雷の実などの戦闘で役立つアイテムがたくさんあります。

過酷な地下でアイテムをたくさん使ったから、足りなくなる。足りなくなるから欲しくなる。だからこそアイテムが地上で手に入ると、純粋に嬉しくなります。そのうち、攻略が大変な地下ではアイテムを惜しみなく大盤振る舞いし、地上に帰っては補充するという楽しい循環が起こります。

◆自らの手で開拓する喜びよ!

お手製の空飛ぶソリで暗闇を駆ける瞬間が本当に好きでたまらない

地上を冒険してアイテムを稼ぎ、マップを広げ、破魔の祠を見つける。矢やアカリバナの種などのアイテムをたくわえたら、料理もたっぷり作って地下へ。破魔の祠の場所から根の位置を割り出し、地上のマップの等高線を参考に行きやすそうなルートを確認。途中に出てくるモンスターにはアイテムを惜しみなくおみまいして素早く撃退。自力で登るのは厳しそうな崖に遭遇すれば、ゾナウギアを組み合わせて作ったお手製の空飛ぶソリで一気に上昇。はるか遠くにぼんやりと光る根のオレンジ色を見つければ、暗闇の空を駆け抜ける―。

地下で根を使って周りを照らしていくと、マップが少しずつ広がっていきます。地下マップが暗いままのところが狭まっていけば、中心あたりが根のある場所であり、そしてその上には破魔の祠があります。そしてまた地上に出るのです。暗闇で辛い戦いが続くほど、地上に降り注ぐ光の眩しさがありがたい。

地上世界の冒険は、丁寧な誘導とヒントがあり、前作同様に遊びやすい『ゼルダ』になっています。一方地下は不親切でヒントが少なく、苦手という人も多いでしょう。しかし、だからこそスクラビルドやウルトラハンドといった新要素とプレイヤーの発想次第で、開拓していく面白さがあります。

そして、自分の力で開拓する喜びは格別なものがあります。そんなわけで筆者は、苦手な人も多い暗闇の世界を楽しく駆け巡っていたのでした。


《田下広夢@インサイド》
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