昨年の年末年始にビデオテープをキャプチャしてPCに取り込むという特集をお届けしましたが、あれ以来ちょっとしたマイブームとなり、キャプチャ目当てでレトロゲームの販促ビデオを沢山集めちゃいました。本記事ではゲームの歴史の遺産として、各ビデオの概要とスクリーンショットでコレクションをご紹介していきたいと思います。
キャプチャ環境は進化
2022年は家庭用のビデオデッキと市販のビデオキャプチャを使用していましたが、色々と調べていく内に多くの知識を得て、更に綺麗にキャプチャする方法を学習したので相当パワーアップ。クオリティを追い求めていたら業務用の機材にまで手を出してしまいました。ハマると泥沼です。
使用機器・ソフトウェア
ビクター BR-S500(S-VHSビデオデッキ)
ソニー PFV-L10(ビデオ・オーディオインターフェースユニット)
BKPF-L703A(アナログビデオ分配ユニット)×2
SKNET Pure-D(タイムベースコレクタ/フレームシンクロナイザー)
AJA KONA LHi(キャプチャカード)
AJA Control Room(キャプチャソフト)
ペガシス TMPGEnc Video Mastering Works 7(ビデオ編集・エンコーダー)
今の時代はYouTubeで簡単にゲームの映像が見れますが、昔はゲームショップの店頭やテレビCMくらいでしか映像が見られなかったので、ゲームを1つ買うだけでもかなり慎重だったような気がします。値段も高かったですしね。
昔話はこの辺にして、早速コレクションを一挙ご紹介(リリース年順)。
FC『スウィートホーム』
1989年/カプコン
厳密には販促ビデオではなく、映画「スウィートホーム」のビデオの冒頭におまけとして収録されていた映像。発売前は『スウィートホーム The Famicom』と呼ばれていたようです。途中で映画のワンシーンも差し込まれるのですが、死亡シーンや終盤のシーンが含まれていてかなりネタバレしてます(笑)
ナムコ 新製品ご案内デモビデオ
1989年/ナムコ
ファミコンソフト『ドラゴンスピリット』『デビルマン』『マインドシーカー』『ドラゴンバスター』の紹介映像を収録。発売時期や価格表示の無骨さが時代を感じさせます。また、監修を務めた清田益章さんが登場する『マインドシーカー』の紹介は良い感じの胡散臭さがありますね。途中には『ワギャンランド』や『ローリングサンダー』のCM映像も。ワギャンかわいい。
SFC 『ポピュラス』プロモーションビデオ
1990年/イマジニア
名作シミュレーションゲーム『ポピュラス』のスーパーファミコン版プロモーション映像を短いものから長いものまで3種類収録。妙に軽いゲーム紹介に加えて、ピーター・モリニュー氏による解説が含まれています。
Let's Play『ボンバーマン』& '91 ハドソン ニューソフトラッシュ
1991年/ハドソン
コント仕立てで紹介される『ボンバーマン』の遊び方をはじめ、PCエンジンを中心とした様々な新作ソフト、青汁でおなじみの八名信夫さんが白ボン役を務めた『ボンバーマン』の実写任侠ドラマ「凡! ボンバーマン」の予告などを収録。
CSG TV-GAME COLLECTION '91 夏・秋
1991年
家庭用ゲーム機のソフトメーカーから成る団体コンシューマ・ソフト・グループ主催のゲーム展示会(東京ゲームショウの前身)向けに作られたビデオのようです。様々なメーカーの発売予定ゲームが紹介されています。サンソフトの『ポッパーズ』のように発売中止になったゲームやテクノスジャパンの『いけいけ! 熱血ホッケー部』のように、製品版とデザインが異なっているゲームもあったりします。
CSG TV-GAME COLLECTION '92 夏・秋
1992年
1992年はファミコン、スーパーファミコン、ゲームボーイ、メガドライブ、PCエンジンと多くのプラットフォームが揃っておりまさに群雄割拠の時代。表現力が洗練されるとともにCD-ROMの大容量を活かしたゲームも続々登場しています。
AC 『マッスル ボマー』-プロモーションVTR-
1993年/カプコン
『マッスルボマー』のゲームモードをはじめ、登場キャラクターとそれぞれの技などを紹介する入門ビデオ的な内容。ナレーションどうも伊集院光さんのようです。途中にはやたらと実写のクオリティの高い『ファイナルファイト2』のCM映像も含まれています。
MD/GG『モータルコンバットII』
1994、MIDWAY
VHSテープのキャプチャを始めるきっかけとなったプロモーションビデオ。“ソフマップオリジナル” と記載されているので、ソフマップが独自に制作したのでしょうか(一部シーンは元々海外向けのもの)。日本語のナレーション付きです。この頃は日本でも『Mortal Kombat』シリーズが発売されていたのに今は……。
Vジャンプ Vフェス'94ビデオ
1994年/集英社
1994年に行われた集英社主催の「Vジャンプ フェスティバル」のまとめ的映像。堀井雄二氏や坂口博信氏など名だたるクリエイターが続々登場し、『ドラゴンクエストVI』『ブレス オブ ファイアII』『幻想水滸伝』『クロノ・トリガー』などの新作を紹介しています。初代プレイステーションもまだ“次世代ゲーム機”の時代。
TOP SECRET VIDEO PLAYSTATION
1994年/ソニー
初代プレイステーションの発売に向けて様々なゲームを紹介。ナビゲーターはゲームクリエイター・小説家の渡辺浩弐氏と、「恋しさと せつなさと 心強さと」あたりの篠原涼子さんが務めています。
'94年夏のアスキー新作ソフト
1994年/アスキー
『ダウン・ザ・ワールド』『ウィザップ!』『サンリオ上海』の3本立て。店頭用ビデオなので約9分の映像を繰り返しで60分収録しています。今のデジタル映像のように一瞬でループ再生できない時代。
CSG TV-GAME COLLECTION '94 春・夏
1994年
初代プレイステーションの発売が迫る中、1994年はスーパーファミコンの全盛期。その数もさることながら表現力がかなり極まってますね。数年前までは誰もが知っていたお昼の番組「笑っていいとも!」の1コーナーもゲーム化されました。
Vジャンプ特別編集『ファイナルファンタジーVI』オリジナルビデオ
1994年/集英社
スクウェア全面協力による『ファイナルファンタジーVI』紹介ビデオで、ゲームプレイシーンとともに登場する11人のキャラクターのプロフィールなどが収録。オペラ劇場のシーンでは何故か開発スタッフの大合唱シーンが。
バンプレスト 受注用ビデオ
1995年/バンプレスト
スーパーファミコン用ソフト『ザ・グレイトバトルV』 と『ファーランドストーリー2』の紹介映像を収録。ゲームの舞台設定や登場キャラクター、ゲームプレイなどが解説されています。
AC 『MARVEL SUPER HEROES』
1995年/カプコン
対戦格闘ゲーム『MARVEL SUPER HEROES』の紹介ビデオ。ナレーションによる解説は無いものの、ゲームシステムや登場キャラクターのファイトスタイルをプレイ映像でたっぷり見せています。
AC 『ストリートファイター ZERO2』プロモーションビデオ
1995年/カプコン
対戦格闘ゲーム『ストリートファイター ZERO2』の紹介ビデオ。新システムのオリジナルコンボや、新たに登場するキャラクターのプレイが披露されています。後半には3D対戦格闘ゲーム『スターグラディエイター. EPISODE:I FINAL CRUSADE』の紹介も。
AC 『スターグラディエイター2 ―ナイトメア オブ ビルシュタイン―』
1995年/カプコン
3D対戦格闘ゲーム『スターグラディエイター2 ナイトメア オブ ビルシュタイン 』のゲームシステムや、様々な登場キャラクターをたっぷりのゲームプレイ映像で紹介。
AC 『ストリートファイター ZERO3』PROMOTION VIDEOGRAM
1995年/カプコン
対戦格闘ゲーム『ストリートファイター ZERO3』の新たな登場キャラクターや新システム「ISM」を紹介。後半には同じく対戦格闘ゲームの『超鋼戦紀キカイオー』のオープニングや予告映像が収められています。
CFC STYLE VIDEO Vol.1 '96 MAY
1996年/カプコン
カプコンのファンクラブ「カプコンフレンドリークラブ」の会員向けに配布されたビデオの第1号。ゲームを開発する各部署の紹介やカプコン初の3D対戦型アクションゲーム『スターグラディエイター』のプロモーション映像、東宝と制作した特撮「七星闘神ガイファード」の予告編などが収録されています。公式サイトもこの頃に開設(デザインが懐かしい)。
CFC STYLE VIDEO Vol.2 '96 SEPTEMBER
1996年/カプコン
カプコンファンクラブ「カプコンフレンドリークラブ」会員向けビデオの第2号。『ストリートファイターZERO2』のCMメイキングや「東京ゲームショウ '96」でのカプコンブースレポート、アーケードゲーム新作情報などが収録されています。ちなみに「東京ゲームショウ」はこの年が初開催。また、『バイオハザード2』の予告映像も収められていますが、後に『バイオハザード1.5』と呼ばれる開発中止版でした。
CFC STYLE VIDEO Vol.3 '96 DECEMBER
1996年/カプコン
カプコンファンクラブ「カプコンフレンドリークラブ」会員向けビデオの第3号。『ロックマン バトル&チェイス』や『ストリートファイターEX』などの新作情報やCM映像集などが収録されています。第2号と同じく開発中止版の『バイオハザード2』の映像も。
CFC STYLE VIDEO Vol.4 '97 APRIL
1997年/カプコン
カプコンファンクラブ「カプコンフレンドリークラブ」会員向けビデオの第4号。最新ゲーム情報はもちろん、1周年を記念して三上真司氏、稲船敬二氏、船水紀孝氏、安田朗(あきまん)氏、岡本吉起氏らから集めた様々なグッズをプレゼントする企画を実施しています。なお、『MARVEL SUPER HEROES VS. STREET FIGHTER』の紹介ではテレビ番組の企画でとんねるずの木梨憲武さんがデザインしたキャラクター“憲磨呂”の完成が伝えられています。
CFC STYLE VIDEO Vol.5 '97 AUGUST
1997年/カプコン
カプコンファンクラブ「カプコンフレンドリークラブ」会員向けビデオの第5号。『ストリートファイターIII 2nd IMPACT -GIANT ATTACK-』や『ポケットファイター』『私立ジャスティス学園 LEGION OF HEROES』『ヴァンパイア セイヴァー』『MARVEL SUPER HEROES VS. STREET FIGHTER』など当時の格ゲー人気かうかがえるラインナップです。その他には『ロックマン』シリーズ10周年に関連した情報が紹介されています。
CFC STYLE VIDEO Vol.6 '97 DECEMBER
1997年/カプコン
カプコンファンクラブ「カプコンフレンドリークラブ」会員向けビデオの第6号。10周年を迎えた『ロックマン』を中心とした内容となっており、『ロックマン&フォルテ』も発表されたイベント「ロックマン大大博覧会」の様子が紹介されています。また、後半ではゾンビ映画の巨匠ジョージ・A・ロメロ監督が手がけた『バイオハザード2』CMのメイキングを収録。
アスキー通信 '97 -SPRING-
1997年/アスキー
『ダービースタリオン』『火星物語』『MOON』。『シミュレーションRPGツクール』などアスキーの新作ゲームを紹介。周辺機器が沢山あるのがアスキーらしい。最後には恋愛シミュレーションゲーム『トゥルー・ラブストーリー』のオリジナルアニメーションも収録。
Midway ROCKS THE HOUSE
1997年/MIDWAY
トイザらスが配布したMidwayのゲームを紹介するプロモーションビデオ。収録時間の大半を占める『Mortal Kombat Mythologies: Sub-Zero』のプロモーション映像やメイキング映像が欲しくて海外から取り寄せました。
CFC STYLE VIDEO Vol.7
1998年/カプコン
カプコンファンクラブ「カプコンフレンドリークラブ」会員向けビデオの第7号。プレイステーションおよびセガサターン向けを中心とした新作ゲームが紹介されています。『MARVEL VS. CAPCOM CLASH OF SUPER HEROES』のタッグチームに名前をつける企画では、エントリーした人の会員番号とフルネームが出ちゃってるのが時代ですね。
いかがでしたでしょうか。「懐かしい!」と思う人もいれば「何これ!」と思う人もいたかもしれません。こうした販促ビデオは個人的にはネットにも転がっていない、あったとしても綺麗な映像が残っていないものが見つかると興奮しますね。映像すべてをお見せできないのが残念ですが、こんな時代もあったのだと少しでも感じられたのなら幸いです。
一部の世代にだけ刺さるおまけ
銀狼怪奇ファイル [全5巻](1996年)
再放送もDVD化もされないでお馴染みのドラマ。今見ると滅茶苦茶な設定も多いものの当時は夢中になって見たものです。とんでもない速さで画面が明滅するシーンがあるので直視したら体調崩しそう(恐らく再放送・DVD化不可の理由の1つ)。
伝説の教師 [全5巻](2000年)
松本人志さんの最初で最後の主演ドラマ。W主演の中居正広さんと毎話アドリブのようなシーンがあり話題になりました。“いじめられっ子当番制”など今では炎上しそうな要素もあって、前述の「銀狼怪奇ファイル」と同様に今後再放送・DVD化されることはないでしょう。