配信プラットフォーム「Twitch」が、ブランド(PR)コンテンツや、他プラットフォームとの同時配信など、複数のガイドラインを改訂・導入しました。これにより、ストリーマーがこれまでよりも自由にPRコンテンツを持った配信活動を行うことができないうえに、eスポーツをはじめとするイベントなどにも影響が懸念されています。
ブランドコンテンツとは
ブランドコンテンツとは、ストリーマーが収益や商品提供などの対価を得たうえで製品やサービスを配信に登場させるコンテンツを指します。いわゆる“PR”のようなものですが、スポンサー提携している企業や製品のロゴを配信に置く行為なども含まれています。
今回のガイドラインでは、これらの“宣伝方法”に関する以下の規制が設けられてました。
許可されるフォーマット
チャンネルページにおけるブランドのパネル
配信の背景における製品展示
物品の宣伝をする他のサイトのリンクの表示
製品またはサービスに関する言及や宣伝、または開封
スポンサー付きゲームのプレイ制限付きで許可されるフォーマット
配信時のロゴ表示(配信中のブランドのオーバーレイは、画面サイズの3%に限定されています。)制限されている、または許可されていないフォーマット
「バーンイン (焼き付け) された」表示広告の挿入(ストリーマーは、ライブ配信に表示広告や「バナー」広告を直接挿入することはできません。)
「バーンイン (焼き付け) された」音声広告の挿入(ストリーマーは、ライブ配信に音声広告を直接挿入することはできません。)
同時配信の禁止
また、全てのTwitchユーザーを対象に、他配信プラットフォームとの同時配信は禁止されています。つまり、Twitchで配信しているものと同じ内容をYouTube LiveやMildomなど他のプラットフォームで配信することはできないのです。
これらのガイドラインが制定されたことにより、これまで動画広告を挿入していた配信者や、画面の3%以上のロゴを表示させている配信者などは見直しが求められます。また、eスポーツイベントなどの配信では、他プラットフォームとの同時配信ができないだけでなく、試合後に流れる場合も多い動画広告や大きなロゴなどの表示が規約違反となる可能性もあります。スポンサーからの収益割合の大きなコンテンツにとっては打撃となるでしょう。
当然、これらのガイドラインには当然ながらストリーマーからの批判が殺到しています。国内でも著名なストリーマーNinja氏も「かつての姿とはほど遠い」と失望を示しています。
この批判を受けて、Twitchは公式Twitterアカウントで今回のガイドラインが「過度に広範な内容であり混乱を招いた」として謝罪。ストリーマーがスポンサーと直接関係を結ぶことを制限するつもりはないと釈明し、より明確なガイドラインとして書き直すことを発表しています。