さまざまなジャンルがあるeスポーツを語るうえで、近年特に人気を集めているのが『VALORANT』の「VALORANT Champions Tour」や『Apex Legends』の「Apex Legends Global Series」といったFPSタイトルです。国内ではドコモが運営するeスポーツブランド「X-MOMENT」が『レインボーシックス シージ』の国内リーグを手掛けるなど、FPSというジャンルは着実に存在感を示しています。
では実際にそのようなFPSタイトルにおいて、どのようなチームが支持を得て、実績をあげているのか、本稿では今注目を集める国外のeスポーツチームを10チームご紹介します。
100 Thieves
100Tの愛称で親しまれる100 Thievesは、ロサンゼルスを拠点に活動するチーム。『VALORANT』の国際リーグや、LA Thievesとして「Call of Duty League」などに参加しているほか、『Apex Legends』や『CS:GO』などFPSにおいて多くの部門を抱えています。
また、ライフスタイルブランドとしてアパレルを展開しているのも特徴的です。過去にはグッチ(Gucci)やアニメ「呪術廻戦」「進撃の巨人」などとコラボレーションした製品を販売しています。更に近年はゲーム制作専用のスタジオを設立しています。
TSM
アメリカを中心に活動するTSM(Team SoloMid)は、チームの創設当時『リーグ・オブ・レジェンド』や『Vainglory』など、MOBAを中心に活動していました。現在では『Apex Legends』や『レインボーシックス シージ』(現在は解散済み)、『VALORANT』とFPSでも活躍。中でも『Apex Legends』では、「ALGS Year 3 Championship」で優勝を収めました。
また、日本向けのXアカウントの積極的な情報発信やVTuber 渋谷ハルさんの加入など、日本展開も熱心に行っています。
NRG Esports
サンフランシスコを拠点に活動するNRG Esportsは、アメリカでも屈指の人気を誇るチーム。『VALORANT』では国際リーグに、「Overwatch League」ではサンフランシスコ・ショック(San Francisco Shock)として参加しているほか、『Apex Legends』も部門を保持しています。『VALORANT』部門はかつての強豪「OpTic Gaming」のメンバーを複数人獲得したことで話題を呼びました。
FaZe Clan
ロサンゼルスを拠点に活動するFaZeは、『CS:GO』や『レインボーシックス シージ』で活動する世界的なチームです。2021年10月にはNASDAQへ上場したほか、2022年3月にはヒップホップスターとして知られる著名ラッパー「スヌープ・ドッグ」が取締役として参加(現在は解任済み)。乗りに乗っていると思いきや、2023年1月に同社の株価は1ドルを下回り、現在は上場廃止の危機に瀕しています。
FNATIC
イギリス・ロンドンを拠点に日本を含む複数の国と地域で活躍する、言わずと知れた人気チーム。『VALORANT』部門は2023年に国際大会で前人未到の2度連続優勝し、キャプテンのBoaster選手を中心に国内のファンも多いのが特徴的です。
また、『レインボーシックス シージ』と『Apex Legends』では日本人ロスターを獲得。後者はチームBKGKのメンバーをそのまま獲得し、当時話題を呼びました。
G2 Esports
ドイツのベルリンに拠点を置くチーム。MOBAをはじめ『VALORANT』や『CS:GO』、『レインボーシックス シージ』部門を持ちます。特に『レインボーシックス シージ』ではレジェンドプレイヤーPengu選手を筆頭に国際大会を総なめし、一時代を築きました。
NAVI(Natus Vincere)
ウクライナ・キーウに拠点を置くチーム。チーム名はラテン語で「勝利のために生まれてきた」を意味します。『VALORANT』や『CS:GO』、『PUBG: BATTLEGROUNDS』を保持しています。『CS:GO』では多くの優勝経験がある強豪チームとして知られ、「史上最も優秀なプレイヤーのひとり」と評されるs1mple選手も所属しています。なお、『クラッシュ・オブ・クラン (Clash of Clans)』部門は日本人ロスターで構成されています。
Team Liquid
オランダで生まれ、現在はユトレヒト、ロサンゼルス、サンパウロなど世界中で活躍するグローバルチーム。『ストリートファイター』や『大乱闘スマッシュブラザーズ』など、対戦格闘ゲームのイメージが強いTeam Liquidですが、『VALORANT』や『CS:GO』、『レインボーシックス シージ』部門を保持しています。
また、2023年5月にはブラジル・サンパウロに13階建てのeスポーツ施設「Alienware Training Facility」を作りました。
Gen.G esports
Gen.G esportsは、2017年の設立からはKSV eSportsの名前で活動し、2018年にリブランディングを実施した、ロサンゼルス、ソウル、上海など世界に複数の拠点を持つチームです。「Overwatch League」ではソウル・ダイナスティの名で知られるほか、『PUBG: BATTLEGROUNDS』部門を有しています。
『VALORANT』部門では、かつて日本の『NORTHEPTION』で活躍した韓国人選手Meteorが在籍。日本チームも属するPacific地域の一角を担っています。
KRÜ esports
アルゼンチンを拠点とするKRÜ esportsは、2021年に現役を退いたサッカー選手、セルヒオ・アグエロが創設したチームです。『VALORANT』部門とその女性部門「VISA KRÜ BLAZE」のほか、『ロケットリーグ』部門の3つのみと、チームメンバーの数自体は少ないものの、Disney+(ディズニープラス)や、VISA、プーマ(PUMA)など、巨大なスポンサーに支えられています。
『VALORANT』部門は世界大会の常連であり、競技シーン「VALORANT Champions Tour」の創設以来、ほぼ全ての大会に出場しています。2023年の「VALORANT Champions 2023」では、アグエロが試合を見に来たことも話題を呼びました。