ロシア国営メディアのタス通信社は、現地時間8月7日『Metro Exodus』を始めとするゲーム『メトロ』シリーズの原作小説著者ドミトリー・グルホフスキー氏に対し、モスクワのバスマニー裁判所より軍に関する虚偽情報を広めた罪で懲役8年の実刑判決が下されたと報じました。
グルホフスキー氏本人は国外に滞在中で被告人不在裁判での判決
グルホフスキー氏は以前より戦争への反対を積極的に表明しており、2022年6月には逮捕命令と指名手配の対象となっていました。一方でグルホフスキー氏は2022年4月時点でロシア国外に滞在しており、現在までその身柄は確保されていない模様で、裁判は被告人不在で行われたものとなっています。
タス通信社の記事によると、グルホフスキー氏による2022年3月10日から5月10日までのSNS投稿に、ロシア軍による意図的な戦争犯罪の証拠と称する捏造された文章や映像があったとしています。また、タス通信社が裁判所から受けた説明では、グルホフスキー氏は懲役に加え、インターネットを含む電子ネットワークまたは情報通信ネットワークサイトの管理活動に関する権利を4年間剥奪されるとのことです。
アーティストにまで広がる弾圧にロシアの行く末はどうなってしまうのか…
2022年10月にはロシア軍からグルホフスキー氏に対し“外国工作員”とのレッテルが貼られるなど、過激な弾圧が続いていますが、当のグルホフスキー氏は判決直後、インスタグラムにて、「捕まってないし、犯罪者じゃない;)」と自身の無事を表明しています。一方で、演劇監督のエフゲニヤ・ベルコビッチ氏が実際に逮捕されるなどの事例もあり、グルホフスキー氏も「創造的なアーティストが政治活動家やフリージャーナリストとともに標的にされ、恐ろしい懲役刑に直面している。」と懸念を見せています。ウクライナへの侵攻開始からますます独裁的な方向へ歩みを進めるロシアの行く末は一体どうなるのでしょうか。