プレイ人口は、前作の数倍!格ゲーに革命を起こした『ストリートファイター6』開発陣に訊く、“新規獲得”の原動力とは【インタビュー】

『ストリートファイター6』発売後の動きについて、松本Pと中山Dにインタビュー!あれこれ尋ねてきました。

コミュニティ インタビュー
プレイ人口は、前作の数倍!格ゲーに革命を起こした『ストリートファイター6』開発陣に訊く、“新規獲得”の原動力とは【インタビュー】
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2023年6月2日の発売以来、新たなムーブメントを巻き起こしている『ストリートファイター6(以下、『スト6』)。「操作が難しい」という、長年の格闘ゲームにおける課題を大胆な新システムによって解消し、さらに人気VTuberやインフルエンサーといったこれまで関わりが薄かった層をも取り込んで、大変な盛り上がりを記録しています。

そんな新しい波を、開発陣はどう見ているのか。「ストリートファイター6」プロデューサーの松本 脩平氏と、ディレクターの中山 貴之氏に詳しくお話を伺いました。

『ストリートファイター6』プロデューサー 松本 脩平(Matsumoto Shuhei) 氏
『ストリートファイター6』ディレクター 中山 貴之(Nakayama Takayuki) 氏

◆プレイ人口は、前作の数倍!難しいと言われ続けた“新規層”獲得の原動力とは

―『スト6』はこれまで格闘ゲームを遊んでこなかった層を巻き込んで、大変な盛り上がりを見せています。まずは発売から1ヶ月経過した、率直な感想をお聞かせください。(※インタビュー実施日は7月5日)

プロデューサー・松本 脩平氏(以後、松本P)ずっと勢いに乗って走ってきたので、もう1ヶ月経ったのかという思いです。「やっと発売したぞ」という区切りはなくて、開発している時からずっと良い意味で、テンション高い状態が続いているような感覚ですね。

ディレクター・中山 貴之氏(以後、中山D):私も同じ気持ちです。2018年からずっと作り続けてきて、リリースは迎えましたけど今後の対応も色々と控えていますし。それでも、たくさんの方に遊んでもらえて嬉しいです。

―発売から数日でユーザー数が100万人を突破し、Steamでの同時接続数も記録を大幅に更新するなど、数字からも高い人気が伺えます。

中山D:実際、前作『ストリートファイターV(以下、V)』と比較して、数倍もの人が集まっています。『スト6』発売をきっかけに、格闘ゲームに挑戦してみようかなという方が増えていますね。私も仕事から帰ってゲーム内の「バトルハブ」に行きますが、賑わっている光景を見て喜んでいます。

松本P:こういった動きを目にすると、「発売したんだなぁ」「盛り上がっていて嬉しいなぁ」という実感が湧いてきますよね。

―それと同時に、『スト6』から格闘ゲームを見て楽しむ視聴者も増えています。特に6月25日に開催されたCRカップはインフルエンサーやVTuber、そのファンをも巻き込み大きな話題となりました。開発側として、このムーブメントをどのように捉えていますか?

松本P:めちゃくちゃありがたいですね。見ていて本当に楽しかったです。感動したし、応援したくなったし、人間の良い感情が詰まっている素敵なイベントでした。

中山D:2年くらい前からずっと、「こんなイベントがやりたいね」とは話していたんです。それが『スト6』発売から約3週間という早いタイミングで実現できて、とても良かったです。

松本P:格闘ゲームや『ストリートファイター』を楽しいと思ってくれる層が、まだまだいっぱいいるんだなっていうポテンシャルを感じました。その盛り上がりの凄さを実際に体感させてもらいましたし、アプローチも間違っていなかったと感じています。

―ウメハラ選手といった、シリーズの最前線で活躍するプロゲーマーもしっかり存在感を示していて、絶妙なイベントでした。CRカップ終了後も、『スト6』は今まで格闘ゲームに触れてこなかった人気配信者の動きが目立っています。

中山D:コマンド入力を撤廃する「モダン操作」や、1人用のストーリーコンテンツ「ワールドツアー」といった、格闘ゲームの敷居を下げるために用意した要素も受け入れられていて、嬉しいです。

―特にモダン操作は大きいですよね。誰でも連続技が決められるから試合展開が派手になり、見ている側も面白いという良い効果が生まれています。それと意外なところでは、実況・解説システムも配信との相性が抜群なんだなって再確認させられました。自動実況のアールさんが「やっちまったー!」と叫び、コンボミスした兎田ぺこらさんが「ミスるときだってあんだよ!」と突っ込むなんて、そんな『ストリートファイター』を見る日が来るとは…。



中山D:ええ、そうですね(笑)。実況システムも当初は、プロゲーマーが受けているような実況を、格ゲー初心者にも体験してほしいという狙いからスタートしました。でも実際に作ってみると、対戦しながらアールさんの実況にワイワイ突っ込むのも面白いなって感じています。

◆なぜ最近、『ストリートファイター』と各企業とのコラボが活発なのか?

昨年にお話を伺った際、『スト6』におけるコンセプトのひとつに、“「ストリートファイター」の世界を広げたかった”というコメントを頂きました。最近は動画配信の広がりや「ワールドツアー」といった世界観が楽しめるコンテンツに加えて、阪神競馬場や劇場版「SPY×FAMILY」とのコラボまで行われています。これは『V』の頃から、どういった具合に考え方が変化しているのでしょう。

中山D:我々としては少しでも多くの人にゲームで遊んでほしい、『ストリートファイター』という名前を聞いてほしいと思っています。その考え自体は『V』の頃から変わっていなくて。

松本P:私と中山がプロデューサー/ディレクターという体制になった『V』後期から、コラボや『ストリートファイター』をもっと露出していこう!という方針にしたのが、大きな理由です。

中山D:もちろん他にも協力してくれるメンバーがいて、「こんなことやったら面白いね」っていう定例ミーティングを毎週行っています。面白いってのが大前提で、あとは誰かを傷付けないコラボであれば、全部やろうっていうスタンスです。

松本P:一度面白いコラボが実現すると、他の企業様も「こんなことできるんだ」って思ってくれるみたいで。やらないより、やったほうがいいなって。

中山D:ユーザーさんが喜ぶことはガンガンやります。この記事を読んで、『ストリートファイター』とのコラボに興味を持った方はぜひ、お声がけください(笑)。

◆「カルロス宮本」復活や自由度高すぎなアバター作成。随所に溢れる開発チームの“愛”

「ワールドツアー」に「カルロス宮本※」が出ていて、とても驚きました。せっかくの機会なので、彼にスポットが当たった経緯を伺いたいなと。

※カルロス宮本:1993年にカプコンから発売された、『ファイナルファイト2』に登場する主人公の一人。当時のプレイヤーに強烈なインパクトを残すもその後の出番に恵まれず、知る人ぞ知るキャラとして一部で人気。

中山D:カルロスは私も大好きなんですが、同じ『ファイナルファイト2』のプレイアブルキャラである源柳斎真紀やハガーが他タイトルで出番があったのに、彼だけ登場機会がなかったり、デザインを担当した安田朗(あきまん)さんにすら忘れられたりと、とにかく不遇なキャラで…。その状況を『V』の頃からなんとかしたくて、当時一人で担当していた「シャドルー格闘家研究所」で取り上げるなどしてました。

―名前といい日本刀を振り回す技といい、記憶には残りやすいんですよね。

中山D:そうですね。個人的に、「ワールドツアーに出したいキャラランキング」上位でした。設定も大枠は「南米からやってきた謎の男」ぐらいしか無いので、自由が効きます。原作を好きな方が嫌な気持ちにならないようにだけ、注意は払っています。

―カルロス宮本といえば、ボイスは超ベテラン声優の子安武人さんですよね。

中山D:ええ、ボイスのオーディションもいっぱいやりましたけど、私たちのイメージはやはり子安さんしかいないと。ただ、子安さんのような大御所にお願いして良いのかは迷いましたが…(笑)。でも収録後のボイスを聞いたら、「やっぱ子安さんで良かった」って思いました。

中山D:あと「ワールドツアー」には、カルロス宮本との対戦時にだけ曲が違うというこだわりもあります。本当はケンの曲を作っていたんですが、チェックした時に「これはケンじゃなくて、カルロスだな」となり、ケンの曲は一から作り直しました。開発陣はみんなカルロスが大好きで、そこに想いが乗っかっています。

―アバターの自由度も、相当高いですよね。プレイヤーの中には、20時間以上かけて有名な“筋肉芸人”を再現した方もいて。

中山D:ええ、見ました!凄いですよね。アバターは、『モンスターハンター』と『ドラゴンズドグマ』でキャラクリを担当しているスタッフの力を借りて、過去作の『ストリートファイター』キャラは全て再現できるくらいのバリエーションを持たせています。開発陣がみんな凝り性で、作れば作るほど欲がでてきて。気付いたら仕様や機能が増えることもよくあり、それに片っ端からOK出してました。

―キャラクリにおける腕の長さが技のリーチにも通じるといった要素も、格ゲーと上手く噛み合っています。自分の作ったアバターに、必殺技を自由に付けられるのも新鮮でした。

中山D:看板キャラである「リュウ」の必殺技を付け替えるのは違和感がありますが、自分の分身のようなオリジナルキャラであれば大丈夫だろうと。そういった、オリジナルキャラ同士が対戦するeスポーツはまだありませんし、色々と実験的な面も含んでいます。

―お話を伺っていると、『スト6』はメインとなる対戦格闘以外の部分にも、とんでもない熱量が注がれていると感じています。一方、この状況を松本様は、プロデューサーとしてどんな目線で見ていましたか?

松本P:「楽しい」「面白い」だったら良いの一言ですね。仕様や機能がどんどん増えるのは悪いことではありません。むしろポジティブで、「そんなこともできるんだ」と嬉しくなります。

中山D:私たちは特殊かもしれません。プロデューサーとディレクターが仲良くやってて、さらに松本は『ストリートファイター』が大好きで。松本が喜ぶ=その先にいるお客さんが喜ぶという考えが、現場の共通認識としてありました。

松本P:僕もプロデューサーとして説明やプレゼン、SNSで発信する時は、自分が「面白いな」「ユーザーフレンドリーだな」って感じたことを伝えたいですし、そういった意味でも開発現場が色々とこだわってくれるのはありがたいです。「今日、ここがこうなったんだよ」っていう細かい部分まで、中山も現場のメンバーもいっぱい話し掛けに来てくれますから。

―チーム全体が一丸となって取り組まれているのですね。確かに『スト6』はボリュームがありすぎて、今でも全て遊び切れてません…!

中山D:それも全て、前作のコンテンツが少なくてユーザーさんに迷惑を掛けたって思いがあったからです。私は途中からテコ入れとして『V』に参加しましたが、『スト6』には作っても作ってもコンテンツが足りないんじゃないかっていう恐怖心があって。

松本P:確かに、毎日言ってたね。

中山D:『V』の後半に「アーケードモード」などを追加したのも、そういった気持ちの現れです。ユーザーさんに辛い思いをさせてしまったし、『V』を途中から受け取った身としても、数年間は苦しかった。だからこそ、『スト6』は絶対満足させないとなと頑張り続けたら、こんなボリュームになっていました。

◆噂の“LPリセット”は、無し!「モダン VS クラシック論争」は、織り込み済み

―従来の格ゲーでメインコンテンツとされてきた、ランクマッチについてお聞きします。『スト6』のランクマッチは『V』と比べて、LPの増減幅や無差別マッチングの撤廃など、だいぶ優しくなったように見えます。これはどのように考え方が変化したのでしょうか?

中山D:『V』をベースとしつつも、遊んでいて嫌だった部分や離脱になりそうなポイントを改善していったという形です。再戦スピードがめちゃくちゃスピーディなのも、そういった理由です。あとは格ゲーだけじゃなく、他ジャンルで主流になっている仕組みも研究しました。

―『V』でマスター以上に到達するためには勝率70%前後が求められていたと思いますが、『スト6』は50%前後でも試合数を重ねれば到達できそうです。同じ高ランクでもニュアンスに差があり、従来のファンからはマスター以上の称号が欲しいという声もあります。

中山D:はい、今後はもっと上位プレイヤー向けの特殊な仕組みが開放されます。発売前の「ストリートファイター6 ショーケース」でも触れていましたが、一定期間の区切りをアクトと呼んでおり、そのアクト単位でマスターレートというレートをかけて戦う「マスターリーグ」の追加を予定しています。

―一部では、いわゆる“LPリセット”があるのではという噂もありますが。

松本P:LPリセットはありません。『スト6』として新しい仕組みを用意していますよ。

中山D:発売前から、調整班が「熱心なファンはすぐに上まで到達する」とは言っていて。実際にプロゲーマーのハイタニさんは、もう全キャラでマスターまで到達しちゃってますよね。やりすぎ!と思いました(笑)。でもそんなに遅くないうちに出ますので、お待ちください。

―こういった“やり込み”に付随しますが、格ゲーは前提として楽しいものの、ある一定のレベルまで踏み込むと、どうしても勝てないっていうストレスとの戦いになります。しかし『スト6』であれば応援実況で褒めてくれますし、他社様の事例となりますが『グラブルヴァーサス -ライジング-』でもキャラクターが応援してくれる「パートナー」システムが話題になりました。格ゲー製作者として、この“ストレス問題”について考えていることがあれば教えてください。

中山D:対戦に負けたらストレスが溜まるのはもう仕方がなくて、ゼロにはできません。『スト6』の方針は“褒めて伸ばす”であり、「ワールドツアー」やゲームと連動しているサイト「バックラーズブートキャンプ」など、様々な場面でアドバイスやキャラクターから応援してもらえる場面を意図的に盛り込んでいます。

―格ゲーの面白い部分でもあり、難しい部分ですよね。

中山D:反骨精神で「負けてたまるか」って気持ちが持てる方はそれで良いですし、心が折れちゃいそうな人には「頑張れ!」「できてるよ!」と褒めるというのが理想です。ランクマで負けてストレスが溜まったら、ワールドツアーでマッドギアをボコボコにしてください(笑)。

松本P:僕も会社の昼休み仕事終わり等に、よく対戦してます。『スト6』からはモダン操作を使ってますが、最近勝てなくなってきて…(笑)。そんな時は気分転換として他のキャラを練習してます。指の動きがモダンになってるから、『V』の時よりキャラ変えがだいぶ楽です。

中山D:インパクト・パリィ・ラッシュっていう共通のドライブシステムが強いのも、遊びやすいと思います。

松本P:全てのキャラで、「弾を含めたガードにはパリィ」みたいな動きができますからね。キャラを変えて遊ぶときも、これまでの経験が無駄になりにくくなってますよ。

―モダン操作といえば、開発側は発売前から一貫して、「モダン操作はいわゆるイージーモードではない」「モダン=初心者ではない」と主張されています。一方、我々メディアはモダン操作を「簡単操作、初心者用」と紹介しがちで、このあたりの思想をうまく広められていないなと感じています。特にユーザー間では、いわゆる「モダン VS クラシック論争」という話題も盛り上がりました。改めて発売後の状況を振り返りつつ、モダン操作に込められた意図をお話いただきたいです。

中山D:格ゲーって、難しい操作がいっぱいあって。通常技だけでも楽しく遊べるとは思いますが、やっぱ必殺技が出せないと損してる気分になるなと。だったら、誰でも出せるようにしようというのが、モダン操作を企画した切っ掛けです。あとは、満足に遊ぶためにアケコンを用意するのも大変ですし、ゲーム機に付属するコントローラーに最適化された操作方法が絶対に必要だとも考えていました。

松本P:『ストリートファイター』って遊べば遊ぶほど本当に面白いゲームなんですよね。対戦相手との読み合いもそうですし、相手が必殺技をミスったり、迂闊に飛び込んできたりした時にどれだけお仕置きをできるかとか。頭では反応できても、コマンド入力で必殺技を繰り出す事ができずに終わってしまう事が自分もよくありました。そういった部分をモダン操作が補ってくれるので「ストリートファイターめっちゃ面白い!」と感じてもらえる距離をかなり短縮できると考えていました。

―なるほど。

中山D:極論を言えば、クラシック操作を撤廃してモダン操作のみを採用するということもできました。しかしそれは従来からのファンに矯正を強いるものですし、色々と葛藤はありましたね。開発スタッフのなかにも“古のプレイヤー”がいて、彼らからは「クラシックなんて呼び方は嫌!」なんて声がありましたし。だからもう、全部ひっくるめて「どっちが強いか、対戦して決めたら」ってなりまして。

―ああ、そこは格ゲー的な思考なんですね(笑)。

中山D:どの操作にも利点はあります。モダンはコマンド操作がない分、必殺技を強度で打ち分けできなかったり、通常技が少なかったりしますし。そこも含めて、好きな方を使っていいよって思ってます。論争もあるなとは考えていましたが、そこは織り込み済みです。

松本P:実際、データとしてモダン操作の比率が上がってきています。間口は確実に広がっていますね。世代によっては「クラシック操作を知らない」なんて方も増えていくでしょうね。どの操作でも対戦が楽しめますので『ストリートファイター』を遊んでるという感覚は、味わえると思いますよ。

◆追加キャラ「ラシード」や大型大会など、プレイヤーも“見る専”も今後の展開が見逃せない!

―今後の展開ですが、まずは7月24日配信の追加キャラ「ラシード」が楽しみですね!

中山D:性能は『V』から調整してる点がいっぱいあります。パルクールの動きとつむじ風を使うという要素は維持しつつ、クセのない技が揃ってます。ステップが途中からランになるなど、動かしていて楽しいキャラになっていますよ。

松本P:勝利演出も凝ってます。今後もキャラクターを深掘りするような動画やテーマ曲といった、内容の濃い映像が出てきますから楽しみにしてください。

―多くのプレイヤーにとってバランス調整も気になるかと思います。基本方針はありますか?

中山D:大方針として、年一回。大会期間中にバランスが変わるのも良くないですから、「CAPCOM CUP」のような大きな大会後を見据えています。その他、先日の「投げ抜け問題」のような意図しない不具合には、都度対応します。そのほか軽微な修正はあるかもしれませんが、その意図はしっかり告知します。

松本P:いわゆる、「全体バトルバランス調整」は、年一回というイメージですね。

中山D:調整についても、なるべくアッパーを心がけたいと思っています。

―アッパー調整…。エドモンド本田…(ゴクリ)。

中山D:リリース前からバトル班が2年以上、毎日数百回も対戦して調整し続けているので変なことにはならないかなと。多くの方が本田に苦しめられているのも見ていますが、データとしては本田もJPも発売当初より勝率が下がってます。あと先日のRedbull KUMITEでマリーザが優勝しましたが、そうなると人気も上がったりするので面白いですね。

―その辺は、敏感に動く(笑)。

中山D:ユーザーさんが作るティアランクを見るのも好きです。あれ、開発の見方と全然違うんですよ。『V』も結局、最後までユーザーさんとの見解が一致しませんでした。恐らくルークが最上位って認識の方が多いでしょうけど、開発としてはずっとアレックスが上位にいたりして。全て話すと“公式の発表”になるから控えますけど、興味深いです。

―少し話が戻りますが、来年には優勝賞金100万ドルを懸けた、「CAPCOM CUP X」が開催されます!

松本P:はい。その出場権を得るための「CAPCOM Pro Tour 2023」が8月からスタートします。これは誰でもエントリー可能で、「ONLINE PREMIER」「OFFLINE PREMIER」での優勝や、「WORLD WARRIOR」のポイント上位者が「CAPCOM CUP X」への出場権を獲得します。

中山D:あとは「CAPCOM CUP X」直前に行われるオフラインイベント「Last Chance Qualifier(通称 LCQ)」ですね。昨年のLCQでは、ほぼ無名だった中国の若手プレイヤーZhen選手が、当日予選を突破して本戦でも準優勝と、破竹の結果を残しました。

松本P:16歳の天才と話題になったEndingWalker選手も凄かったですね。毎年、ドラマがありますよ。

―国内選手だけじゃなく、海外選手の活躍も楽しみです。最後にファンに向けて、一言お願いします。

中山D:まずは『スト6』を遊んでくれている方に、ありがとうございます。まだ遊んでない方も、格ゲーは怖くありませんし、1人用で遊べる「ワールドツアー」など様々な要素がありますから、宜しくお願いします。これから、追加キャラクター「ラシード」も追加されます。ゲーム自体も気になる点等あればSNSなどから拾って改良しますので、末長く見てもらえればと思っています。

松本P:『スト6』をいっぱい遊んでもらえて、本当に嬉しいです。僕たちも気合を入れて作ってきました。これからも手厚くサポートしながら運営をしていきますで、安心して遊んでもらいたいです。全然違うジャンルで遊んでいた方が『スト6』から格ゲーを始めたという情報を、プライベートでも聞きますしSNSでも見かけます。今、遊び始めるのに非常に良い状態で、今後も大会や配信等で『スト6』を見る機会も増えると思います。ぜひ気軽に、飛び込んでほしいです!


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