パブリッシャーNIJICOは、開発チームの倒産・解散によって現在Steam早期アクセス中の『ノヴァステラ物語』『DancingSim』の開発継続ができなくなったことを発表しました。『Mirror 2: Project X』の後続章の開発についても無期限で中断となります。
『ノヴァステラ島物語』『DancingSim』は返金対応へ
同社ではSteam側と確認を取り、本日より『ノヴァステラ島物語』『DancingSim』を購入した人向けの返金対応を行います。返金はSteamクライアントの「ヘルプ」から「Steamサポート」を選び、対象製品名を検索・クリックして対応メニューから「返品をリクエストしたい」を選択することで申請可能です。
Steamでの返金は通常、購入から2週間以内でプレイ時間2時間未満のゲームもしくはソフトウェアが返品対象ですが、今回のケースではリクエストすることで返金対応が行われます。『ノヴァステラ島物語』『DancingSim』は発表から4週間以内で販売終了してSteamから削除されるため、返金手続きは早めに行って欲しいとのことです。
なお、2022年9月30日から10月31日まで受け付けていた『Mirror 2: Project X』の返金作業は30%ほど完了し、今後も引き続いて残りの返金作業を進めていくようです。
『Mirror 2: Project X』低評価で開発継続が困難に
投稿によると、同社では『Mirror 2: Project X』のSteamレビューで低評価が続いたことが、倒産の大きな要因になったと説明しています。『Mirror 2: Project X』は、2018年に発売されたパズルゲーム『Mirror』の続編作品として開発。前作『Mirror』は求めやすい値段設定やセクシーなコンテンツ(R-18)などのゲーム内容が受け、非常に好評なユーザーレビューを受けている作品です。
『Mirror 2: Project X』は2022年1月21日にSteam早期アクセスでリリース。初日販売数60万本(有料DLC含む)、初月販売数は200万本を超えるなど好調な滑り出しでしたが、レビューでは前作ほどの“過激なコンテンツ”がないことを指摘する声が増え、少しずつ不評のユーザーレビューが増えていきました。
大きな転機になったのが2022年9月30日の「プレイヤーの皆様へ」という投稿でした。投稿内で開発チームは『Mirror 2: Project X』がヤングアダルト(16+)に相当する内容であることをリリース時に明確に示さなかったとして、ゲームの返金を受け付けることを発表。この投稿はユーザーから大きな反発を受け、発表当日に44,465件もの不評レビューが寄せられる結果になりました。
同社では『Mirror 2: Project X』は現在420万本を売り上げているものの、開発コストの37%程度しか回収できていないと明らかにしています。その背景には4年間に渡る開発期間でコストが掛かりすぎたことがあり、最終的に大きな不評を受けたことでコスト回収が難しくなり、今後の開発継続が困難になったようです。
今後も『Mirror 2: Project X』は販売を継続
上述の通り『ノヴァステラ島物語』『DancingSim』は返金対応および数週間後にSteamからの削除が行なわれます。『Mirror 2: Project X』の開発は無期限で中断になりますが、こちらはいずれゲームを完成させることを目指すため、今後もSteam早期アクセスの状態を継続させるということです。
なお、ゲームの低評価が続き、さまざまな対応を行っている中で開発チームへ「不法な募金詐欺」や「プレイヤーの個人情報を不法に収集・販売する」などの心無い言葉が多く寄せられたことも明らかにしています。また、一部スタッフに関して、SNSなどで個人情報や写真が“晒される”事態にも発展していたということです。