5月13日・14日にかけて、複合型ゲーミングイベント「DreamHack Japan 2023 Supported by GALLERIA」が幕張メッセにて開催されました。
「DreamHack」は、北欧・スウェーデンにて開催されたLANパーティから発展した複合型ゲーミングイベント。その歴史は古く、1994年の初回開催ではコンピューターゲームのデモンストレーションを披露する場でした。
そこから順調に成長し、スウェーデン国内で定期的に開催されるようになると、ゲーム大会やコンテスト、ワークショップなど多様なコンテンツが提供されるように。その後、1990年代後半から2000年代初頭にかけてのインターネットの普及とともに世界中に広まっていきます。そうして2023年に、開催地として選ばれたのが日本なのです。
本稿では、そんな「DreamHack Japan 2023 Supported by GALLERIA」の運営責任者であり、「ESL FACEIT Group」でカントリーマネージャーを務めるDonovan Auyong氏にお話を伺いました。日本開催にあたって「DreamHack」はどう生まれ変わったのでしょうか?
◆「DreamHack Japan」は“縁日”―運営責任者が語る日本ならではのアプローチ
――本日(取材日は5月13日)初日を迎えました。まずは会場に足を運ぶ日本のユーザーを見ていかがでしたか?
Donovan:色々と大変でしたが、こうして無事に開催でき、多くの方に足を運んでいただけてとても嬉しいです。印象的なのは、日本のお客さんはグッズに対しての熱量が高いことでしょうか。具体的な数字でいえば、海外のイベントでグッズを購入するのは来場客の20~30%程度です。ところが、ZETA DIVISONさんの物販は大盛況ですぐに完売していましたし、DreamHack公式の物販も海外と比べて、かなりのスピードで動いていると感じました。次はもっと賑わうように力を入れたいですね。それと格闘ゲームのアーケード機を配置しているエリアが一番混雑しているので、そこの調整も必要だと感じました。
――2023年は様々な国でDreamHackが行われていますが、なかでも日本だからこそやりたかったことはありますか?
Donovan:それはたくさんあります。DreamHack初のVTuberを起用した企画や、eスポーツと音楽のハイブリッド企画です。アイドルや音楽アーティストがゲームをプレイする企画は、ほかのDreamHackにはない試みになります。それと日本のeスポーツと言えば格闘ゲームなので、昔のゲームセンターのアーケード機が並んでいる様子は豪華でしたね。
――プロゲーミングチームとしては、日本のZETA DIVISIONが出展をしていました。今後、DreamHack JAPANに招集したいチームなどはいますか?
Donovan:次回のことを考えると、海外の有名ゲーミングチームよりも本格的なeスポーツ大会を持ってきたいですね。そのような大会に、例えば『CS:GO』ならNAVIかAstralisといったチームが、決戦の地として日本へ訪れることになるのが理想です。
――FPSタイトルで言うなら、『VALORANT』女性プロゲーマーなどを集めたショーマッチが行われていましたね。そのほかにも今後、大きなショーマッチをDreamHackで開催する予定はありますか?
Donovan:これから一番の課題はコンテンツのバランス調整です。本格的なeスポーツ大会とエンタメ寄りのショーマッチ、両方をバランスを50:50になるように開催するのが一番難しいのですが、後者の方が手掛けやすいのは間違いないです。
――最後に日本のユーザーに向けて、DreamHack Japanはどんなイベントになっていくのかをお訊かせください。
Donovan:Twitterなどを通して、皆さんの声も届いています。コンテンツの発表が遅かったこともありましたし、一度足を運ばないとどういうイベントなのかを理解するのは難しかったと思います。DreamHack Japanのポジショニングは、日本の”縁日”を目指しています。日本のゲームイベントとして、特に有名なものに「東京ゲームショウ」がありますが、それとDreamHackが違う点は“コミュニティ”を体感できる点です。日本の祭りのようなゲーミングフェスティバルを作っていきたいですね。
DreamHackを日本で開催する意義を感じることができた今回のインタビュー。Donovan氏が考える“こだわり”を通して、今後の展開への期待が膨らみました。
”縁日”のようなゲーミングフェスティバルとして、国内ユーザーのなかに定着することはできるのか、その動向を見守りましょう。
©DreamHack Japan 2023 Supported by GALLERIA