アイスランド・レイキャビクにて『VALORANT』国際大会「2022 VALORANT Champions Tour Stage 1 ― Masters Reykjavík」が開催されています。
本大会に日本代表として参加する「ZETA DIVISION」は、世界の強豪を死神の如く撃破し、ローワー(敗者ブロック)準決勝まで勝ち進みました。これに勝てばグランドファイナルという局面で相まみえるのはNA地域代表の「OpTic Gaming」。
ーーLaz選手は公式配信のインタビューで「世界との壁を感じた」とお話されていましたが、どのような場面で壁を感じたか教えてください。
Laz選手 OpTicが本当に上手くて、壁を感じました。OpTicは自分たちの戦い方を貫きつつ、そこから僕たちに合わせて更に上を行く戦い方をしてきました。加えて、細かい連携やスキル合わせ、撃ち合いの面でも本当に強いなと感じました。
ーーOpTicに対する事前の研究と、実際に戦ってみての、印象の違いはありましたか?
Laz選手 実際に戦ってみないとどのような印象なのかわからないというのが普通かなと思います。しっかり仕入れた情報と、実際の試合で相手の動きを照らし合わせつつ戦っていました。
序盤は予想通りだったのですが、OpTic側が上手く変化をつけてきて、自分たちがどのように対策しているのかを察したのかなと思います。そこから自分たちの対策の対策を取られたと感じましたね。
ーー実際にOpticと戦って、今後どのように鍛錬を積んでいけば良いと感じましたか?
Laz選手 今大会を通じてさまざまな戦い方を、国内とは比べ物にならないほどたくさん体感できました。自分たちの戦い方を見直しつつ、自分たちが仕掛ける戦いはもちろん、受ける戦い方についても学ぶことがありました。また、細かいところ、G2戦などで課題となった少人数戦など、もっと強くなりたいと思いますね。
ーーヘイブンでは、最初とても好調な滑り出しでした、OpTicのタイムアウトから流れが変わり、最終的には敗北となりました。このタイムアウトからによって、具体的に何が変わったのか、どこが敗因だと考えていますか?
XQQコーチ たしかに序盤は好調でした。しかしOpTicのタイムアウトのあとからは、本来「みんなで決めたことをやろう」とすべき攻撃の方針、全体の意思統一がズレてしまい、その隙を狙われて崩されてしまったのかなと感じます。
ーーフラクチャーでは初めての敗北となりました。OpTicがフラクチャーで他のチームと比べて上手くプレイしていたでしょうか?また、フラクチャーのあとのメンタル的な立ち直しをどうはかったのか教えてください。
XXQコーチ OpTicは他のチームに比べて、各個人が使えるスキルが多い構成、それによってエリア取りや戦い方が複雑になっていました。そして、僕たちの戦い方を研究し、それに刺さるような対策を、今まで見たことないような戦い方をしてきたので、とても上手かったです。悔しいですね。
フラクチャーの敗北後、メンタル的には僕からは「やるしかない」という気持ちで、次のマップを落としたら負けという再確認をし、しっかり準備してきたバインドに挑みましたが、(勝利へ)届きませんでしたね。
ーー3rdマップ前のインターバル中、チームの中でどのような会話がありましたか?
Laz選手 2マップとも、勝てそうというか、取りたかったマップを2連続で落としてしまい、このままスタイルを貫くのか、なにか変えたほうがいいのかなど考えつつ、自分たちにやれることをやるしかないのかなと対策を考えていました。悔いのないように全員でぶつかっていこうという話をしていました。
ーーLaz選手へお伺いします。フラクチャーではチェンバー対決となったyay選手に対してどのような印象を持っていますか?
Laz選手 本当に安定していて強いなと感じたのですが、僕自身が特定の選手に対して強いなと思わないタイプなので、そこまで思うところはありません。本当に安定して丁寧にオペレーターなどを当ててくる選手だなと思っています。
ーーSugarZ3ro選手はオフラインの世界大会が初となりましたが、今大会でチームとしてだけでなく、個人として注目を浴びる存在でした。大会全体を振り返っていかがでしたか?
SugarZ3ro選手 初めてなりには頑張れたのかなと思います。やはり(今回の結果は)悔しいですね。まだまだ成長できるなと思っているので、Stage2で頑張りたいと思います。
ーーこれまでZETAの試合を見ていると、ショットガンの有効打となる採用が多く見られました。今回のOpTic戦ではそのようなものが見られませんでしたが、なぜでしょうか?
Crow選手 ジャッジやショーティなどが強い場所・タイミングで使うことは自分たちの戦い方のひとつです。今回はそのような機会がなかったのかなと、戦略的に意図して使っていないというわけではないですね。
ーーXQQコーチにお伺いします。『VALORANT』の競技シーンは戦略などが高度になっていて、大会でもメンタルや体力面など、さまざまな力が必要になってきています。今後の世界大会を見据えて、コーチとしてどのように向き合っていくべきだと思いますか?
XQQコーチ 今大会、僕たちは戦い方やメンタル面ではとても優れていたと思います。OpTic戦に関しては、自分たちの予想を上回るものを用意され、逃した勝利だと思っています。今後は戦略的の幅を広げられれば良いと思っています。
ーー続けて、3rdマップが終了した際に、チームにかけた言葉を教えてください。
XQQコーチ 僕もチームも、まだまだこんなもんではなく、優勝を目指す気持ちはずっとあり、最後の1ラウンドまでそう思っていました。終わってからは、ここまで休みもなくプレイし続け、頑張ってきたみんなに対してお疲れ様という言葉をかけていました。
ーーアイスランド・レイキャビクを離れる今の気持ちはどうでしょうか?
XQQコーチ 選手の5人、アナリスト1人、コーチ1人、彼らの仕事ぶりを誇りに思い、ここまで連れてきてくれたことに感謝しています。自分は、特にOpTic戦では自分の仕事として、もっとできることがあったと後悔が残っています。
ーーこれから国内リーグも始まっていきますが、他のチームへ期待することなどありますか?
XQQコーチ 他のチームへの期待というと、上から目線になってしまうのですが、僕らがさまざまな大会を見ながら学んできたように、僕たちのこのベスト3までの道のりを見て、どうプレイするのが良いのかや、敗因なども含めて吸収し、国内シーンの成長につなげてくれたら、僕らにとっても国内シーンにとっても良いことだと思います。
ーー日本のタクティカルシュータージャンルとして、歴史的な快挙となる結果を残すことができました。今回日本に帰国するにあたって、今どのような気持ちですか?
Laz選手 世界大会で日本のチームが善戦することができ、ずっと弱いと言われ続けてきた日本リージョンが成長していることを世界に見せることができて良かったと思う反面、OpTic戦での敗北の悔しい気持ちが強く、Stage2で優勝を目指したいと思います。
ーー今大会を通して、日本のファンはさまざまな感情を得ることができました。今後についての意気込みなどを教えてください。
TENN選手 日本は弱いというイメージがあり、高い期待を持ちにくい中、ここまで信じて応援してくれて、本当にありがとうございます。恐らく僕たちが一番試合を行ったと思いますが、その中で色々経験できたと思うので、Stage2ではもっと良いチームになっていると思います。
OpTic Gamingへ1マップも取得できずに敗退が確定したZETA DIVISION。悔しさの滲むプレスカンファレンスとなりましたが、結果としては世界ベスト3という歴史的快挙であることは間違いありません。Laz選手が掲げた「まずは一勝」という壁を大きく乗り越え、また新しい「世界の壁」へ到達することができたZETA DIVISIONの今後と、これに感化された国内チームの動向にも注目が集まります。
ZETA DIVISIONを破ったOpTic Gamingは、再びLOUD(BR代表)が待つグランドファイナルへ進みます。Stage1の優勝をどちらが勝ち取るのか、お見逃しなく!