2023年5月13日~14日にかけて幕張メッセで開催された「DreamHack Japan 2023 supported by GALLERIA」。その注目のイベントプログラムのひとつ「LoL The k4sen x DreamHack Japan(以下、The k4sen)」の様子をレポート形式でお届けします。
◆豪華メンバーが揃った第9回「The k4sen」、オフラインイベントとしては第2弾目
1994年に北欧・スウェーデンにて開催された「DreamHack」。元々はBYOC(Bring Your Own Computer)と呼ばれる、参加者がPCを持ち寄って一つの空間でゲームを遊ぶ「LANパーティ」がその始まりとされています。現在はそこから広がり、eスポーツ大会やライブなど、ゲームの総合イベントとして世界各地で行われています。
そんな世界的ゲームイベントで行われたThe k4senは、ストリーマーのk4senさんと所属するZETA DIVISIONの主催によるコミュニティ大会です。この「DreamHack Japan 2023 supported by GALLERIA」では、過去のThe k4senでも特に好評だった『リーグ・オブ・レジェンド(以下、LoL)』を舞台に、人気ストリーマーたちが幕張メッセに集まりました。
実は今回開催されたDreamHackは『LoL』との深い繋がりも。毎年秋に行われている世界大会「League of Legends World Championship(WCS)」の第一回大会は、2011年に開催された「DreamHack Summer 2011」で行われたのです。多くの『LoL』ファンが熱狂するLoL The k4senが本イベントで行われることになったのは、ある意味必然と言えるでしょう。
幕張で激突したのは、主催者のk4sen率いる「Team The SHAK4sen(以下、k4senチーム)」と、スタンミじゃぱん(以下、スタンミ)率いる「Team The SUTANMI(以下、スタンミチーム)」。人気ストリーマーから元プロ・現役プロまで、豪華な面々が一同に集いました。以下がその出場者(敬称略)となります。
・Team The k4sen
TOP:おぼ JG:MOTHER3 MID:葛葉 ADC:釈迦 SUP:k4sen
コーチ:らいじん、JapaneseKoreanUG
マクロコーチ:apaMEN、Awaker(V3 Esports)、ロキ/Roki、Zerost、ThintoN
・Team The SUTANMI
TOP:ta1yo、JG:ボドカ、MID:スタンミじゃぱん、ADC:関優太、SUP:うるか
コーチ:しゃるる、たぬき忍者
マクロコーチ:Evi、Rainbrain、shinmori、ゆとりもやし、Yuki
スタンミチームのリーダーを務めるスタンミさんは、『LoL』のゲーム配信をメインに活動しているにも関わらず、以前に横浜アリーナで開催されたLoL The k4senに出演できなかった人物です。自身もそれを度々ネタにしており、待望のオフラインイベントとなりました。
また今回の大会では、これまでに導入されていたパワーバランス調整のための制限が大きく減らされたことも注目ポイント。事前のスクリム(練習試合)配信や選手それぞれに付いた個人コーチの存在も含めて、お互いのチームが実力を十二分に発揮できる、本気の対決が繰り広げられました。
10日間のスクリムを経て開催された本イベント。序盤から見どころ満載のゲームが繰り広げられる劇的な試合となりました。
◆葛葉が本番でついに覚醒!ボドカ・スタンミのガンクをかわし、息の合った集団戦でk4senチームが勝利。
ステージは、今回のために作成された出場メンバー総出演のOP映像からスタート!
昨年末に横浜アリーナで開催されたLoL The k4senの映像と、それに呼ばれなかったスタンミさんとの対比には客席から笑い声が上がります。
その後、主催者のk4senさんが玉座に座った状態で登場。ブロッコリーを生で食べるという、『LoL』世界的プロプレイヤー・Fakerさんをオマージュしたパフォーマンスで会場を更に沸かせます。そして各チームの選手とコーチ陣の紹介の後、トーナメントピックによるGame1が始まりました。
「ぷるぷると震えが止まらない」というMOTHER3さんやLoLを始めて2ヶ月の関優太さんなど、最初はどの出演者も非常に緊張した面持ちでPCへと向かいます。しかし、さすがは配信者。普段から多くの視聴者をモニター越しに相手しているだけあって、ゲームが始まる頃には全員リラックスして雑談をする様子が見受けられました。
Game1で特に注目されたのは、メンバー紹介で「スタンミじゃぱんをボコボコにします」と豪語していた葛葉さん。スクリムでは実力がありながらも、試合中に調子に乗って負けを呼んでしまうことが多々ありましたが、イベント本番ではまるで別人のようなプレイを見せてくれました。ゆっくりとした立ち上がりとなったGame1で序盤にあまり強く出られない”プラッドミア”を使う葛葉さんですが、敵JG・ボドカさんとMID・スタンミさんの猛攻を上手くかわす度に、会場からは歓声が巻き起こります。
一方で、スタンミチームも奮闘します。MID・BOTでガンクがうまく成功しないなか、TOPのta1yoさんが順調にファームをして成長します。同氏が使用したチャンピオンは”ケイル”。レベルが上がるにつれて徐々に強くなるチャンピオンで、優位に立つk4senチームに迫ります。
そしてゲーム終盤の28分、k4senチームが4体目のドラゴンを狙う最中、ついに両チームが激突しました。
最初に動いたのはk4senチーム。ta1yoさんのケイルを、SUP・k4senのスレッシュが捕まえます。更にJGのMOTHER3さんの”モルデカイザー”が、バーストダメージが強力なスタンミさんのヤスオを冥界に引きずり込んだことで、k4senチームが一気に有利な態勢に。これに対してスタンミチームも応戦しますが次々に討ち取られてしまい、結果ドラゴンソウルを明け渡すことに。ここでの集団戦が決め手となり、Game1は見事k4senチームが制しました。
勝利したk4senチームには賞品として、これまでのLoL The k4senでもお馴染みの巨大トロフィーと、各メンバーへシークレットが贈呈。シークレット賞では「最多キル」に葛葉さん、「現場に最もピッタリ来た人」にミクロコーチのapaMENさん、「楽屋のお菓子を一番食べた人」におぼさんが選ばれ、それぞれに賞品が贈られます。
賞品は前回同様、小道具として作られた『LoL』のアイテムで、その完成度に一同驚愕。じっくりと眺めたり、実際にアイテムを装備してみるなど、普段ゲーム内で見慣れているアイテムを手に楽しんでいる様子でした。
◆k4senさんのシャコがまさかの登場。スタンミチームを翻弄し続けたGame2
敗北したスタンミチームですが、ここでメンバー全員の土下座による再戦申し込みが行われます。元々2試合行う予定ではありましたが、リーダーのスタンミさんの迫真の土下座に会場中が笑いに包まれました。
泣きの一回で始まったGame2は、お互いのチームが最強の構成で挑めるブラインドピックで実施。
この試合では、SUP・k4senさんがピックした”シャコ”が活躍します。透明化や分身といった、極めてトリッキーなスキルを持つこのチャンピオン。4度に渡るリコール阻止で、対面のADC・関さんを翻弄します。リコールを阻止された関さんは、結局歩いて自陣まで帰ることとなりました。k4senさんは4月に行われた「League of Legends The k4sen Weak2」でも、このシャコをピックしてチームを勝利へと導いており、現地で見ていた観客にもその記憶が蘇ったことでしょう。
ADC・釈迦さんが使う”エズリアル”のダメージや、Mother3さんと葛葉さんの息の合った攻撃などで、全体的にk4senチームが優位にゲームを進めていきます。
試合時間30分が経過したエルダードラゴン前。ドラゴンソウルを奪われもう後がないスタンミチームは、なんとか先行してポジションを確保します。しかし、そこに再びk4senさんのシャコが立ち塞がりました。地形を利用して上手く回り込むk4senさんに、前と後ろを囲まれるスタンミチーム。それを見逃さなかった葛葉さんがバーストダメージで関さんを討ち取ると、おぼさん・釈迦さんも一気に入り込み、残るメンバーも撃破していきます。
そのままエルダードラゴンとバロンをしっかりと獲得する冷静なプレイを見せたk4senチーム。その後リスポーンしたスタンミチームを、獲得したバフを活かして着実に倒していき、Game2もk4senチームが勝利を収めました。
「実はブラインドピックにも賞品があります!」とk4senさんが後ろを振り向くと、ステージ後方から赤い布に包まれた賞品が運ばれてきました。k4senさんと釈迦さんが幕を下ろすと、今回のためだけに撮影された「超巨大リー・シン k4sen レンチキュラー」ポスターが登場。
20万円かけて作られたというレンチキュラー印刷が施されたポスター。リー・シンに扮するk4senさんが今にも「Be cool!」と叫びだしそうな躍動感のあるデザインに、釈迦さんも「ちゃんと飾ります」と語りました。
残念ながら全敗となったスタンミさんチーム。リーダーのスタンミさんは「このゲームは負けるとしなしなになる。それくらい悔しい」と悔しさを滲ませつつも「次回があったら次はしっかりと勝ちたい」と次回のThe k4senへ意欲をみせました。
最後に本ステージ全体の総括を求められたコーチのらいじんさんは「最高でした」と一言コメント。普段は辛口ならいじんさんの「最高」という言葉に、会場からは「おぉ~」と歓声が上がります。そしてk4senさんの「またサモナーズリフトで会いましょう!」という締めの言葉で、The k4senステージは大きな拍手と共に幕を閉じました。
コロナ禍によるイベントの開催制限が緩和されつつある中で開かれた今回のイベント。会場ではゲームに熱中する出演者たちの掛け声や、客席からの歓声が響き渡っていたのが印象的で、ここでしか味わえないオフラインイベントならではの空気感を感じられました。各出演者たちもイベント後にオフライン開催の楽しさを語っており、出演者・観客双方が楽しめた内容となりました。
昨年のストリーマー界隈でのブームにより、多くのファンを獲得したLoL。先日「LJL 2023 Summer Split」決勝戦のオフライン開催も決定し、ますますの盛り上がりをみせています。今回のThe k4senをきっかけに、今後より多くの『LoL』オフラインイベントが開催されることを期待したいですね。
©DreamHack Japan 2023 Supported by GALLERIA