紆余曲折を経てリリースしたUE5版『ARK』こと『ARK: Survival Ascended』プレイレポ―基本的なゲームの面白さは変わらず!ただし気になるのは要求スペックと安定性

発表から価格・販売形式変更や旧版の対応など、さまざまなことがあったリマスター版の実力は?

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紆余曲折を経てリリースしたUE5版『ARK』こと『ARK: Survival Ascended』プレイレポ―基本的なゲームの面白さは変わらず!ただし気になるのは要求スペックと安定性
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Studio Wildcardは、オープンワールドサバイバル『ARK: Survival Ascended』について、Steam早期アクセスの配信を開始しました。

本作は人気の『ARK: Survival Evolved』を新世代機向けに再考。ゲームエンジンにUnreal Engine 5(UE5)を採用することで、これまで以上に美しいグラフィックや映像表現を可能にしたほか、UIの再設計や改善されたシステムなどを導入しています。クロスプラットフォームに対応し、最大70人までのマルチプレイヤーもプレイ可能です。

本稿では、紆余曲折を経てついに配信された『ARK: Survival Ascended』早期アクセス版のプレイレポートをお届けしていきます。

『ARK: Survival Evolved』ができるまで

『ARK: Survival Ascended』は2023年4月1日に『ARK2』のリリース延期告知とともに発表された作品。Unreal Engine 5を採用して『ARK: Survival Evolved』を再設計したリマスタータイトルとして発表されましたが、今回のSteam早期アクセスまでさまざまな紆余曲折を経ています。

発表された『ARK: Survival Ascended』はPC/Xbox Series X|S向けには『ARK2』とのバンドルで49.99ドル、PS5向けには単体(PS5向け『ARK2』のリリース予定がないため)で39.99ドルで配信されることが告知されました。なお、過去には開発者がUE5を採用した『ARK: Survival Evolved』アップグレードを“完全無料”で提供するとSNSで投稿していました。



4月10日には、PC/Xbox Series X|S向けに予定していた『ARK2』とのバンドルの発売を取りやめ、すべてのプラットフォームで単体版を59.99ドルで販売することを発表。代わりに『ARK: Survival Evolved』のDLCやコミュニティマップなどを組み込み、アップグレードで配信されていくという販売形態の変更を行っています。

さらに、当初リリース予定だった8月のひと月前には、リリースを10月に延期することを発表。リリース時に同梱予定だった追加コンテンツ「Scorched Earth」の配信も12月に延期され、その後の配信スケジュールにも一部影響が出ていました。





なお、本作の発表に伴い旧作『ARK: Survival Evolved』の公式サーバー閉鎖と、コンテンツアップデートの終了のスケジュールを発表しています。この影響で旧世代機版でのプレイも困難になること、本作が『ARK2』の資金調達目的ではないかなど、発表からユーザーのさまざまな意見もあがっていました。





発表直後の販売仕様や価格変更など、さまざまな出来事を経てついにPC早期アクセス版がリリースされた『ARK: Survival Ascended』。次項からはプレイフィールをお届けします。

間違いない『ARK』の面白さ!

本作は『ARK: Survival Evolved』をベースに、UIなどさまざまな部分を改修しています。とは言え、ゲームはやはり拠点を作ったり、お馴染みの恐竜や生物をテイムするサバイバルであり、その根幹部分は変わっていません。今回はまずシングルプレイヤーでゲームを試してみます。

まずはキャラクター作成ですが、性別変更や体のパーツごとにスライダーで細やかな設定が可能です。全体的に見た目は美しくなっている一方で、とんでもない体型を作れるオリジナル版同様の安心感もあります。個別に細かい筋肉や肉付きを設定できる項目もあるので、細マッチョなども簡単に作れますね。

Steam早期アクセス版ではマップ「The Island」がプレイ可能。ゲーム内の説明などは完全ではないもののいくつかの部分が日本語化されています。冒頭で謎の声の人からのメッセージを受け取り、いよいよサバイバル生活が始まります。

まず感じるのは、やはりUE5の能力を活かしたグラフィック面の綺麗さ。筆者は全体的な設定を「中」まで下げたのですが、それでもやはり風景の美しさに目を惹かれます。また、海岸を見ると石や草などのオブジェクトも多いように感じます。少し周囲を見回すと、何やら青い尻尾が隠れているのを発見しました。近づいてみるとディロフォサウルス、しまった、肉食獣だ!

高いところに逃げよう。

この時点でいくつかの石と繊維しか持っていなかったので、逃げるしかありません。幸い近くにジャンプで登れる岩があったので避難し、なんとか逃げ切ることができました。序盤で何度も死にながらもサバイバルする面白さは、ああ、これは間違いなく『ARK』だなあと十分に感じられます。

クオリティアップの代償に要求スペックも高い

資源集めや拠点構築、そしてなによりも恐竜たちをテイムして自身のトライブ(グループ)の活動範囲を広げていく楽しさは変わっていません。筆者も川沿いに拠点を作り、槍やパチンコなどを駆使して野生生物と戦って装備を揃え、ようやく近くにいるトリケラトプスをテイムすることにしました。

トリケラトプスのつがいの近くには、野生の子供も歩いています。『ARK: Survival Ascended』の新要素として、野生の赤ちゃんも追加されているのです。頑張って大きな親に付いていく赤ちゃんトリケラトプスはとっても可愛いですね。

家も作りました。
襲われて殺されもしました。

その後は色々あって赤ちゃんに母トリケラトプスとの別れを経験させ、ようやく頼りになる騎乗用の恐竜をゲットしました。テイムの方法や騎乗用アイテムなどの基本的な部分も変わっていないので、既存の『ARK』プレイヤーであれば迷うことはないと思います。

子トリケラトプスは殺してないのでご安心ください。

ゲーム部分に関して、全体的なクオリティアップを素直に感じます。オリジナル版と細かな部分は変わっているものの、遊んでいて違和感をあまり感じることはありません。ただし、やはりSteamストアページで言われているように「あまりに要求スペックが高すぎる」というものがあります。

NVIDIA GeForce RTX 3070でメモリ32GBだった筆者は運良くゲームがクラッシュするということがなかったのですが、それでも安定したプレイのために環境設定は大幅に見直す必要がありました。ちなみにこれはあくまでシングルプレイでの話であり、マルチプレイだとクラッシュのほかサーバーが見えなくなると言った報告もあるようです。

美しさの代償とは言えやはり万人向けのスペックとは言えない。

少しだけ公式サーバーで遊んでみたのですが、クラッシュはしないものの、そもそも回線の問題なのか動作が重すぎてかなりプレイに支障が出ました。

サーバーは満員だらけの盛況っぷりですね。

さまざまな紆余曲折を経てSteam早期アクセス版が配信された『ARK: Survival Ascended』。高評価クラフトサバイバルの下地があり、根幹部分を変更せずにUE5でより美しく生まれ変わったことで、オリジナル版と同様の資源集め・拠点構築・生物のテイムといった基本的なプレイ部分は十分楽しめます。

ただし、やはり気になるのは要求スペックの高さで、ある程度遊べる人が選ばれてしまうのではないかという部分です。また、設定ミスのためか発売直後に値段が大幅に変更されているなど、リリースに関するトラブルは少し多めに感じます。なお、公式が現在の取り組みや今後の改善を予告しているので、こちらもご覧ください。

現在は早期アクセスということもあり、遊べるマップやコンテンツ部分も少なめです。早期アクセスフェイズはおよそ2024年末までを予定し、今後オリジナル版のDLCなどを含むコンテンツ内容を提供していくということです。現在は日本語翻訳されている部分もそこまで多くないため、状況を見て購入タイミングを考えてもいいかも知れませんね。

高グラフィックでティタノボアがウネウネ迫ってくるのが怖い!

『ARK: Survival Ascended』のPC版はSteam早期アクセスで配信中。PS5/Xbox Series X|S版は11月に発売予定のほか、日本向けのPS5版の発売も決定しています(発売日未定)。


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