9月に幕張メッセで行われた「東京ゲームショウ2022」では、インテル株式会社(以下、インテル)がブースを出展。PCメーカーやゲームメーカーと協業し、最新のPCで最新のゲームを楽しむ場を設けました。
それに合わせ、インテルの代表取締役社長、鈴木国正氏がTGSを訪問し、メディアへ向けたラウンドテーブルを開催しました。インテルはゲーム市場に対してどのような取り組みをしているのか、語られた内容をお伝えします。
まず、ゲーム市場についておさらい。コロナ禍によって、世界的な「巣ごもり需要」の恩恵を受けたゲーム市場は、2020年と比較して6.1%の成長、プレイ時間も21%の成長を見せており、ゲーム周辺機器市場も2027年までで10%の成長予想があるなど、大きく成長しました。一方の国内では、大手家庭用ゲームプラットフォーマーがPCタイトルに注力するようになったとし、2021年の国内市場規模は横ばいなものの、PCでのみプレイするゲーム人口が約20%増加したと説明しました。
「PCプラットフォームが確実に広がっている」と話す鈴木氏は、インテルの取り組みとして、PCメーカーやゲームメーカーなど、協力会社とのエコシステムの構築に力を入れていると説明。また、特にゲームメーカーとのやり取りは3年ほど前から関係を築き、現在では54タイトルが、インテルプラットフォームでのテクノロジーの有効活用、パフォーマンス向上など、ゲームコンテンツの最適化に成功しています。実際に、現在ハイエンドデスクトップPCでしか動作しないタイトルも、最適化が進んでいけば後に高性能ノートパソコンでも動作するようになっていくものもあるとのこと。
また、コミュニティに寄り添うことを大切にしていく取り組みとして、最新のPCの提供など、クリエイターを支援する「インテル Blue Carpet Project」や、コミュニティサイトである弊誌「RUGs」の立ち上げなどで情報発信を行っています。今回の東京ゲームショウ2022もそのひとつです。
そして、もちろんCPUも進化を見せています。2021年に登場した「Alder Lake」や、今年登場予定の「Raptor Lake」から、2024年以降に予定されている「Lunar Lake」など、アーキテクチャの大きく変革を経て、ユーザーの体験にコミットしていくとのこと。
また、同席したインテル 第二技術本部 部長の安生健一朗氏によれば「3年前と比べて、インテル® Iris® グラフィックスの登場や、プロセッサーの更新などがあり、大きくプラットフォームが進化したと感じます。逆に言うと、アーキテクチャの変革はゲームメーカーにとっては最適化においてある意味で負担でもありますが、そこをついてきて頂いて、寄り添って頂いた結果が体現されています」と述べました。
「コンテンツそのものと、コンテンツ開発にどれだけ寄り添うか、これがハード屋である我々の仕事なんですよ」と述べる鈴木氏の通り、ここ数年でPCゲームへの意識が、ユーザーだけでなく、ゲームメーカーにも変化があり、これまではコンソールハードのみでローンチされていたタイトルが、PC版も同時に発売するなど、数年前では考えられないようなことが起こっています。
また、「コンソールは新たなビジネスモデルやUXを生み出し、PCは裾野を広げる役割を持っている」と語り、ゲーム市場の盛り上げていく姿勢を強調しました。
今回のTGSインテルのブースでは、サードウェーブ(GALLERIA)や日本HP(OMEN)といったさまざまなPC・ソフトメーカーと協業し、『スターオーシャン6 THE DIVINE FORCE』や『ディオフィールド クロニクル』、『ライザのアトリエ3 ~終わりの錬金術士と秘密の鍵~』といった新作タイトルをプレイアブル出展しました。
ゲームメーカーとゲームコミュニティに寄り添う姿勢を強調した今回のラウンドテーブル。今後さらなるアーキテクチャの発展と合わせて、PCゲーム市場への注目が集まります。