アメリカ・ロサンゼルスで『VALORANT』年間王者を決める国際大会「VALORANT Champions 2023」が開催中です。プレイオフも大詰めに差し掛かったDay12では、Upper Bracket準決勝にて昨年のChampions王者「LOUD」がPacific1位の「Paper Rex(PRX)」と対決し、マップスコア2-1でPRXが勝利しました。
LOUDはこの敗北によってLower Bracketに落とされ、翌Day13にて中国・EDward Gaming(EDG)と戦うことになりました。
本稿では、PRX戦後に実施したSaadhak選手へのインタビューの模様をお届けします。PRXへ抱いた印象と対策、AMERICASリーグでのIGL変更などを伺いました。
◆PRXの戦い方は“新鮮”
――試合お疲れ様でした。試合を振り返っていかがですか?
Saadhak:難しい試合だったよ。PRXのプレイスタイルは独特だから、最初のマップでは慣れるのに時間がかかってしまったね。スプリット(2ndマップ)では慣れたおかげで大差をつけて勝ったけど、パール(3rdマップ)では彼らが戦い方を変えてきてまた困惑していたよ。結果的にはPRXが勝ったけど、僕らにとっても良い試合だったと思うよ。
――そのスプリットでは、13-2と大きな差をつけて勝利することができました。どのような要因があったと思いますか?
Saadhak:KRÜ対PRXの試合を何度も観て、彼らの戦術を把握していたんだ。いくつか想定外のプレイがあったけど、大まかな流れは把握していたので焦らず戦うことができたんだ。
――PRXにはどのような準備をして挑みましたか?特に警戒していたプレイヤーはいますか?
Saadhak:PRXは5人全員が強いので、PRX戦に向けては、まずメンタル面での準備をしていたんだ。PRXはノンストップで攻めてくるから、激しいせめぎ合いになると想像していた。だからできるだけ落ち着いて戦えるように準備していたんだ。
――次戦はEDGとの対戦です。どのように臨みますか?
Saadhak:EDGはこの大会を通して、ZmjjKKだけじゃなく全員が強いことを証明していると思う。彼らの強気なプレイスタイルは、今回のPRXと似ている部分もあるけど、PRXよりも一人で戦いに挑む傾向が強いんじゃないかな。僕らも今回のようにメンタル面での準備をしながら練習して次戦に備えるよ。
◆リーグでIGLをLessに変えたワケ
――LOUDは毎試合多くの歓声が客席から飛んでいます。どのように感じていますか?
Saadhak:正直に言うと、応援は耳に入れないようにしているんだ。というのも、僕らへの応援より、敵チームへの応援のほうがいつも多いからね。ロサンゼルスでは、ブラジルチームへの応援は他会場より少ないんじゃないかな。でも私たちを応援してくれる声があるのはとても嬉しく思うよ。
――そんなことありません。LOUDへは毎回熱狂的なファンが注目を集めていますよ。
Saadhak:それなら良かったよ(笑)。特に応援されるチームがアンバランスな感じがするけどね(笑)
――Americasリーグでは一時的にIGLをLess選手に変更したと耳にしました。どのような理由があったのでしょう。
Saadhak:リーグの途中ではなくファイナルでLessに変えたんだ。ファイナルの相手は僕のコールを把握していたから、LessをIGLにして奇襲してやったんだ。Lessは元から僕のコールを助けてくれていたので不安はなかったね。
――今はSaadhak選手に戻っているんですね?
Saadhak:そうだね。でもLessがサポートしてくれる体制は残ってるよ。このChampionsでも彼がずっと支えてくれているんだ。
――今残っているベスト6のチームのなかで、注目しているチームはいますか?
Saadhak:今日戦ったけどPRXかな。彼らのプレイスタイルは新鮮だよ。僕のチームもFNATICも、戦術に重きを置いたスタイルだけど、PRXは火力特化のスタイルなんだ。彼らの試合は観るのも楽しいし、今回のように実際に戦ってみるともっと楽しかったよ。EDGもRPXに似たアグレッシブなプレイスタイルだから、とても楽しいね。
――では最後に日本のファンにメッセージをいただけますか?
Saadhak:日本の皆さん、ありがとうございます!「(日本語で)ありがとう」だよね?今大会で僕らの試合を楽しんでもらえていたら嬉しいよ。
このインタビューの翌日、LOUDはEDGに勝利。ベスト4へ駒を進めました。Champions2連覇とFNATICのグランドスラムを阻止することができるのか、まだまだChampionsは終わりません。