ポケットペアの大ヒット作『パルワールド』のコミュニティで波紋を呼んだ『ポケットモンスター』Modについて、大手Mod共有サイト・Nexus Modsが配信を認めないことを発表しました。
法的措置のリスクに見合わない
当該のModは、本作に登場するモンスター・パルをポケットモンスターに変えたり、プレイヤーキャラをアニメ版主人公のサトシに変えたりといったものです。ユーザー間で『ポケモン』との類似性が議論を呼んでいる中、火に油を注ぐような内容で波紋を呼びました。
そもそもMod自体に公式のポケモンゲーム作品からのデータ盗用の疑惑があるほか、権利者のうちの一社である任天堂からの申し立てで動画削除にも至っており、かなり怪しい点が多いことも指摘されています。そんな同Modは制作者がもともとは支援者向けへの有料公開の予定だったところ無償公開への切り替えを考えている旨をYouTubeコミュニティで述べていましたが、大手Mod共有サイトであるNexus Modsではそもそも『ポケモン』に関する『パルワールド』Modを取り扱う気が無いようです。
同サイトのコミュニティリーダーであるマシュー・エリオット氏が海外メディア・PCGamesNに送った声明によると、任天堂はファンメイドのコンテンツに対し容赦なく法的措置・DMCAテイクダウンを提出してきた過去があると説明。そのため、『ポケモン』と類似した点のある『パルワールド』に著作権で保護されたキャラやアセットを追加するModを取り扱うことは、ほぼ間違いなく法的措置のリスクにさらされることになるだろうと述べました。
エリオット氏は、『パルワールド』の『ポケモン』Modを取り扱うことはその法的措置リスクに見合わないと考えているそう。最悪の場合はNexus ModsやMod作成者に対して直接法的手段を講じる可能性があるかもしれないし、最良のケースでもDMCA/法的措置に対処しなければならないと述べています。
Modコミュニティと権利の侵害は多くの場合、様々な人物の利害が入り乱れる灰色の部分に存在しており、厳密に見れば他のIPの権利を侵害している可能性のあるModは少なくありません。Nexus Modsでも、他作品のデータの盗用と見られるModを含めそのようなModはサイト全体にまたがりいくつも見られますが、今回の声明では権利侵害のおそれがあるMod全体というよりは、あくまで『パルワールド』における『ポケモン』Modに対するスタンスを示した形になります。