AIはゲームライターの原稿執筆を助けてくれるのか? 『Portal』レビューで自動制作テストに挑戦

何かと話題のChatGPTで原稿がラクになるぜと思いましたがそんな甘くはなかったので、原稿作成の大変さを分割してAIに任せられそうなことを探ってみました。ここの文章は人間が入力してるよ。本当だよ。

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原稿を書く大変さを分析してみる

本来の目的に戻りましょう。この記事では、AIを使ってゲームレビューを書く方法について考えてみました。原稿・記事を書くというのはなぜ大変なのでしょうか?真っ白なページを前にして、一体何を書けばいいのかすぐには出てきません。読者や媒体のニーズに合わせる必要もあります。読みやすく整えていく必要もあります。恐らくは、そのようにして考えることが実はたくさんあるから大変なのだと思います。

それならば、AIを使って任せられることは任せてしまいましょう。自分はゲームの内容を伝えることに集中できます。まず音声で感想を録音してみるという方法を取るならば、細かい表現は一旦気にしなくてもすみます。最終的に文章へと整えることをAIが助けてくれるならば、もっと楽に書ける(話せる)ようになるのではないでしょうか。

筆者は記事を書くときに、構成や読みやすさを同時に考えながら書き始めてしまう方法を取っていました。しかも、一気に書き上げないと進められないという弱点がありました。計画的にやることもできますが、どうせなら一気に時間をかけたいタイプです。でも、今回の記事のように録音から記事(の土台)ができるのであれば、原稿の書き出しが楽になりそうですね。

まさに日進月歩 Microsoftの新たな刺客!!

この企画を進めている間に、Microsoftから新たな話題が飛び出してきました。検索エンジンのBingに「GPT-4」を採用し、実際に利用可能なものとしてリリースしたのです。記事執筆時点では、登録をした人に限り順次解放しています。

このBingは、なんと一度に2000文字まで入力が可能なので、ちょっとした記事ならいっぺんに整えてもらえるかもしれません。しかも反応が早く、仮に途中で出力が止まってしまっても「続きを書いてください」と入力すればしっかり続きを書いてくれます。この点に関してはChatGPTよりも素直に性能が良いです。

音声から文字を起こして、Bingへ整えてくださいとお願いすれば、記事の土台ができてしまうことになります。これはすごいことです。はじめはラフに喋ったので、これをもとに不足している内容などを検討して「もう一度喋るための簡単な原稿」とし、改めて丁寧に録音→文字化といったブラッシュアップを行うのも良い手法かもしれません。

1度にこの量を入力でき、やろうと思えばチャットを続けて入力できる
文章を整える場合はリセットした方が確実性は高そうだ

Bingは、2021年までの情報を学習対象としているなど、ChatGPTと近い条件ではありますが、自身でWeb検索をしながら文章を生成できるようです。そのときに参照したウェブ上の記事を引用元として示す機能もあります。つまり原稿として参考にする場合は剽窃の問題に注意しなければなりません。記事にするならば、参考にするだけではなく自分の意見や感想を入れる必要があります。

試しにゲームのレビューを書くという体裁で、『ホグワーツ・レガシー』や『Hi-Fi RUSH』という新しいゲームについてBingにお願いしてみました。新しい作品だった為か、BingはWeb検索を行いつつ文章を生成したので、あまり間違いのないレビューを書いてくれました。ただし、内容はそれほど深くは書かれませんでした。

今回は、この記事の原稿を作成する土台として活用するため「検索を利用せず」という指示を含めて生成を試みました。現時点ではWeb検索をかけたりかけなかったりと不安定な動作をしていたためです。また、Web検索が行われてしまうと出力される内容に大きな変化が生じてしまいました。

人間はAIを強め、強いAIに人間が頼る

AIで生成した「ゲームライター」のイメージ

検索結果に応じて出力を生成するということは、こうしたレビュー記事は今後もっとスピードへ価値が置かれることになるのかもしれません。発売前の先行情報でも無い限りは、そのゲームがリリースされると、それ以後はBingのようなAIが参照できてしまうためです。

ゲームメディアのライターが独自の視点を持ち、魅力ある記事を作成することで、それを楽しみにしている方もいることでしょう。しかしながら、大きな間違いがないのならば、最低限の情報をスピード優先で入手できればよいと考える人達もたくさんいるはずです。

「AIにレビューを書かせる」ことに対し、どんな目的があるのかが重要なのかもしれません。個人的にゲームの内容を調べるならば手軽な方法のひとつと言えます。文章をチェックして、整えてもらうというのもツールとして強力です。当たり前の話ではありますが、自分がゲームプレイから感じたものを伝えようとするのであれば、その感想や話したいことをまず人間が生成した上で、AIに読み込ませるという方法が、(間違いや嘘が混ざりにくいという意味で)安全かつ誠実なやり方だと思います。その生成する内容は、ひとまず音声でも、メモ的なものでも構わないのです。

この記事を作り始めてから起こったことのように、AI技術は日々進化しています。そのため、AIに任せられる範囲や限界を見極めることが重要です。筆者の個人的な思いとしてゲームレビューを書くときには、AIに直接的な出力を任せたり、AIへ指示した以外の発想を無闇に用いたりしないことを明確にしておきたく思います。

極端な例ですが、もしもゲームのプログラムそのものを丸ごとAIに読み込ませ、レビューを作らせることができるようになったとしても、それはそのAIの機能が発したものです。人間が作るレビューとは、自分の言葉で自分の感想を表現することです。それを読みたいと思う人がいるならば、AIの手助けを借りたとしても、守るべきラインを見極めながら書き綴りたいと思います。




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