ZETAにとってスプリットは「自信のあるマップ」だった―PRXの強さやヴァイパーの使用感をTENNN選手に訊く【インタビュー】

ZETA DIVISION・TENNN選手にインタビューを実施。スプリットで見せるヴァイパーへの手応えや、リーグ終盤ならではの感じ方などを伺いました。

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ZETAにとってスプリットは「自信のあるマップ」だった―PRXの強さやヴァイパーの使用感をTENNN選手に訊く【インタビュー】
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『VALORANT』のインターナショナルリーグ「VALORANT Champions Tour 2023: Pacific League」のWeek7にて、日本代表「ZETA DIVISION(ZETA)」はシンガポールの強豪「Paper Rex(PRX)」に対してマップスコア0-2で敗北(1stマップ:スプリット6-13・2ndマップ:アセント10-13)しました。

PRXはこの勝利によってリーグでの勝敗が5勝2敗。DRXに続いて単独2位という結果になりました。ZETAはMasters Tokyoへ続く道であるプレイオフ確定まであと一勝という状況が、来週まで持ち越しといった形に。

そんななか今回は、残る「T1」「Gen.G」戦への緊張感が高まるZETAから「TENNN」選手にインタビューを実施。スプリットで見せるヴァイパーへの手応えや、リーグ終盤ならではの心持ちについて伺いました。

◆準備してきたものを発揮する前に破壊された

――本日の試合お疲れ様でした。率直な感想をお願いします。

TENNN:相手が強かった...って感じですね。

――重要な戦いが続きますが、どのような気持ちで試合に臨みましたか。

TENNN:もちろん「勝つ」という気持ちで戦っていました。「とにかくプレイオフへ進むことに集中しなければ」と「2位で通過したい」という2つの思いがありましたね。

――PRXが仕掛けてくることは、おおよそイメージできていたのでしょうか。

TENNN:そうですね。とにかく撃ち合ってくる相手で、他のチームではありえないくらい詰めてくる動きをしてきます。それが大会という場だと音の聞こえ方などを含めてすごく強くて、対応できなかったですね。

――どのような対策を練って挑まれたのでしょうか?

TENNN:シンプルに撃ち合いで解決するか、事前に決めているセットを押しつけるかでした。しかし、それすらさせてもらえませんでしたね。

――PRXは個々のフィジカルの強いチームとして知られていますが、そのような部分でプレッシャーは感じましたか?

TENNN:総合的なプレッシャーはありませんでしたが、撃ち合いがめちゃくちゃ重要になることはわかっていたので、その部分に関してはプレッシャーはあったかもしれません。

――PRX側はロースターの変化もめまぐるしいですが、そういったやりにくさはあるんでしょうか。

TENNN:選手が変わってもやってることのコンセプト自体は変わらないので、あまりやりにくさは感じないですね。

――押され気味の試合展開で、メンタル的な負担も大きかったと思います。

TENNN:今日はアセントでやらかしたシーンが多くて、前の試合よりはメンタルに来てますね。でもまぁ、終わってしまったことなので次で勝てば良いと思っています。

◆TENNN「自身のヴァイパーは“まだまだ”」

――スプリットは2度目のプレイでしたが、完成度はどのような印象でしょうか。

TENNN:練習の段階では2~3番目くらい自信のあるマップでした。今回は半分くらいのラウンドが撃ち合いで終わってしまって、決めていたことが全然できませんでした。ミクロの部分で破壊されちゃいましたね。

――ロールがセンチネルになってから試合を重ねましたが、センチネルとしてのチームへのフィット感を、自身でどのように捉えていますか?

TENNN:キルジョイは前のチームから使っていたこともあって、大会を通して立ち回りなど良くなっていると思います。むしろコントローラーのヴァイパーに関してはまだまだで、海外のヴァイパー使いには追いつけてないですね。プレイオフまでにはそれに追いつけるくらい上手くなりたいです。

――どういったところで差を感じますか。

TENNN:ガスの管理やポイズンクラウドの回収などですね。特にSugarZ3roはとても上手いんですが、僕はまだまだ使い慣れてないと感じますね。

――ダブルコントローラー採用の際は、もうひとりのスモーク使いであるSugarZ3roさんと特別なコミュニケーションがあったりしますか?

TENNN:特にはないですね。自分のやりたいようにやってます。

――キルジョイの動きは良くなってきているとのことですが、センチネルとして“生き残らなければならない”ことへのもどかしさはありませんか。

TENNN:前の僕を見ていた人はわかると思うんですが、元々はめちゃくちゃ前に行くプレイヤーだったんです。壁の前でずっと撃ち合う準備はしてたりするんですよ、けどなるべく行かないように、必要に応じて出るときは出るよ、という感じでやってますね。

――リーグも終盤ですが、キルジョイという立場で「やることがバレているな」と感じる場面などあるのでしょうか。

TENNN:ありますね。僕が置いているナノスワームの位置がほとんどバレていて、起動する前に壊されるシーンが多いです。どのチームもやっぱり(相手の試合を)見ているんだなと実感しますね。

――最後に次戦への意気込みをお聞かせください。

TENNN:あと一勝でプレイオフに行けるので、絶対勝ちます。いつも応援ありがとうございます。


自信のあるマップとして事前に多くの準備を積んでいたものの、残念ながら今回はそれを実行する前段階でPRXに破壊されてしまった試合に。着実な成長を遂げてきたZETAに対するひとつの壁であり、世界で戦う上では乗り越えなければならないものでもあるでしょう。

ZETA DIVISIONは5月12日に「T1」、14日に「Gen.G」と対戦します。残る2試合の結果によってプレイオフへの進出が決まる……そんな大事な戦いを見逃さないようにしましょう。

《Okano》
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東京在住ゲームメディアライター。プレイレポート・レビュー・コラム・イベント取材・インタビューなどを中心に、コンソールゲーム・PCゲーム・eスポーツについて書きます。好きなモノは『MGS2』と『BF3』と「Official髭男dism」。嫌いなものは湿気とマッチングアプリ。

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