さまざまなドラマを産んだ今年の日本競技シーン「VALORANT Challengers Japan」は、Split 1のCrazy Raccoonリーグ無敗から始まったと言っても過言ではありません。圧倒的な強さで完璧な試合を魅せました。
ところが、Split 1プレイオフでは決勝でFENNELに破れて2位。Split 2でもFENNELに敗北しオフラインへの道を絶たれ4位という結果に終わりました。その中でも、makiba選手は2022年12月にrion選手のプレイヤー引退と入れ替わる形で加入。コントローラーとしてチームを支えました。
そして、makiba選手は9月16日-17日に幕張メッセで開催された「RAGE VALORANT 2023」のDay2に出演。豪華なプロプレイヤーと共にエキシビションマッチに挑んだり、チームブースではファンと交流したりしました。
本稿では、そんなイベント後に実施したインタビューの模様をお届けします。イベントの感想や2023年の振り返りなどを語ってもらいました。
――イベントお疲れ様でした。「RAGE VALORANT 2023」はいかがでしたか?
makiba:プロゲーマーは顔を合わせて直接会うことがあまりないので、いろんなプロと話せて良かったです。あとはファンの方を見て「本当にいるんだなあ」と実感できて、嬉しかったですね。
――出演していたプロのなかで印象に残った方などいますか?
makiba:やっぱりTenZ選手ですね。「この人には勝てないな」と思ってしまうほどでした。
◆リーグ無敗から学ぶ“勝ち続ける”ことの難しさ
――改めて今年のVALORANT Challengers Japanを振り返ってみていかがですか?
makiba:今年のChallengersは体調を崩してしまったことを含め、自分にとって一番最悪の年だったと思います。今年得た経験を活かしていきたいです。
Split 1が始まった頃は、まだチームのポテンシャルが未知数でした。でも実際始まってみると想像以上に勝つことができました。ただSplit 2では結果が出せず、申し訳ない気持ちがあります。周りのチームが成長していることを感じましたね。
――周りの成長と自分たちの成長の齟齬は、実際に感じるところがありましたか。
makiba:『VALORANT』は運要素もややあったりしつつ、少しのミスでひっくり返ってしまうので、どんどんと新しいことをやっていく必要を感じました。僕としては既存のものを学ぶことができたのが大きな収穫だったと思います。
――今年はやはり、Split 1のリーグ無敗が印象的でした。
makiba:間違いなく2023年のどこかで「Crazy Raccoonが最強」という流れがあったと思います。でもそれを維持するのはとても難しかったですね。トップを取ってから、また先に進まないといけないのはとても難しいです。
――『VALORANT』において「勝ち続ける」ことは、世界に目を向けてもあまり見られないことでした。どのようなことが必要なんでしょうか。
makiba:新しいことをどんどんし続けることが、やっぱり一番大事でしょうか。でも“新しいこと”とは言うなれば“逆張り”みたいなものでもあるので、リスクでもあります。バインドのヨルとかもそうだと思います。
――新しいことを作っていくために、どのようなものがあれば理想だと思いますか?
makiba:筋肉とエイムだと思います。撃ち合いが強ければ作戦はシンプルでも良いです。ただそんなプレイヤーはいないので、撃ち合いに負けたあとのプランを考えられることが大事だと思います。
◆来年はまず“健康第一”
――ちなみに、来年のことでお話しできることはあったりしますか?
makiba:自分からは言いにくいですね。負けてしまうと変えなきゃいけないところがどうしてもあるので、チームはガラリと変わっていると思います。
――では来年の抱負を教えてください。
makiba:そうですね、まずは健康第一で頑張ります!
――最後にファンへメッセージをいただけますか?
makiba:一年間応援ありがとうございました。来年はどうなるかわかりませんが、これからも応援していただけると、めちゃくちゃ嬉しいです。よろしくお願いします。
――ありがとうございました!
誰もが認めるパーフェクトな状態だったCrazy Raccoonは、勝ち続けること、新しいことを生み出し続けることの難しさに直面していたようです。Crazy Raccoonとmakiba選手の今後は、未だに明かされていません。