2023年12月5日、多くのゲーマー待望の『グランド・セフト・オートVI』が発表されるという歴史的な瞬間がついに訪れました。残念ながらリークによって発表が前倒しになりましたが、1分半ほどの短い映像ながらゲーマーを熱狂の渦に巻き込んでいます。
そんな本作ですが、まったく何もないところから現れたわけではなく、これまで数々の噂が飛び交っていました。本記事ではこれまでに報道された噂の振り返りを行い、その内容が本当だったのかを答え合わせ。本物らしい情報から意外に本当だった事実まで、これまで報じられたウワサのいくつかを検証していきます。
ウワサその1「舞台はマイアミで女性キャラが主要人物」
本作の噂が経ち始めてから間もない2018年3月、弊誌は海外YouTuber「The Know」が独自の情報筋から入手したという情報を報じていました。
その内容は、『バイスシティ』と同じくフロリダ州マイアミを舞台にした作品になるというもの。「Project Americas」というコードネームで開発されていた同作は、マイアミがモデルのバイスシティが舞台になる可能性があると伝えられていました。この点は、正式発表の内容と一致しています。
加えて、この当時は主人公は不明ながら女性キャラクターが主要人物とも伝えられています。こちらは実際には女性キャラが主要人物どころか、きちんとした人物設定のあるキャラクターとしてはシリーズでは初めての主人公にまでなっています。当時とは開発状況が変わったのか、それともThe Knowに伝わった噂がやや曖昧だったのかは不明です。
なお、ミッションの中に南米を訪れるミッションがあるという点は現時点では不明。現在のところはバイスシティが舞台ということしか明かされておらず、こちらは続報を待つか、製品版でしかわからないかもしれません。
ウワサその2「ラテン系女性主人公」
時間は飛んで、2022年7月。海外メディア・Bloombergの記者であるジェイソン・シュライアー氏によって、最新作の主人公の詳細が語られました。
この報道では、当時退職した匿名スタッフから聞いた話が元になっているといい、次回予告の主人公はラテン系アメリカ人の女性主人公になると伝えられました。トレイラーに登場した主人公とされるルシアの素性ははっきりと分かっていませんが、やや太めの眉や浅黒い肌、キリッとした目など、たしかにラテン系女性ならではの魅力を持ったキャラになっています。
1930年代に実在した強盗カップル「ボニー&クライド」にインスパイアされたストーリーになるという点もトレイラーのシーンと合致しており、おそらくこの通りになっていそうです。
ウワサその3「新作は2024年度発売か」
このウワサは、本記事内のどのウワサよりも信憑性のあるソースから湧き出たウワサです。というのも、そのソースはRockstar Gamesの親会社であるテイクツー・インタラクティブの決算資料から浮かび上がってきたものだったからです。
当該資料では2023年度の純利益が約54億~55億ほどを見込んでいるのに対し、2024年度(2024年4月1日~2025年3月31日)の純利益見込みは80億ドル以上にも跳ね上がっています。テイクツーは2KやPrivate Division、Zyngaなど数々の大手ゲーム会社を傘下に抱えていますが、80億ドルに達するには「売上を保ちつつこれまでの約2倍のペースでゲームをリリース」「さらなる大規模買収を行う」「超巨大な利益を上げるタイトルを発売する」の3つの可能性に絞られます。
その中でもっとも現実的なのは、3つ目の「超巨大な利益を上げるタイトルを発売する」こと。現時点では「2025」としか明かされていない『GTA 6』の発売時期ですが、大きな延期などが生じなければ2025年初旬にリリースされるというのがもっともらしい推測です。
加えて、CEOのストラウス・ゼルニック氏が「2024年度は、当社にとって非常に期待される年度」「当社を大きな成功へと導く信じられないほど強固なプロジェクト」「業界の新たな基準となる画期的なタイトルを発売する」など、これでもかと言わんばかりの匂わせを行なっており、『GTA 6』のことを指しているのではないかと結びつくのは不自然ではありません。
前作『GTA V』は批評的にも商業的にも歴史的な成功を収め、未だに売上を伸ばし続けるモンスタータイトル。株主にぜひとも期待してほしいと予告するのも無理はないでしょう。
番外編:引っかかるな!悪質ガセネタ系
ウワサの中には、ガセネタや詐欺だったものも少なくありません。弊誌が報じた最初のものは『GTAオンライン』内で『GTA6』の発売時期が明かされるというもので、突如画面左下にRockstar Gamesからのメッセージとして「GTA VI Coming 2019」と表示されるというものでした。
いわずもがなこれはRockstarが出したものではなく、ハッカーによるイタズラであったとみられています。
お次は、今年5月に突如YouTube広告として現れた本作のトレイラー。『GTA V』のグラフィック美麗化Modを用いた次世代感のある映像が使われており、レーティングに関する記述なども入っているという、「それっぽい」作りになっていました。
チャンネル名も「Rockstar North」という名前であり、信じてしまった人も一定数いる模様。動画は30万回以上再生されたほか、先行アクセス権が入手できるフィッシングメールやWebサイトなども見られたそうです。
直近では、今年10月にも。数々のウワサが立ちゲーマーからの期待も高まっている中、まだ『GTA6』が正式発表していないにもかかわらず「NewsRockstar」なるアカウントが動画配信サイト・Twitchにて「『GTA6』ベータ版配信開始!」と大ぼらを吹いた内容の配信が行われていました。
先行アクセス権を付与するという名目のもとSteamアカウントを不正に入手するフィッシング詐欺配信であったことが報告されており、5時間の間でおよそ5万人が視聴した模様。その後\BANされたものの、5万人のうち誰かが被害を受けた可能性も考えられます。
これから発売に向けて期待が高まっていくにつれ、ウェブやSNSで偽情報が回ってくる可能性も大いに考えられます。むやみに信じたりクリックしたりしないよう、まずは公式サイトやSNSアカウントなど「一次情報」を確認するということを心がけましょう。
ウワサその4「11月の決算までに何かしらの新情報が出る」
新作開発中宣言からしばらく経った今年10月、ゲーマーたちの熱は非常に高まっていました。多くのゲーマーが期待に胸をふくらませる中、海外掲示板を中心としたウワサ……もとい怪情報が飛び交っていたのです。
とある人物は、10月26日にトレイラーを公開するという主張を行いました。これ自体は事実ではありませんでしたが、そのトレイラーの長さが「1分半ほどになる」という点は現行映像が1分31秒であることと一致します。偶然か、はたまた内部事情を知るものなのか……真相は闇の中です。
加えて、11月8日に行われるテイクツー・インタラクティブの決算までに何かしらの情報があると推測する動きもありました。ゲーム会社、ひいてはテイクツーほどの巨大な会社にとって、株主は非常に大事な存在。そのため、期待が高まる中次のカンファレンスまでには発表されるのではないかと推測されていました。
結果としては、11月8日当日にRockstar Gamesより「12月初旬にトレイラーを公開する」という告知がなされました。トレイラー公開でこそなかったものの、ある程度信頼できる情報を元にした比較的堅実な推察と言えそうです。
ウワサその5「まさかの今週発表!?」
最後は、およそ1ヶ月前となる11月初旬。海外メディアBloombergは“関係者筋”からの情報を基に、早ければ今週中(11月8日から11月11日の間頃)にもRockstar創立25周年を記念して最新作が正式発表されると報じました。
この噂はほとんど正解だったと言って良いでしょう。正式発表こそされなかったものの、共同創立者のひとりであるサム・ハウザー氏が感謝のコメントを公開し、最新作の映像を12月に公開すると発表。そして、12月5日のトレイラー公開へと至ったのです。
『GTA V』発売からおよそ10年。世界でもっとも注目されるゲームのひとつである『グランド・セフト・オート6』がついに発表を迎えました。2025年の発売までには公式な続報だけでなく、数々のウワサやリークも行われるかもしれません。
コミュニティでの推測は楽しいものもある一方で、悪質なリークは自分を含む多くの人の楽しみを奪いかねないという大きな問題も抱えています。情報の取り扱いには十分に注意しながら、『GTA6』の発売を心待ちにしておきましょう。