インテル、ゲーミング領域への注力として「インテル Blue Community️ Project」をキックオフ…その狙いとは?【イベントレポート】

よりゲーミング領域に注力していくインテル。そのステートメントとして手掛ける「インテル Blue Community️ Project」のキックオフイベントが6月17日に実施されました。同社のキーマン3名が登壇し、大手ゲーム会社からのコメントも届いたその内容をお届けしましょう。

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6月17日にe-Sportsを軸とした総合エンタメ施設「RED°TOKYO TOWER」にてインテルが新たに展開する「インテル Blue Community️ Project」のキックオフイベントが実施されました。

PCでゲームをプレイする環境促進、よりインテルがゲームカテゴリへコミットすることを目的に立ち上がった本プロジェクト。インテル社の重要人物3名により、ゲーミング領域における日本市場の重要性や新たな同社の取り組みについて説明されたほか、大手ゲームメーカーからのメッセージも紹介されたイベントの模様をレポートします。

インテル日本法人社長・鈴木国正氏「PCとゲームの大きな融合が始まる」

まず初めに登壇したのは、インテル株式会社 代表取締役社長の鈴木国正氏。本イベントについて「PCとゲームの大きな融合が始まるきっかけ」と期待を込めると、世界の半導体市場の動向について説明されました。

同市場は対前年比で26.2%も成長し、2022年も10%前後の成長を見込んでいます。さらに、コロナ禍の影響でPCの需要が高まっている……すなわち環境変化により、仕事や学習のみならず余暇時間でのPC利用(特にゲーム体験)が増加するなかで、インテルはゲーム業界におけるエコシステムを推進、裾野の拡大に取り組んでいくとのこと。

既に18社のPCメーカーと、13社のゲームメーカーから賛同を得ており、計54ものゲームタイトルが認証済みであると説明を加えると、続いて株式会社カプコン 代表取締役COOの辻本春弘氏からのメッセージ動画が紹介されました。

同動画では、「いずれ到来するであろう、スマホからPCへの潮流に向けて、当社は一層PC拡販に注力してまいります。それにあたる協業パートナーのひとつとしてインテルが挙げられる」と辻本氏。一層ゲーミング領域へ注力するインテルとは、PCゲームのみならずe-Sportsを見据えた展開など様々連携していくと述べました。

インテルにとってゲームは最優先事項

次にディベロッパーリレーションを担当するリッチー・コーパス氏が登壇。まず同氏は、インテル現CEOのパット・ゲルシンガー氏が「ゲーミングはインテルの“トッププライオリティ(最優先事項)”である」と、昨年に語ったことを前置きすると、「ワールドクラス ディベロッパー リレーション プログラム」という開発者向けのソリューションプログラムの柱となる考え方について説明します。

「開発者優先の考え方を育む」「協力して作業ができる関係構築」「マルチプラットフォーム戦略」「エコシステム内継続的サポート」という4つのミッションをもって、開発者をサポートしていくと述べると、そのような取り組みをしているひとりとしてTango Gameworksの三上真司氏からのメッセージも。三上氏はインテルが支援していく市場に関して「非常に特殊だけど広がってほしいマーケット」とコメントしました。

続いてリッチー氏は「(前述のような取り組みの中で)開発されたゲームの紹介を、なるべく多くの市場で紹介していき、"最高のGame Experience" をすべてのインテルプラットフォームで実現します」と宣言。その為に最新のアートテクノロジーを導入していくと加えると、新たなプロダクトについても説明されました。

デモンストレーションに用いられたのはPC版『デス・ストランディング ディレクターズカット』。高解像技術「XeSS」を搭載した「インテル ARC グラフィックス」であれば、よりリッチなゲーム体験が楽しめると話します。その新製品の詳細については、次に登壇したインテル株式会社 第二技術本部 部長 工学博士の安生健一朗氏より解説されました。

ゲーム市場におけるインテルの製品

安生氏はまず、ゲーム市場における「インテル Core プロセッサー」の製品群について紹介します。

現在はハイパフォーマンス・デスクトップPC向けの「第12世代インテル Core デスクトップ・プロセッサー」、ハイパフォーマンス・ノートブックPC向けの「第12世代インテル Core プロセッサー・H/HXシリーズ(インテル Evoプラットフォーム)」、薄型軽量ノートブックPC用の「第12世代インテル Core プロセッサー・P/Uシリーズ(インテル Evoプラットフォーム)」が最新ラインナップで、それぞれ前世代製品よりも大きな性能向上を実現してきました。

なかでもインテル Evoプラットフォームにおいて、新たなイノベーションとして登場したのが「インテル ARC グラフィックス」です。なお、本製品の詳細についてはインタビュー記事で安生氏本人が詳しく解説しているので、そちらをご参照ください。「続々と(インテル ARC グラフィックスが)搭載されたPCが発売されるので、是非ご期待ください」と製品説明を終えると、ステージにはNECパーソナルコンピュータ株式会社 執行役員 商品企画本部長 藤原清幸氏が登壇。

その後のPC市場に大きな影響を与えた16ビットパソコン「PC-9800」シリーズが発売されて40周年という節目を迎えるNECパーソナルコンピュータ。藤原氏は「インテル ARC グラフィックス」を搭載したPC開発に同社も取り組んでいくと述べたうえで、「インテルと密に協業することによって、よりお客様のユーザー体験を高めるとともにPC市場の活性化につなげていきたい」とコメントしました。

最後に安生氏は「インテル Blue Community️ Project」キックオフに合わせて、ゲームユーザーの為のコミュニティサイトRUGs Supported by Intel、ならびに『モンスターハンターライズ:サンブレイク』『VALORANT』を起用した「RUGs Supported by Intel」オープン記念イベント、インテルが現在実施中のキャンペーン情報について紹介されると、発表が濃密に詰まった本イベントは幕を閉じました。


ゲーミング領域支援へ大きく舵を切ったインテル。そして、そのステートメントとして始まった「インテル Blue Community️ Project」。“PCでのゲーム体験”がより素晴らしいものになるような今後の展開に期待しましょう。

《ジュイス内藤》
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