Activision Blizzardは11月9日、『Call of Duty: Modern Warfare III(コールオブデューティ モダン・ウォーフェア III)』の発売に合わせて、チート対策システム「RICOCHET Anti-Cheat」と機械学習の組み合わせによる、より強力かつスピーディな対応を公式ブログにて発表しました。
「RICOCHET Anti-Cheat」は『CoD』における根深い不正行為を根絶する目的で開発され、2021年発売の『コール オブ デューティ ヴァンガード』で初実装されたシステムで、今回の機械学習との組み合わせにより進化するのは、以下の3点に関する“速度と精度の向上”としています。
・クライアントとサーバーのデータを調べ新たなチート行為の発見
・異常な動作を検証するためにセキュリティチャレンジ(本人確認を求める質問)の発行
・アクションに向けて問題のアカウントを収集および照合
例えば、リプレイ調査ツールは「RICOCHET Anti-Cheat」が持つ機能の1つで、ゲームプレイデータをキャプチャし問題行動が無いか後からレビューできるもので、TeamRICOCHETのメンバーは平均して1日に700件のリプレイクリップをレビュー可能でした。これを機械学習と組み合わせれば、ゲーム内で発見するのが難しいウォールハッキングなどの不審な行為を特定するようにトレーニングし、さらに1台のPCで1日あたり最大1,000個のクリップをレビューでき、その数は飛躍的に増加します。
また、チート利用者に対するゲーム内の対策「Disarm」「Damage Shield」「Cloaking」に加え、新機能「Splat」が登場。「Splat」は不正行為者が発見された場合ランダムにパラシュートを無効にし、10,000フィートの高さから落下させプレイヤーを瞬時に倒します。ただし、プレイヤーが違反を報告しただけで有効になることはなく、ゲームクライアントが誤って有効にすることもありません。
『CoD』スタッフいわく、「ゲームに侵入するチーターを困らせるのは楽しいですが、私たちの目的は、彼らが試合に近づかないようにすることです」機械学習はチームと連携して違反アカウントを決定するための情報を提供しますが、システムがアカウントに対するBANを実行することはないとのことです。
マルチプレイゲームの性質上、システム (サーバー) がユーザーのPC (クライアント) と情報を交換してアクションを実行するため、チーターは対応策が取られると常に新たな解決策とチャンスをうかがうイタチごっことなります。しかし、ゲームコードの分析を困難にする新しい難読化技術に常に取り組み、機械学習を使用してそれらのプロセスを強化して、継続的な戦いに全力で取り組むと述べています。
『Call of Duty: Modern Warfare III』は、PC(Steam/Battle.net)/PS5/PS4/Xbox Series X|S/Xbox One向けに発売中です。