バンダイナムコエンターテインメントは4月14日(金)、「PROJECT IM@S 3.0 VISION」のひとつとして展開する新たなプロジェクト「vα-liv(ヴイアライヴ)」の概要を明かす発表会を実施。具体的なプロジェクトの内容や、3人のアイドル候補生の詳細が明かされました。
本稿では、本プロジェクトの概要と発表会後にメディア向けに行われたプロデューサーを務める勝股春樹氏と、アイドル候補生3人に向けて行われた囲み取材の模様をお届けします。
まず、vα-livは「“MR”-MORE RE@LITY-プロジェクト」(MRプロジェクト)推進に向けた新規アイドルプロジェクトであり、YouTubeでの配信活動を通じて候補生たちがアイドルデビューを目指します。視聴者は“プロデューサー”として候補生たちを応援(プロデュース)し、最終的に審査に合格した候補生が“アイドルデビュー”を果たします。
これは既存の各プロダクションの先輩に肩を並べることを目指す、公式の研修生制度のようなものであり、視聴者参加型のアイドル育成公開オーディションとされています。
なお、これはあくまで「PROJECT IM@S」であり『アイドルマスター』の名は冠していません。
アイドルデビューするのは視聴者の支持を得たもののみであり、審査に合格しなければ活動は終了となります。視聴者は『アイドルマスター』の公式サイト「アイドルマスター ポータル」を通じて投票を行うほか、今後実装される支援機能などでプロデュース活動を行います。これらの成績は随時公式サイトで確認できます。
活動では四半期毎に行われる中間審査も実施。チャンネル登録者数などの数字が候補生の評価、結果となり、成績が良ければ追加でインセンティブ(活動の機会)も与えられます。
2024年4月に実施される最終審査を経て、アイドルデビューか活動終了か、命運が決まります。最終審査に合格することで、今回発表された3名の候補生全員がアイドルデビューする可能性もあるとのこと。
なお、この発表とあわせて公式サイトもオープン。各アイドルのなかから1名にのみ「いいね」を贈ることができるほか、このプロジェクトに対しての評価を下す「いいね」も実装されています。
プロジェクトが開始する4月はチュートリアル期間として数本の動画投稿を行い、5月からはオーディション番組が開始されさまざまな趣向を凝らした企画が配信が行われるとのこと。
以下の通り、3名のアイドル候補生のプロフィールとYouTubeチャンネルが公開されています。
灯里 愛夏(ともり まなか)
「プロデューサーさん! わたし、変わりたい!
東京でアイドル目指してがんばります!」
誕生日:7月1日
身長:158cm
血液型:B型
星座:かに座
出身地:福岡県
趣味:アイドル研究、カフェで読書、ミュージカル
特技:料理、利きアイス
【PROJECT vα-liv】 灯里愛夏 公式チャンネル:https://www.youtube.com/@TomoriManaka
上水流 宇宙(かみずる こすも)
「夢は大きくどこまでも高く、誰よりも輝くアイドルになってみせます。
プロデューサーさん、どうぞよろしくお願いいたします。」
誕生日:9月12日
身長:162cm
血液型:B型
星座:おとめ座
出身地:東京都
趣味:イラストを描くこと、ゲーム、食べること
特技:書道、地獄耳
【PROJECT vα-liv】 上水流宇宙 公式チャンネル:https://www.youtube.com/@KamizuruCosmo
レトラ(サラ レトラ オリヴェイラ ウタガワ)
「名前? 長いからレトラでOKだよ!
しごできプロデューサーのみなさん、歌なら私に任せて! ばっちこい!」
誕生日:11月11日
身長:159cm
血液型:O型
星座:さそり座
出身地:埼玉県
趣味:寝ること、ネイル・メイク、雑貨集め
特技:歌、古着リメイク
【PROJECT vα-liv】 レトラ 公式チャンネル:https://www.youtube.com/@UtagawaLetora
以下、プロデューサーの勝股春樹氏と、アイドル候補生3名への囲み取材の模様をお届けします。なお、アイドル候補生による回答は彼女たちの個性を感じ取れるよう、可能な限り発言をそのまま文字に起こしていることをご留意ください。
プロデューサー:勝股春樹氏への囲みインタビュー
――過去にはミリオンライブや765プロダクションのライブをご担当されていたとのことですが、ご自身の経験をどのように活かしていきたいと考えていますか。
勝股春樹氏(以下、敬称略):約10年間、イベントやライセンスまわりなどメディアミックスを中心に担当してきました。今後はタレントを軸に360度ビジネスを展開していきたいと思っています。2017年の「MR ST@GE!!」を通じ、この世界観のなかで活躍するアイドルたちの姿を夢見ており、新しいアイドル候補生という形ではありますが、みなさんに新しい楽しみを見つけて貰えればなと思っております。
――今後、プロジェクトが軌道に乗ってきたら新たな候補生も登場するのでしょうか。
勝股:現状すぐに追加することは考えていません。今年1年間はこの3名で活動していきますが、今後研修生制度として新たな候補生の登場も検討しております。
――起ち上げのタイミングや影響を受けたものはなんだったのでしょうか。
勝股:やはりコロナ禍での経験は非常に大きくあります。過去にMR ST@GE!!のアンコール公演が新型コロナウイルスの影響で中止になってしまい、星井美希が生配信を実施する企画を行いました。ゲームの世界を通して体感することが主流だった時代において、この配信を通じてプロデューサーの皆さんとのつながりやプロデュース体験を実現できていると感じ、そのときから配信にも世界観を作って繋がれる可能性があると思い、今に至ります。
――プロジェクトのゴールが“アイドルデビュー”とのことですが、それは具体的にどういうものなのでしょうか。
勝股:アイドルデビューの暁には、アーティストのようにCDデビューやライブ活動など、タレント展開を予定しております。
――既存のライバーとのコラボレーションなどは考えていますか?
勝股:もちろん、ライバー活動の一環としていろんな方とコラボできれば良いと考えております。みなさんとコラボできるよう営業活動を行っていきたいと思います。
――既存の『アイドルマスター』各ブランドとのコラボレーションはありますか?
勝股:直近では予定しておりませんが、アイドル候補生たちは同じ世界観のなかで活動するので、いつかご一緒できればと考えております。
――プロジェクト自体への評価について、現在公式サイトにある「いいね」による投票以外にはなにか施策があるのでしょうか。
勝股:基本的には投票がわかりやすい指標になってきます。今後は、企画を通じてプロデューサーさんが参加していただくコンテンツもあり、総合的に評価できるような設計を予定しております。
――アイドル昇格の審査基準は、明確に提示されるのでしょうか。
勝股:審査基準はオープンにしようと考えております。チュートリアル期間が明けたあとに皆さんに発表したうえで参加していただくことを想定しております。
――YouTubeチャンネルでスーパーチャットはできるのでしょうか。
勝股:収益化の基準などもありますが、配信を楽しめる要素は随時拡張していきたいと考えております。
――他のマネタイズについては如何でしょうか。
勝股:『アイドルマスター』ではお馴染みのグッズ展開をはじめ、音楽などのデジタルコンテンツなど、マルチIPを目指して多角的な展開を予定しております。主軸となる配信ならではの取り組みも考えております。
――配信を舞台にした理由と、活動期限を設けたねらいを教えてください。
勝股:「候補生がアイドルを目指す」という過程がドラマチックであることが理由であり、その文化に近しい年齢の方にオーディションに参加していただきました。一年での戦いにするねらいは、明確に展開の基準を作りたかったというのがひとつあり、そのうえで臨場感があり納得いくプロデュースをしていただけると考えました。
――ゲーム版から影響を受けた部分もあるのでしょうか(補足:アーケード版を始め、シリーズ作品では一定期間の間にトップアイドルを目指すタイトルが存在する)。
勝股:はい、もちろんです。アーケード版などにあるハラハラする部分も『アイドルマスター』のひとつだと思います。
アイドル候補生3名への囲みインタビュー
――皆さんそれぞれが、動画の鉄板ネタのような特徴(愛夏さんなら効きアイス、宇宙さんならイラスト、レトラさんなら辛いもの好き)を持っていますが、これから配信者としてどのような動画を投稿していきたいと考えていますか?
灯里 愛夏(以下、愛香):効きアイスもやりたいんですが、自分でアイスをプロデュースして、作ったものを二人に食べて欲しいなって。毒味じゃないですよ(笑)好きなものを二人にも好きになって貰いたいなって思います(笑)
上水流 宇宙(以下、宇宙):私は効きアイスとか特技ではありませんが、絵を描くことが得意なので、それを活かした企画......絵しりとりとかですかね。
――お絵かき配信なんかされているライバーさんもいらっしゃいますよね。
宇宙:そうですね!そういうのも挑戦してみたいと思っています。
――レトラさんはいかがでしょうか。
サラ レトラ オリヴェイラ ウタガワ(以下、レトラ):アイドルなら体力がめちゃめちゃいると思うので、みんなで腹筋何回できるかチャレンジとか、身体張る系をしてみたいです。頑張ってるよー!って感じのをしてみたいです!
――尊敬する“先輩”を教えてください。
愛香:私は「五十嵐響子」さんがすごい大好きです。愛と憧れを語った動画が後日公開される予定なので、そちらを是非楽しみにしていただければなと思っております!
宇宙:私は「アンティーカ」の皆さんがすごく憧れで、ゴシックなコンセプトがオタク心に刺さるなと思います。ああいう衣装も着てみたいな、なんて思ったりしています。
レトラ:「YuNi」さんをすごく尊敬しています。お歌がすごく上手くて、耳が幸せになれるので、ああなりたいなって思っています!
――お三方の他のメンバーへの第一印象を教えてください。...では愛香さんから。
愛香:もうなんでいつも私最初なんですか(笑)実は私たち昨日初めて会ったんです。
宇宙:そうなんです。
レトラ:ホヤホヤです。
愛香:私は緊張しいなので一人でテンパってたりしたんですが、二人はすごい落ち着いていて、帰りも「帰り道大丈夫?」とか「送っていこうか?」とか言って貰って、頼りがいのある頼もしい二人と一緒にこれから頑張っていけるのが楽しみだなと思っています。
宇宙:私のお二人への第一印象は、愛香さんは...本人も言ってましたが心配になりますねすごく(笑)目を離しちゃ駄目だというか、ちょっと目を離すといなくなってしまう、ハムスターのような感じかなと思っています。同い年なので仲良く出来たらなと思っています。レトラさんは見るからに「陽キャだな」と(笑)
愛香:あーわかるー(笑)
宇宙:すごく警戒はしていました(笑)
レトラ:えーーー!!
愛香:話してみるとすごい、ね!
宇宙:そうそうそう、話してみると良い方で(笑)ただの騒がしい方じゃないので、これから仲良くしていけたらいいなと思います。
レトラ:良かったー
――レトラさんは如何ですか。
レトラ:二人とも可愛すぎて、愛香ちゃんは綿菓子みたい。ふわふわしていて、甘めて。「送っていこうか?」って言ったのは私なんですけど、放っておけないような感じで(笑)
愛香:大丈夫ですよ!東京のイケイケシティガールなので!
レトラ:そういうとこよー!宇宙ちゃんはクールビューティって感じで、うえからしたまでじろじろ見てしまいました。自分がこういう感じなので、クールな方に憧れるところがあって「あぁ、いいな!」「あぁ、美しい!」と思って見ていました。みんなジャンルが違って楽しいメンバーになりそうだなと思っています。
――お三方がアイドルを目指したきっかけと、どのようなアイドルになりたいか教えてください。先ほどまで愛香さんから答えていただいたので、レトラさんからお願いします。
レトラ:え、なんでしたっけ(質問を聞き直す)。......きっかけは、音楽を続けるか就職するかで迷っていて、そんななかでチャンスを頂けたので、全力でやってみたいなと思っています。歌を全国民に届けて、心を通わせたいなと思っています。
宇宙:魔法少女に憧れたのがきっかけのひとつです。私は多分このなかで一番長く芸能活動をやっていまして、でもなかなか上手くいきませんでした。でもアイドルというキラキラした女の子になりたい夢を諦めきれず、そんななかでいただいた最後のチャンスとして参加したのがきっかけです。キラキラとしたアイドルに、誰よりも輝けるアイドルになりたいと思っています。
愛香:ボランティアに行ったことがあって、そのときに小さい子供たちと遊んだり読み聞かせをしたりしました。そのなかで子供たちが笑顔になってくれるのがすごく嬉しくて、私にも人を笑顔にできる力があるのかな、もしあるならたくさんの人と私も一緒に笑顔になりたいと思って選んだのがアイドルでした。私自身もちっちゃいころからあまり前に出れなかったり自信が持てなかったりする性格なので、そんな自分を変えたい、変わりたい、変わらなきゃと思って、一歩踏み出す勇気を持つためにプロジェクトにも参加しました。.....もうなに言ってるかわかんなくなってきちゃった。
宇宙:大丈夫です。合ってますよ。
愛香:みんなと笑顔になりたいし、ハッピーになりたいやっぴーなアイドルになりたい!って感じです。
――このプロジェクトを最後の挑戦と決めたのは何故でしょうか。
レトラ:......(熟考)。
愛香:なんか深いテーマだよね。
レトラ:......難しい。
宇宙:私からいきましょうか。私は先ほども言った通り、長いこと芸能活動をやっていて、もうすぐ10年経つんです。なので私なりの集大成というか、続けるか辞めるか、という決断も含めて参加しています。でもアイドルへの挑戦が最後なだけで、芸能活動は続けていったりなんだかんだわからないですけど、私の集大成ということです。
――愛香さんいけそうですか?
愛香:任せてくださいよ!....任せてくださいって言ったのにわかんなくなってきちゃった。
宇宙:落ち着いて!
レトラ:深呼吸深呼吸!
愛香:そうですね...私は宇宙ちゃんと年齢は一緒なんですけど、立場的には逆?にいて、私は上京アイドルを目指し養成所に通い出してから2年目で、「アイドル目指して2年生」みたいな感じなんです。アイドルを目指し始めるのに17歳という年齢は遅いスタートで、私としてはコンプレックスなところもあって、前に出れない性格がアイドルとして壁になっているところもあります。なので「これがラストチャンスだ頑張るぞ!」と気合を持って挑んでいます。私は追い込まれないときっとできないタイプなので、自分を追い込むために、ラストチャンスと決めてこのプロジェクトに参加しました。
レトラ:私は一番年上の19歳で、専門学校にも通っています。これからどうしていくか迷っていたので、そんななか運良くこのプロジェクトに...あれなんの話だったっけ(笑)....あぁ、声をかけていただいたので、オーディションにも年齢制限もあって、そういう意味でもラストチャンスだと思っています。
囲み取材では彼女たちが持つ等身大の想いを語ってくれました。これまでのアイドルマスターが持っていた声優とキャラクターの結びつきとは異なる、いわゆる“中の人”の存在が強く感じ取れる印象を受けました。
「アイマス」というプロジェクトで生まれる新たな「配信」を通じたこの企画が、どのように展開されていくのか見守っていきましょう。彼女たちは、輝きの向こう側を目指しトップアイドルへの第一歩を踏み出します。