多くの方が待望し続けた『スプラトゥーン3』が、いよいよ発売されました。発売日の9月9日に合わせて休暇を取った方や、0時開始に向けてダウンロード版を選んだ人など、熱意を傾ける様子がSNSに飛び交い、その勢いと賑わいは今も続いています。
この熱気は漫画家たちにも及んでおり、戦いの場を原稿から『スプラトゥーン3』に移す方の姿がTwitter上で見られました。
最も顕著な例は、web漫画家のやしろあずき氏。仕事に支障が出ることを怖れ、母親や妻、担当編集にコントローラーやHDMIケーブルなどを隠されたとのこと。『スプラトゥーン3』発売前から、激しい攻防戦が始まっています。
そうした妨害にも負けず、やしろ氏は『スプラトゥーン3』の起動に成功。さらに、ゲーム内要素の投稿機能を使って描かれたと思われるイラストも公開しています。
そのイラストには「げんこうたのしい」との台詞もありますが、『スプラトゥーン3』の機能を駆使して描いていると考えると……やしろ氏が本当に楽しんでいるものは何なのか、邪推の念が沸いてしまいます。
その真偽が明らかになるようなコメントを、やしろ氏自身がTwitter上で発言。「スプラトゥーンはインクつかって塗るゲームなんだから実質原稿なんですよ。だから僕は原稿してるんです。わかりますかね???」といった超理論を投げかけました。
ちなみにこのつぶやきは、記事執筆時点で10万件を超える「いいね」を獲得しています。スプラトゥーンは原稿。なかなかのパワーワードです。
さらに、『スプラトゥーン』の通称を『原稿』と言い換えたらどうだろうとの発信も行います。「1日10時間原稿をしてしまった」「原稿のやめ時がわからない」「原稿の事しか考えられない」「早く原稿がしたいから家に帰りたい」などの使用例も合わせて紹介し、こちらには3.5万件の「いいね」が集まります。
そんな爆走を続けるやしろ氏に対し、どうしたらゲームプレイをやめてくれるのかと担当編集者が思案。その結果、「ゲーム自体への興味を失わせなければ」「何度も何度も勝負に負けさせ精神をへし折るしかない」「そうだ俺は前作ウデマエ最高ランク」といった結論へと辿り着きます。これが、毒を以て毒を制すとなるのか、ミイラ取りがミイラになるのか……結末が気になるところです。
もちろん、こうした争いごとはなく、仕事とプライベートをきっちり分けて遊んでいる漫画家も多数います。「ムヒョとロージーの魔法律相談事務所」の西義之氏、「AV男優はじめました」の蛙野エレファンテ氏などが、前述の投稿機能を使ったイラストを披露。それぞれのスタイルで『スプラトゥーン3』を楽しんでいます。
また、「いぬまるだしっ」「トマトイプーのリコピン」の大石浩二氏は、「仕事中なのでスプラ3はやってません」とTwitterでコメント。しかし、このつぶやきには投稿機能のイラストが添えられており、発言内容に疑問が浮かびます。
また、このつぶやきへのリプライには、ゲーム内に大石氏がいたという目撃情報もありました。この報告に対して大石氏は、「見つかってしまった!」とツイートしています。
一方、遊びたくても時間の都合がつかない漫画家もおり、「SPY×FAMILY」の遠藤達哉氏もそのひとり。同作のアーニャが『スプラトゥーン』シリーズに登場するイカガールを扮したかのようなイラストを公開しつつ、その中で「やるじかんがない…」と苦悩する様子を垣間見せました。
公開されたイラストには、ヒト形態のみならず、イカ形態……ならぬピーナッツ形態(殻付き)も描かれていたり、イカガールが喋った時の声「まんめんみ」の書き文字も添えるなど、『スプラトゥーン』に絡めた巧みなネタがたっぷり詰め込まれています。
原稿から『スプラトゥーン3』に戦いの場を移した人、正しくプレイしている人、「やってない」と言いつつ遊ぶ人、まだ遊べていない人……多くの漫画家たちが、それぞれの姿勢で『スプラトゥーン3』と向き合いました。
ちなみに、「はるみねーしょん」「こわい男とへんなねこ」の大沖氏は、『スプラトゥーン3』を理由に原稿が遅れるといった発言をする漫画家について、「ネタ絵や漫画をしっかり発売日にアップできる漫画家は結局「締め切りを守れる側の人間」なので騙されないように」と鋭く指摘しています。
冒頭で触れたやしろ氏も、一連の『スプラトゥーン3』関連のツイートをした後に、「それでも仕事が来続けてるという事はやる事は実はちゃんとやってるという事です」といったコメントを出しています。大沖氏の見解、お見事です。