日本では初開催となる、女性限定の大会「VALORANT CHAMPIONS TOUR GAME CHANGERS JAPAN」は「FENNEL」が優勝。同チームに敗れ、惜しくも2位という結果になった「REIGNITE Lily」ですが、日本の上位2チームとして9月下旬に行われる「VALORANT GAME CHANGERS EAST ASIA」へは進出決定。日本代表として東アジア予選に挑みます。
本稿では、100ラウンドを超える接戦を終えた直後の「REIGNITE Lily」のリーダー・R4M選手へ向けて行われた合同インタビューの模様をお届けします。
ーー長時間の戦いお疲れ様でした。まずは率直な感想をお聞かせください。
R4M選手:悔しい結果でしたが、優勝した「FENNEL」におめでとう!という言葉を贈りたいです。
ーー4thマップ:アイスボックスでは7-1という大差からの巻き返しがありました。どのように気持ちを持ち直したのでしょうか。
R4M選手:正直、2nd・3rdマップでは焦っていました。普段できていることができていなかったんです。そこで勝っても負けてもここが日本大会での最後の試合ということで、「楽しくやろう」と意識し直しました。すると必然的にみんなの雰囲気も良くなってラウンドも取れたんです。
ーー普段通りにできなかったことが敗因になってしまったのですね。
R4M選手:大会でいつもより緊張してしまって、いつも言えている報告や見ている場所の報告もできないこともあったり、一人で前に出てしまったりと、取れるようなラウンドも取れなかったことがありました。
ーー今大会に向けて準備してきたものを教えてください。
R4M選手:REIGNITEへ加入して、Saya選手は見せていなかったスモーク役になるなど、大きく構成を変えました。nagiコーチが持ってきた戦術や戦略に合わせて、他のプロチームも参考にしつつ再構成していきました。
ーー昨日のINSOMNIA戦ではどのような勝因があったと思いますか?
R4M選手:カバーやトレードはもちろん、たとえ相手に崩されても、もう一度立て直すことを意識できていたからですね
ーーそして昨日の戦いからどのような部分を修正して今日に挑みましたか?
R4M選手:特にバインドなどは、前に出るべきでないのに前に出てしまっていた場面などをコーチに指摘してもらいつつ、戦略面を修正していました。あとは個々の見ている場所などの声かけなどを修正していました。
ーー実感として、昨日の戦いよりもうまくいっていましたか?
R4M選手:バインドはそうですね。ただヘイヴンからグダりはじめてしまい……、2マップを落としてしまいました。
ーー特に相手側で、仕掛けられると辛い動きなどはありましたか?
R4M選手:私たちは不意をつかれるのがすごい苦手なんだと思います。アイスボックスではリテイクのときに相手のスキルが不意に飛び出してくるといった、予想外の動きをされると対応が不十分で、そこがまだまだ弱点なので、今後はEast Asia戦へ向けて修正していきたいと思います。
ーー昨日East Asia予選への出場を決めた瞬間の気持ちをお聞かせください。
R4M選手:East Asia予選に出れるんだ!という気持ちで、本当に嬉しかったです。ある意味では昨日こそ決勝のような気持ちで臨んでいたので、今日は昨日よりも緊張はほぐれるかなと思ったんですがそんなことはなく、やっぱり緊張してしまいました。
ーー初の公式戦でしたが、グループステージ、準決勝・決勝とプレイしていくなかで、今回のVCT GC JAPAN全体を通しての感想をお願いします。
R4M選手:公式大会に出場できること自体がまず嬉しいですね。昨日は接戦の末に勝利できて嬉しい気持ちもありつつ、今日はもうちょっとやれたんじゃないかという悔しい気持ちでいっぱいです。
ーースクリムと公式大会の本番というのはプレイしていて違うものなんでしょうか。
R4M選手:私は緊張するタイプなので、全然違いました。いつも通りやろうと思っていても、思考が固まってしまったり、手が震えたりして、思い通りの動きができないんです。いつも通り、練習通りやろうと声掛けとしていてもやはり緊張してしまうのですが、これからこのような環境に慣れていけば、大丈夫なのかなとも思いました。
ーーREIGNITEという大きなチームに加入することで環境やサポートなど、変化したところなどありましたか?
R4M選手:まずはメンバーのゲームへの意識と言いましょうか、プロとしてやっていく意識が高まりました。また、私たちからお願いしたブートキャンプなども実施していただき、そこで得たものも多くありました。優しい方ばかりで、スタッフの皆さんに感謝しています。
ーー5thマップ:スプリットではオーメンのアルティメットアビリティ「フロム・ザ・シャドウ」でオーメンのR4M選手がアタッカーサイドへ飛んでスパイクを確認するシーンがありました。そのときの心境を教えてください。
R4M選手:「スパイクある」と(笑)。タレットの音がしていましたが、いつも通りであればBメイン側を見ているはずなので、とても迷ったんですよ。行こうか行かないか迷って……結局戦いに行ったのですが、そこでエイムがブレてしまいまして。いつもだったら2キルできるところを1キルしかできませんでした。
ーーREIGNITE Lilyは多くの枚数をかけて局所に撃ち合いにいくシーンが多く見られましたが、どなたが声がけをしているのでしょうか。
R4M選手:Saya選手とZodiac選手が情報をまとめて、最終的な決断をしています。ただ、常にみんなが意見を出し合っていて、例えばアイスボックスなどでは「このリコンがあがったら行こう」「このカーテンがあがったらリテイクしよう、ここに入るね」といった声がけをしています。
ーーKiera選手とSaya選手の連携が特に光っていたかなと思うのですが、特にこの2人が仲が良いとかあるのでしょうか。
R4M選手:2年間やってきているので、誰と誰が仲良いとかはあまりなく、本当にみんなが仲良しなんですよね。スクリムなどで険悪な雰囲気になることもありますが、最終的には落とし所をつけて話し合いで解決しています。
ーー家族のような存在なんですね。
R4M選手:そうですね。なんでも話せるメンバーですね。
ーー最後に「VALORANT GAME CHANGERS EAST ASIA」への意気込みをお願いします。
R4M選手:やはり大会で緊張してしまう部分があるので、そこをしっかりと、気持ちを落ち着かせ、個々の問題をしっかりと修正してEast Asia予選へ向けて頑張りたいと思います。
日本一位にはなれませんでしたが、ここまで来られたのはファンのみなさんのおかげですし、REIGNITEに加入する2年前から応援してくれている方へは感謝しかありません。これからも「REIGNITE Lily」として頑張っていくので、応援よろしくお願いいたします。
惜しくも2位という結果とはなりましたが、インタビューを通じて何度も口にした「修正」という言葉から、前向きな気持ちと、次の戦いをすでに見据えていることが伝わってきました。
REIGNITE Lilyは、優勝したFENNELと共に、11月にドイツ・ベルリンで行われる世界大会「VALORANT CHAMPIONS GAME CHANGERS Championship」への出場権をかけ、9月下旬に行われる東アジア予選「VALORANT GAME CHANGERS EAST ASIA」へ挑みます。