ゲーム業界のアナリストとして活躍するSerkan Toto博士は、GamesIndustry.bizからの2023年の業界予測インタビューにて、ゲームの価格は全面的に上昇するとの予測を示しました。
Toto博士は日本のゲーム業界に特化したコンサルタント会社「カンタンゲームズ」の創設者で現在も同社CEOを務めており、Game*Sparkでは以前にもPCゲーム市場の拡大を示す分析結果の発表を取り上げました。また本業界予測インタビューでは、例年参加している常連のパネリストのようです。
博士によると「今のところゲーム開発やその他のコスト上昇に伴い価格を上げるスタジオはそれほど多くないが、2023年には値上げの傾向が強まるだろう。」とし、この傾向はAAAタイトルのみならずサブスクリプションやハードウェア、特にマイクロソフトの製品やサービスにも広がると予想しています。マイクロソフトは既に2023年からのAAAタイトルの価格引き上げを発表しており、CEOのフィル・スペンサー氏も経済的な逆風のためゲームの価格を引き上げたと語っていました。
一方でニンテンドースイッチについては「新しいハードをリリースしないのであれば、今年の価格は安定するだろう」と推測しています。また、暗号技術がゲームに与える影響が大きくなることや、景気とゲーム市場の関係はわずかで、不況の影響は業界にはあまりないなどの予測も示しました。
2022年にはライバルのPS5が値上げする中、マイクロソフトはホリデーシーズン中の値上げは行わないとしながらも、同時に「いつまでもこの価格で販売し続けられるとは思わない」と述べていました。そのホリデーシーズンも終わり新年を迎えた今、業界の動向に目を向けるよい機会なのかもしれません。