完璧なアビリティー合わせは“個々の判断の応用”―「VALORANT GC 東アジア予選」ノックアウトステージ進出を決めた「FENNEL HOTELAVA」【合同インタビュー】

「VALORANT GC 東アジア予選」ノックアウトステージ進出を決めた「FENNEL HOTELAVA」への合同インタビューの様子をお届け。仲の良さとチームの明るさが伝わってきます。

e-Sports インタビュー
完璧なアビリティー合わせは“個々の判断の応用”―「VALORANT GC 東アジア予選」ノックアウトステージ進出を決めた「FENNEL HOTELAVA」【合同インタビュー】
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「2022 VALORANT Game Changers East Asia Qualifier」は、女性チーム世界王者を決める国際大会「2022 VALORANT Game Changers Championship - Berlin」への出場をかけた東アジア予選です。日本からは「FENNEL HOTELAVA」「Reignite Lily」が出場し、国際大会への切符を手に入れる戦いに身を投じています。

その中で「FENNEL HOTELAVA」は、Day2に行われた初戦、対「Spear Gaming Female」戦にてマップスコア0-2で敗北。続くDay3では、グループステージ突破と敗退をかけた対「ShanXi Gaming Girls」戦に挑みました。

結果、重要な戦いを制したのは「FENNEL HOTELAVA」。1stマップ:ヘイヴンでは熾烈なシーソーゲームを繰り広げるも、終盤で連取し、ラウンドスコア13-9で勝利。2ndマップ:パールでは前半の攻撃でしっかりとラウンドを重ね、アドバンテージを生かしきり、13-7で勝利、マップスコア2-0で勝利を勝ち取りました。

本稿では、翌日のノックアウトステージへ駒を進めた「FENNEL HOTELAVA」のメンバーへ行われた合同インタビューの模様をお届けします。

――昨日の試合では緊張が大きかったとのことですが、今日の試合に向けて、チームでどのような話し合いがあったのでしょうか?

Curumi選手:どんな話したっけ...?

KOHAL選手:「緊張って伝わるよね」ということで、各々が緊張している様子を出さないほうが、チーム全体が緊張しないんじゃないか、という話しをしていました。

Curumi選手:そんな話をしました(笑)

――国内予選と、東アジア予選では気持ちの入り方は違いましたか?

Curumi選手:国内予選でも緊張はしていたのですが、昨日は初戦だったということもあって、自分がなにをしたらいいかわからないほどガチガチに緊張していました。

――公式大会で勝率100%の「ヘイヴン」でしたが、序盤では苦戦している様子がみられました。どのように立て直していったのでしょうか?

KOHAL選手:敵の構成や動きについての情報など、アナリストの分析をもとに、自分たちは何ができるかを考え、相手の流れに逆らうように、自分たちの流れをつかむようにしていました。

――「ShanXi Gaming Girls」Jue選手のラークに苦しめられている印象でしたが、どのように対策していきましたか?

suzu選手:勝つことしか考えていなかったので、苦しめられた印象はあまりありませんでした。「倒す倒す倒す!」という気持ちで撃ち合っていましたね。

KOHAL選手:ラークが来ること自体はわかっていたので、反対側をプッシュしたり、その場所に応じてエリアを取りに行ったりしていました。

suzu選手は驚異のヘッドショット率50%という数字を叩き出した。

――今日の試合はスキル合わせがうまく行っているように見受けられましたが、昨日とくらべて連携面での手応えはいかがでしたか?

Len選手:スキル合わせは各自がコールしあって自然と合わさるものだと思っているんですが、昨日はそのコールが少なかったのかなと思っています。

――KOHAL選手はイニシエーターでありながら撃ち合いも強く、そのうえIGLも担当していて、多くのタスクをこなしています。どのようなところに気をつけて、多くの役割を担っているのでしょうか。

KOHAL選手:正直、自分自身で撃ち合いが強いとは思っていません。チームのために頭を働かせていると撃ち合いが鈍ってしまうこともありますが、あまり気にしないようにしています。

――メンタル面で強く保っているんですね。

Curumi選手:KOHALが元気だとみんな元気です(笑)

――アビリティーについてです。自分が必要だと思って入れるものと、メンバーのコールを受けて入れるもの、どちらのほうが多いのでしょうか?

KOHAL選手:誰かがこのアビリティーを入れたなら、自分はこのアビリティーを入れよう、という考え方ができるメンバーなので、元々できたものを合わせるよりは、個々の判断の応用が主だと思います。敵が来るタイミングなどは個々で把握できていて、そこに入れるアビリティーの判断は個人技のようなものです。その個人技が組み合わさることで、一つの良いプレイとして完成するんだと思います。

Len選手のグラビティウェルと、KOHAL選手のアフターショックが見事に刺さったシーン。アビリティーだけで進行を止めた。

――グループステージで戦ったチームのなかで、特に印象に残った選手などはいますか?

suzu選手:「Spear Gaming Female」のYamzzl選手は、体感で撃ち合いが強いなと思いましたね。自分たちがパフォーマンスを出し切れていない試合だったこともありますが、とても自信を持って顔を出して撃ち合ってくるイメージがあります。「こいつ心臓強いんかな」みたいな(笑)

――Festival選手はヘイヴンでは前に出て撃ち合うプレイが印象的だったのですが、どのような心境だったのでしょうか?

Festival選手:Cロングでは、Cロビーやガレージ前の枚数がわかり、敵の戦略を読むことができるので、プッシュするのが良いと考えています。

KOHAL選手:オペレーター対策で逆サイドをつめてくる読みでその隙を突く感じですね。

Festival選手:日本語があまり上手くなくてすいません。

――そんなことありません!コミュニケーション面での言葉の壁などはいかがですか?

Curumi選手:連携などはいつもスクリムでやっていることなので、自然と取れていましたね。

――Len選手はスモーク役ながら情報を取りに行く場面が多くありますが、そのようなときはどんなことに気をつけて立ち回っていますか?

Len選手:味方と相手の位置をよく見ています。私がリスクを取るときは、だいたいこちらが不利な場面が多いので、多少のリスクは仕方ないかなと思ってみています。

――suzu選手はAika選手の代打として、1ヶ月半ほど前から参加されていますが、自身のチームへのフィット感をどのように評価していますか?

suzu選手:もう、めちゃくちゃやりやすいです。サポートも上手いし、個人技も強いし、やっていて楽しいし、とても良いチームだなと思いながらプレイしています(笑)

――明日のノックアウトステージでは中国「Oxyg3niOus」と戦うことになりますが、印象を教えてください。

KOHAL選手:自分たちも何度かスクリムをしていますが、とても強いと思います。実際のところどうかわかりませんが、「Oxyg3niOus」の100%が大会でも出ているなと感じます。だから私達も120%の力を出さないと勝てないかなと思いますね。

――どのあたりが強いと感じますか?

KOHAL選手:フィジカルもそうですが、人数差関係なく、例え相手が一人でもワンチャンスどころかセカンドチャンスまで持っているような印象です。1v4でもやばいんじゃないかと思うくらい、覇王色がすごいですね。

――今回4名がゲーミングベースでの参加でしたが、オフラインで集まってプレイすることで心境に変化などありましたか?

suzu選手:仲良くなるのが早くなったような気がします(笑)

KOHAL選手:最初は余所余所しかったね(笑)

suzu選手:実際に会うまではとても他人行儀で、「これ言っていいのかな...?」みたいなこともありましたが、オフラインで練習してからは打ち解けて、なんでも言えるようになりました。それが試合中にも良い面として表れているのかなと思います。

――言いたかったけど言えなかったことは具体的にはどんなことでしょう?

suzu選手:「こういうときはこうしたほうがいいんじゃない?」など、ひとつのプレイに対して思うことでも、最初は急遽代打で入ったこともあって言いにくかったですね。

KOHAL選手:オンラインでは表情がわかりにくいですが、実際に顔を合わせていると、伝えていることが怒りなのか、真剣なものなのかなどがわかって嬉しいです。メンバーの表情を感じやすいですね。

suzu選手:デメリットは回線悪いくらい(笑)

KOHAL選手:pingが高くなっちゃったりしましたね、次誰がping跳ねるかわからないみたいな(笑)

――国内予選を優勝してからこの東アジア予選まで、チームとしてどのように成長したと感じていますか?

Curumi選手:戦術的な面もそうですが、チームワークがとても良くなったと思います。前よりもコミュニケーション量が増えることで、アビリティーの合わせなどの連携が取りやすくなりました。土壇場で解決できることが多くなったのも成長のひとつだと思います。攻撃を一旦止めてローテートするようなリプランの話し合いがスムーズにいくようになりました。コーチのおかげもありますね。

リーダーのCurumi選手が自らチームを引っ張る場面も多く見られた。

――明日の「Oxyg3niOus」戦への意気込みと、ファンへのメッセージをお願いします。

Curumi選手:Oxyg3niOusはKOHALの言う通り、フィジカルも戦術面も優れている相手だと感じるので、明日からが本番だと思って挑みます。今日のミスなども修正して、勝ちをもぎ取りにいきます。いつも応援ありがとうございます!

KOHAL選手:とても強い相手だと思いますが、我々が頑張ってきた練習を全部ぶつけたいと思っています。いや、ぶつけます!

Festival選手:今日お見せしたように明日も頑張ります。絶対勝てるよ!!


チームの明るさと仲の良さが伝わってくる合同インタビューでは、互いへの信頼と個人技の合わせによるプレイイングの秘訣が伺えました。「FENNEL HOTELAVA」は、10月15日(土)の18時より、中国「Oxyg3niOus」と対戦します。

また、同じく日本から出場している「Reignite Lily」もノックアウトステージへ進出し、「Spear Gaming Female」と対戦します。両日本チームがベスト4へ進出し、中国・韓国の強豪チームと対決する形になりました。初めて行われるGame Changersの国際大会「2022 VALORANT Game Changers Championship - Berlin」への出場権を獲得するのはどこのチームになるのか、それぞれ「#RIGWIN 」「#FLWIN」で声援を送りましょう。

《Okano》
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東京在住ゲームメディアライター。プレイレポート・レビュー・コラム・イベント取材・インタビューなどを中心に、コンソールゲーム・PCゲーム・eスポーツについて書きます。好きなモノは『MGS2』と『BF3』と「Official髭男dism」。嫌いなものは湿気とマッチングアプリ。

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