ターン制コマンドRPGは“古臭い”のか?主流から外れた今こそ、その良さをもう一度考える

かつて、RPGと言えばコマンド式ターン制が主流でしたが、ゲームハードの進化と共にその数は減りつつあります。コマンド式ターン制はもはや時代遅れなのでしょうか?

コミュニティ コラム
ターン制コマンドRPGは“古臭い”のか?主流から外れた今こそ、その良さをもう一度考える
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『FINAL FANTASY XVI』はスピード感のあるド派手なアクションがウリになっている(FINAL FANTASY XVI 公式サイトより)

かつて、RPGといえば『ドラゴンクエスト』シリーズに代表されるような、コマンド式のターン制RPGが一般的でした。その後、ゲームハードの進化とともに様々な形のRPGが登場し、今やコマンド式のターン制RPGは珍しいものになりつつあります。

直近を振り返ると、2023年6月22日に発売を迎えた『ファイナルファンタジー』シリーズ最新作、『FINAL FANTASY XVI(ファイナルファンタジー16)』は、スピーディーかつド派手な技の攻防が楽しめるアクションRPGというシステムを採用。その理由についてプロデューサーの吉田直樹氏は、アクションゲームが盛り上がっていることと、ボタンを押したらすぐに反応してキャラクターが動くことが当たり前になっている世代がいることを挙げています。(参考:IGN Japan 「誰もが楽しめるアクションとしてのFF」に至るまでの道のりとは?『ファイナルファンタジーXVI』開発者インタビュー

確かに、2022年には“死にゲー”とも称される高難度アクションRPG『エルデンリング』が世界中で大人気となりました。また、コマンドRPGであっても、『ゼノブレイド3』のようなリアルタイムに戦闘が進む作品も増えています。

もしかすると、コマンド式ターン制RPGはもう“古臭い”のかもしれません。しかし、コマンド式ターン制RPGにも、アクションRPGやリアルタイムバトルとはまた違った良さがあると筆者は感じています。もう一度コマンド式ターン制RPGの良さについて、考えてみたいと思います。

◆“じっくり考えられる”という点が、コマンド式ターン制RPG最大のメリット

ひとりひとりの仲間にいっぺんに指示が出せる(ニンテンドーストアより)

かつて、初代『ドラゴンクエスト』を遊んだ少年達は、その続編である『ドラゴンクエストII 悪霊の神々』において、複数のキャラクターでパーティが組めることに衝撃を受けました。ローレシアの王子は「たたかう」、サマルトリアの王子はベギラマを、ムーンブルクの王女は回復というようにそれぞれの役割に応じた指示が出せるのは、コマンド式ターン制RPGの大きな醍醐味です。

コマンド式ターン制RPGは、コマンドを選んでいる間に時間が停止するため、プレイヤーは多くの選択肢からじっくりと戦略を選ぶことが可能になります。

一方で、(例えコマンド式であったとしても)リアルタイムで目まぐるしくパーティーメンバーが動くようなゲームであると、操作は忙しくなりがち。仲間の一部操作はAI操作にお任せしちゃうなど、戦闘の全てをコントロールするのは難しくなってきます。もう少し踏み込んで考えると、リアルタイム要素のあるゲームでは操作難度の問題や瞬時に判断を下すという都合上、ゲームデザインの中でプレイヤーができることをある程度狭める必要があるともいえます。

もちろん、リアルタイムバトルにはそれ特有の面白さやゲーム性があるため、どちらが優れているかというのはタイトルやプレイヤーの好みによって異なります。重要なのは、両者にはそれぞれ、別の面白さがあるということです。

コマンド式ターン制RPGだがバトルの評価が高い『オクトパストラベラーII』(『オクトパストラベラーII 』公式Twitterより)

時間が止まるからこそじっくり考える余地が生まれ、すべての仲間キャラクターに対して神の目線で指示が出せる。コマンド式ターン制RPG最大のメリットは、多彩な戦略を実現しやすく、プレイヤーの介入度が高くなることではないでしょうか。戦闘に勝つも負けるも、全てはプレイヤー自身の決定次第。だからこそ手応えがあり、勝利したときの喜びも大きい戦闘が楽しめるのです。

時代にあわせて、新たなゲームの形が増えるのは望ましいことです。冒頭にお話しした『FINAL FANTASY XVI』も、新たな『ファイナルファンタジー』として多くの人が楽しんでいることでしょう。だからと言って、昔からあったものが必ずしも陳腐化していくわけでもありません。

2023年においても、『オクトパストラベラー2』はコマンド式のターン制RPGを採用し、高い評価を得ています。今後も戦略的で手ごたえのあるコマンド式ターン制RPGが出ることに期待したいですね。




《田下広夢@インサイド》
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