マイクロソフトが今年1月より進めているActivision Blizzardの買収ですが、内部関係者が買収の破談を懸念する状況になっていると海外メディア・New York Postが報じています。
この買収は現在米国、英国、欧州連合の独占禁止法当局が調査中。しかし、買収発表時のActivisionの株価が82ドル以上であったのに対し記事執筆時点では71.10ドルにまで下落しており、買収が成立するかどうかに対し投資家が懐疑的になっているようです。一部関係者やアナリストは、MetaやGoogleといった企業に比べ比較的規制当局との関係が良好だったマイクロソフトが、これほどの厳しい調査を受けることを予想していなかった可能性が高いとコメントしています。
当局で問題とされているのは、マイクロソフトが規制当局やライバルであるソニーに対し提示している約束です。マイクロソフトは以前より買収後も『コール オブ デューティ』をPlayStationなど他のプラットフォーム向けに提供することを公言していますが、法的拘束力を持つ契約はまだ行われていない状態です。
しかし、現地時間11月8日より開始される可能性のある本格的な調査を前に、『コール オブ デューティ』をPlayStation向けに提供し続けることを正式に契約するといった行動的救済など、EU規制当局に対する法的救済措置の提供を拒否したとロイター通信が報じています。
もしこの取引が破談となった場合、マイクロソフトは30億ドルの分割手数料を払わなければならず、独占権の放棄などを拒否するためマイクロソフトが意図的に買収を取り下げた場合、Activision Blizzardが訴訟するリスクも抱えています。
なお、マイクロソフトがNew York Post紙に答えた声明では、プロセスは予想通り進行しており、当初の予定通り取引が完了する見込みであるとの見解を示しました。