HoYoverseが現在開発中の新作アクションRPG『ゼンレスゾーンゼロ』の2度目となるベータテスト「吸音テスト」が開始されました。本記事ではこのテストを通して感じた『ゼンレスゾーンゼロ』のプレイフィールを紹介し、どのような世界が広がっているのかなど気になる要素も解説。詳細なプレイレポートも後日掲載予定なので、まずは本作ベータテストの“さわり”が気になる方に、序盤数時間分のインプレッションをお届けしていきます!
◆期待通りにアングラ&ポップな世界が体感できる!
『ゼンレスゾーンゼロ』のシナリオを非常にざっくり説明するならば、ホロウ災害という現象が発生するようになった「新エリー都(しんえりーと)」にて「プロキシ」として活動する主人公たちのもとに、様々な厄介ごとが持ち込まれていく「騒がしくも賑やかで、アングラなドタバタ劇」でしょう。
主人公たちが生業とする「プロキシ」という職業は、ホロウという特殊空間に介入できる専門家のようなものです。
「プロキシ」がいなければホロウ内での行動もままならないようで、主人公たちは特定の組織に所属することなくサポートおよびガイド役として仕事を請け負っています。
伝説のプロキシ「パエトーン」として活動している兄妹「アキラ」「リン」が主役となり、アジトとして表向きに経営しているビデオ屋を中心に物語が展開していきます。
ちなみに、冒頭で主人公の性別を選択することができるのですが、この時「アキラ」「リン」のどちらを選んでも残った一人がサポートに回ります。個人的には、従来のHoYoverse作品より主人公の個性や主張が強めな印象を受けました。
そしてそんな彼らを取り巻く存在として、「邪兎屋(じゃとや)」や「ヴィクトリア家政(かせい)」「対ホロウ6課」などの組織が存在しています。同時に戦闘能力のない主人公たちも各組織の強者が必要なようで、共存関係のような間柄の様子。「他組織へ協力を要請する」という設定で別組織のキャラをパーティに編成できるので、ゲームシステム的にもストーリー的にも齟齬が生まれません。
冒頭でドンパチをやらかす「邪兎屋」のみならず、サブクエストとして新エリー都に暮らす一般人の依頼も受けるという展開から、「多くの組織や個人のストーリーを中立的に追っていく、新エリー都の群像劇的な一面が強そうなストーリー」と現段階では感じられました。
『ゼンレスゾーンゼロ』では、そんな新エリー都を「自由にぶらつく」ことも出来て、かなり個性強めな人間(?)たちの生活を観ることも可能です。近未来的で雑多な街並みはもちろん、モブキャラの3Dモデルもしっかりと作りこまれ、さらにはメインキャラの“オフの姿”すら見ることもでき、世界そのものへ没入しやすい仕組みが施されていました。
筆者が体験した範疇では序盤かつベータテストのため、まだまだ“ただの箱庭”な印象なのですが、ストーリーの進行とともに動ける範囲は増えていくでしょう。
同時に、主人公はハッカーテイストな存在「プロキシ」であるため、ディープなネット(作中では「インターノット」)を介したやりとりもユニーク。『崩壊:スターレイル』や『原神』のように、その情報量はボリューミィ……“アングラなプロキシ”と“ビデオ屋の兄妹”という二面性ある世界が構築されていて「クオリティと密度の高い世界」を味わえます。
ゲームシステムは、マス目状に表現されたホロウ内を探索していくスタイル。多くのギミックが仕込まれているマップを進み、バトルをするかどうかなどの選択が迫られます。ハッカーテイストに仲間たちを動かしていきながら、バトルマスにてアクションを実行していきます。
バトルはとことん爽快感を突き詰めたスタイリッシュアクション! 3人1組で交代を繰り返しながら、敵に猛攻を仕掛けていくシステムになっています。回避や交代のタイミングをあわせればパリィやスローモーションを発動かつ反撃を仕掛けることもできます。
このパートは基本的にステージ制で、バトルも含めたテンポの速さがスタイリッシュアクションとして好感触!「次はもっと上手くプレイしたい」とプレイヤーに思わせてくれる、完成度の高さが光るアクション性です。HoYoverseが『崩壊3rd』から蓄積してきた「3Dアクションのノウハウ」を感じられましたね。
個性際立つアングラな世界をこれでもかと押し付けてくれる『ゼンレスゾーンゼロ』、ベータテスト序盤でのプレイフィールを書くならば、シナリオやゲームシステム全てをひっくるめて、「様々な面でクオリティの高い」タイトルと言えるでしょう。惜しくもベータテストに参加できなかった方はもちろん、PVなどを見て興味を抱いた人も『ゼンレスゾーンゼロ』に注目してみてはどうでしょうか。