※UPDATE (2024/01/02 18:30):1年経ってキャプチャ環境も大きく変化したので、2023年/2024年の年末年始企画「あつまれアナログ世代!ゲーム販促ビデオVHSテープコレクション」にてご紹介しています。
私は結構な『Mortal Kombat(モータルコンバット)』のファンでして、コレクションの中には日本版『Mortal Kombat II』のプロモーションビデオもあったりします。しかしこれが記録されているのがVHS、いわゆるビデオテープなんです。
若い世代だと使ったことがない、それどころか実物を見たことがないという方もいると思うので説明すると、ビデオテープは磁気テープを使用したアナログの映像記録メディアで、その規格の1つVHS(Video Home System)はテレビ番組の録画用途で80~90年代に広く普及していました。
環境にもよりますがビデオテープの寿命は約30年と言われており、磁気テープの劣化によりそのうち再生することができなくなってしまいます(再生を繰り返すだけでも劣化する)。前述のプロモーションビデオをコレクションしていても映像が見れなければ意味がないということで、この機会にPCへの映像取り込みに挑戦してみました。
取り込みは単純にビデオデッキでビデオテープを再生し、その映像をキャプチャでPCに録画します。ビデオテープのキャプチャを目的として専用ソフトを備えた機器はいくつかのメーカーから発売されていますが、なるべく高画質で取り込みたいということで今回はStarTechのビデオキャプチャ「USB3HDCAP」から、ゲーム配信でも多用されるソフト「OBS Studio」を通して録画しました。
本来VHSの解像度は640x480程度ですが、どうもジャギーが目立ったので1440x1080(ワイド画面のものは1920x1080)で取り込み、「OBS Studio」のフィルタ機能でシャープと色味調整をかけて録画しました。恐らく使用するビデオデッキやキャプチャデバイス、取り込み設定によっても画質は変わるので、追求しだしたらキリがないですね。
今回はHDDの空き容量とも相談して約1時間半の映像で5GB前後になるようにしました(詳しく調べればもっと良い設定があるかも)。ちなみにビデオテープの記録時間は約2時間、画質を犠牲にして長く記録できる3倍モードでは約6時間となります。当然6時間の映像の取り込みには6時間かかるので大変です。
ビデオテープが無事取り込めたらここからが大変。映画のビデオはともかく、テレビ番組の録画はCMも入っているので編集ソフトを使用して動画を切り分けます。今回はペガシスのカット編集ツール「TMPGEnc MPEG Smart Renderer 6」で行いました。編集中に懐かしい番組やCMを発見してじっくり見てしまうことも……。
今や過去の遺物となっているビデオテープ。懐かしのテレビ番組やCM、諸事情でDVD化されていない映画などが残っているかもしれないので、家にビデオテープがあるという方は劣化して再生できなくなる前にチェックすることをオススメします(環境が揃えばPCに取り込んでおくことも)。なお、余談ですが現在アットアイデア社はテープに負荷をかけない新型VHS再生機の開発を進めているそうです。