なぜSCARZはJDTに敗北を喫したのか?―オフライン出場を掴んだTORANECO選手&Fadezisコーチに訊く【合同インタビュー】

決勝への直通を決める試合に惜しくも敗れたSCARZから、TORANECO選手・Fadezisコーチへ向けて行われた合同インタビューの様子をお届けします。

特集 インタビュー
なぜSCARZはJDTに敗北を喫したのか?―オフライン出場を掴んだTORANECO選手&Fadezisコーチに訊く【合同インタビュー】
  • なぜSCARZはJDTに敗北を喫したのか?―オフライン出場を掴んだTORANECO選手&Fadezisコーチに訊く【合同インタビュー】
  • なぜSCARZはJDTに敗北を喫したのか?―オフライン出場を掴んだTORANECO選手&Fadezisコーチに訊く【合同インタビュー】
  • なぜSCARZはJDTに敗北を喫したのか?―オフライン出場を掴んだTORANECO選手&Fadezisコーチに訊く【合同インタビュー】

『VALORANT』の国内競技シーン「VALORANT Challengers Japan 2023 Split 2 Playoff Day2」において、オフラインの出場を既に決めている2チームの対戦「SCARZ vs Jadeite」が行われ、接戦の末マップスコア3-1でJadeiteが勝利。SCARZはこれでLower bracketにまわり、FENNELが待つ準決勝に進出します。

Main Stageを同じ勝敗数で締めくくった両チームによる戦いを制したのはJadeiteでした。SCARZとしてはリベンジを許した形。これによってSCARZはSplit 1同様にFinals Day1からの出場となります。

今回は、悔しい結果となったJadeite戦を終えたSCARZのTORANECO選手・Fadezisコーチへ向けて行われた合同インタビューの様子をお届けします。

◆修正して挑むオフラインへの課題

――試合お疲れ様でした。結果は残念でしたが、試合を振り返っていかがですか?

TORANECO:一度使った戦術をフェイクにするなどJadeite側の強みが出た試合でした。SCARZとしては自分たちらしいプレイがあまりできなかった印象です。

Fadezis:調子があまりよくなかったですね。プラント後にラウンドを落としたり、ピークミスなどの小さなミスがありました。もう一度試合を見て直したいと思います。Jadeite側のプレイは想定通りではありましたが、我々が答えを見つけられなかったことが敗因です。

――オフライン出場への思いを教えてください。

Fadezis:とりあえず少し休んで選手のマインドをリフレッシュできるようにします。そこからはベストパフォーマンスをお見せできるように練習やスクリムなど、準備をしていきたいと思います。

TORANECO:今日を勝って2日目から出場したかったので悔しいです。オフラインでプレイできることは経験として喜ばしいものですが、以前のSplit 1オフラインでは環境面に苦戦したので、そこを修正して挑みたいと思います。

――オフラインへの課題はどのように克服していきますか?

TORANECO:イヤホンというよりはヘッドセットに近い音だったことや観客の声や実況解説の声がどれほど入るかといった部分や、モニターアームではなくモニターのスタンドを使うことになると思うので、自宅でも同じ環境にするなどの対策はしていますね。

――環境が変わることでパフォーマンスに影響などが出てきそうですか?

TORANECO:環境の影響によって撃ち合いに勝てないこともあったりするので、プッシュしたほうが良い場面でも気持ち的にできないこともあり得ますね。

◆JDT特有の圧力

――自分たちが用意してきたものが通用していなかったのか、試合のなかで回答が見つけられなかったのか、どちらが当てはまりますか?

TORANECO:自分たちが準備してきたことを、試合の中で「こうやったほうが勝てるんじゃないか」と現場の判断で変えることもあります。それが刺さらなかったのが苦戦した要因かなと思います。自分たちが用意したことが通じなかったというわけではなく、パフォーマンスの面や「こうじゃない?」と変えた部分があまり良くなかったのかなと個人的には思っています。

――JDTはオーディンを多用するチームでしたが、脅威でしたか。

TORANECO:オーディンも大きいですね。「こっちのサイトは人数が少ないから、人数で押し切ろう」という場面でも弾幕を張られて止められてしまう場面もありました。そういう意味で他のチームとはディフェンダーとしての圧力が違うのかなとも思います。

――Split 1と比べてコミュニケーションに変化などはありましたか?

TORANECO:全員が英語を話せるので、敵を見つけたときや提案するときなど、一人の発言でチームが動く場面がかなりあります。特にAllenは自分から意見を発信するプレイヤーです。善悪菌も現場の判断、“言わずもがな”で動くことがめちゃくちゃ上手いプレイヤーでしたが、それがAllenに変わったことで、暗黙の了解で動くより、会話した上で動くことが多くなりました。

――Allen選手の加入によってチームにどのような変化がありましたか。

TORANECO:先ほども言った通り、自ら意見を発信できるプレイヤーですが、Main Stageの最初には、意見を出しすぎるところがありました。それを引っ込めていくなかで、自分が提案しなきゃいけないとき、動かなければならないときには動けるプレイヤーへ成長したと思います。

――スプリットではセージを起用せずにサイファーを採用していましたが、どのような意図があったのでしょうか。

TORANECO:防衛はリードして折り返しましたが攻撃でまくられました。サイファー採用ではサイファーとヴァイパーがそれぞれのサイトに圧力をかける、全体的な攻撃ができるんですが、その変化にフィットしきれなかったように思えます。どちらが良い構成なのかは正直今の段階ではわからないので、チームで話し合ってみます。あと一ヶ月くらいあるのでどのマップでも調整していきます。

――次戦勝てばまたJDT戦であり、対策を返すことになるわけですが、どのような点に注意したいですか。

TORANECO:JDTは変わった構成を採用していて、次も同じ構成や戦い方を仕掛けてくるとは思えません。自分たちの強みをただ押しつけるのか、そこから何かしらの答えを見つけるのかは試合中にやるしかないので、構成から何をしてくるのか予想しながら戦うことが求められます。何してくるのかわからないチームですね。

――スモーク抜き合戦などもありましたね。

TORANECO:それ自体は悪いことではないので、サイトで戦うのか引いて守るのか、意思統一をしっかりしていきたいですね。

――Main StageからPlayoff含め、長いシーズンをどのように過ごしてきましたか。

TORANECO:短いスパンのなかでどれだけ自分たちの動きを変え、敵の動きを考えながらどう動くかを意識していました。相手がどうしてきて、自分たちがなにをすれば良いのかに注力していました。

Fadezis:相手の動きなどを想定しながら、チームの作戦などを考えました。長い期間で何度もかわるものですが、これからどうやって勝つのか、どうやってチームをくみ上げるかと考えています。相手の作戦をできるだけ意識して、どうプレイできるかに注力しました。

――最後にファンへのメッセージをお願いします。

TORANECO:チームが発信しているコンテンツへ反応をくださる方々がいるので、他の国から日本にきてプレイしているメンバーも良い経験ができています。僕自身もプレイしてて楽しいと思うのはファンの方々がいるおかげです。Finalsでは大阪で一緒に楽しんでもらいたいです。是非応援よろしくお願いします。


SCARZは6月3日(土)にエディオンアリーナ大阪にて行われる「VALORANT Challengers Japan 2023 Split 2 - Playoff Finals」に進出。アセンショントーナメントへの道である優勝を目指して戦います。

《Okano》
RUGs公式Discordサーバー開設!
参加はこちらから!

「最高の妥協点で会おう」 Okano

東京在住ゲームメディアライター。プレイレポート・レビュー・コラム・イベント取材・インタビューなどを中心に、コンソールゲーム・PCゲーム・eスポーツについて書きます。好きなモノは『MGS2』と『BF3』と「Official髭男dism」。嫌いなものは湿気とマッチングアプリ。

+ 続きを読む

編集部おすすめの記事

特集 アクセスランキング

  1. 『ストリートファイター6』“「RaMu」vs一般来場者”には豪華すぎるあの人も乱入!?“インテルだからこそ”と思わせてくれるブースイベントの数々をレポ【TGS2024】

    『ストリートファイター6』“「RaMu」vs一般来場者”には豪華すぎるあの人も乱入!?“インテルだからこそ”と思わせてくれるブースイベントの数々をレポ【TGS2024】

  2. 【TGS2024】インテルブースではPCマニア垂涎のハイスペックPC群はもちろん、ストリーマーと一般人を繋げる“ファン参加型大会”まで開催されていた!【ブースレポ】

    【TGS2024】インテルブースではPCマニア垂涎のハイスペックPC群はもちろん、ストリーマーと一般人を繋げる“ファン参加型大会”まで開催されていた!【ブースレポ】

  3. 『VALORANT』新エージェント・ゲッコーは新感覚イニシエーター!可愛いお手軽索敵と凶悪なダメージソースがカギ【先行プレイレポート】

    『VALORANT』新エージェント・ゲッコーは新感覚イニシエーター!可愛いお手軽索敵と凶悪なダメージソースがカギ【先行プレイレポート】

  4. “ゲーミングデバイス参入への躊躇い”は社長曰く「全くなかった」―東海理化 × ZETA DIVISION「ZENAIM KEYBOARD」を手掛けるキーパーソンに話を訊く

  5. 『VALORANT』に移行した印象は?『レインボーシックス シージ』名キャスター・ふり~だに訊く「既存コミュニティに入り込む」ということ

  6. うわっ…ストリーマーチーム、強すぎ…?ジャッジならぬ「バッキーなんだよねえ!」が飛び出した「VALORANT Exhibition Match」Supported by GALLERIA

  7. 「押されていようが、かかってこい」…PRX戦を振り返るLaz選手、“リーグならではの戦い方”と“懸念”を語る【インタビュー】

  8. VCT PACIFICでプレイオフ進出を決めた「ZETA DIVISION」―Gen.G戦後、XQQコーチにリーグの成長と苦労を訊く【インタビュー】

  9. 『VALORANT』で大学対抗戦勃発!学園祭で行われた「明治vs早稲田」…“明早戦(早明戦)”の行方を見届けた【イベントレポ】

  10. ストリーマーとしても大人気「𝑮𝑶𝑵 𝑴𝑨𝑪𝑯𝑰𝑵𝑬…」がプロを続ける理由とは…やっぱり悔しいnethの1v5、FENNELとして迎える2024年についても【インタビュー】

アクセスランキングをもっと見る

page top