“競馬ゲーム”と言うと、どんなタイトルを思い浮かべますか?今流行りの『ウマ娘 プリティーダービー』や、『ウイニングポスト』『ダービースタリオン』といったおなじみのタイトルが並ぶことでしょう。
しかし、これらは全て馬(もしくはウマ娘)を“育成”するゲームです。こういったジャンル以外にも、かつて競馬ゲームには、ジョッキー自体にスポットが当てられるタイトルが存在していました。
そこで今回は、“ジョッキーの立場で競馬が楽しめる”タイトルを、4本紹介します。
■無茶苦茶だけど楽しかった、競馬ゲームのパイオニア『ファミリージョッキー』(1987年・FC)
ナムコ(現バンダイナムコ)が販売した、競馬ゲームのパイオニアが『ファミリージョッキー』です。
操作できる競走馬は、それぞれ個性(パラメーター)が異なっていて、プレイスタイルに合わせて選択可能。操作も簡単で、十字キーで馬のコース取りを行いつつ、加速したい場面でAボタン(ムチ)を使ったり、障害を超えたい場面でBボタン(ジャンプ)を使ったりします。
勝敗を分ける肝はムチを打つタイミングと、コース上に設置されたアイテムを上手く取ること。入手には運も絡み、そこもまたレースが白熱する面白い部分です。
また、クラシック3冠などG1が障害レースとなり、最長の有馬記念では4,400m走るという無茶苦茶な設定もありました。競馬に詳しい方ほど、ツッコミを入れたくなる部分でしょう。
■しばらくぶりに現れた、ジョッキーゲームの新星!『ギャロップレーサー』(1996年・PS)
テクモ(現コーエーテクモ)が発売した新機軸のジョッキーゲームが、『ギャロップレーサー』です。このタイトルの特徴は、それぞれの競走馬に脚質の設定があり、その通りの位置取りで走らないと失速してしまうというリアルな要素でしょう。さらに競走馬も実名が採用されており、条件を満たせば思い入れの強い馬に乗れるようになる点も、ジョッキー気分に浸らせてくれたものです。
また、2004年に発売されたシリーズ7作目『ギャロップレーサーラッキー7』では、PS2の「BB Unit」を繋ぐことでオンライン対戦が可能になったため、随分と遊びました(ただし、ネット機能が完全無料提供だったからか、発売後8ヶ月あまりでサービス終了となってしまいましたが…)。
現代であれば、オンライン要素が当たり前の時代。色あせない楽しさを体験できると思うので、こういったゲームが復活したら、当時のメンバーと遊びたいものです。
■競馬ドラマを楽しみながら、主人公とともに成長!『JOCKEY'S ROAD』(2002年・Xbox)
『JOCKEY'S ROAD』は、プログレス(現アイビープログレス)が発売した、ジョッキーを題材にしたRPGです。RPGとはいっても、騎乗シーンはとてもリアル。左・右スティックで手綱を持っているようなイメージで 、馬の動きに合わせて押し出すと加速し、逆に引くと減速します。もちろん、位置取りにも気を使いますし、馬と息を合わせるような操作性が秀逸でした。
プレイヤーが操作する主人公は、競馬学校を出たばかりの新人。厩舎にあいさつ回りに行ってやっと騎乗馬が決まるほど、未来は前途多難です。こういったストーリーの場合、アニメやマンガであれば、“どんな弱い馬でもレースに勝ってしまう、天才ジョッキー”みたいな展開を期待しますが、本作はそんなこともなく…。
アクション要素がありつつも、基本はRPGというだけあって確固たるストーリーが用意されていて、その人間模様が織りなすドラマには、今遊んでも感動してしまいます。
■Joy-Conでよりリアルに!?『Champion Jockey Special』(2017年・ニンテンドースイッチ)
『G1ジョッキー』を発売していたコーエーと、『ギャロップレーサー』を販売していたテクモが、「コーエーテクモゲームス」として合併。両作品の遺伝子を引き継いで誕生したのが、『Champion Jockey Special』です。
ニンテンドースイッチでの発売とあって、Joy-Conを使った操作が大きな特徴。手綱の操作やムチを入れる動きを、実際に体験できるようになります。
また、ニンテンドースイッチ版『ウイニングポスト8 2017』との連動要素もありました。『ウイニングポスト』で育てた競走馬を、本作で騎乗することが可能であり、育成からジョッキーまで競馬が堪能できる一本です。
■競馬が熱い今こそ、ジョッキーゲームの開発を!
昨今、『ウマ娘』のおかげで、リアル競馬にも興味を持つ方が多くなってきました。
ジョッキーを題材にしたゲームは直感的に遊べるものが多く、かつ作戦がハマって勝った時の喜びも大きいです。しかし近年、こうした“ジョッキーゲーム”が少なくなってしまった感が否めません。
メーカーの皆様、ぜひ“ジョッキーゲーム”の開発を…!